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都会で育てるブルーベリー

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多くの果樹は地植えでないと質の高い果実が期待できません。しかしブルーベリーは鉢植えでも素晴らしい果実を収穫できる数少ない果樹のひとつです。また一般に低木なので、場所の限られるマンションでも栽培が容易です。都内のマンションで10年ほどブルーベリ栽培に取り組んだ経験をもとに都内でブルーベリ栽培を楽しむコツをご紹介したいと思います。

ブルーベリー栽培のきっかけ

当地は東京の中でも夏の暑さがしばしば話題になる地域です。周辺には畑も多いのに何故これほど暑くなるのかよく分かりません。さらに我が家はマンションの最上階で、屋上のコンクリートの照り返しもあり、夏は地獄のような暑さになります。

約32㎡のルーフバルコニーがあり、暑さ対策にウッドデッキを敷いたうえで、当初は家庭菜園や様々な草花の鑑賞を楽しんでいました。ブルーベリーも当初は果実の収穫よりもグリーンのひとつとして購入していました。当地の高温多湿の気候でも丈夫に育ち、虫もあまりつかず、果実も楽しめることから徐々に買い増し、他の植物を追いやりながら鉢の数を増やしてきました。現在では、120鉢を超え、初夏から夏にかけて収穫が追いつかないほど多くの果実が実ります。ブルーベリのほかにオリーブ、ブラックベリーラズベリーを数本、更に夏はトマトやきゅうり、なす等の家庭菜園をプランターで楽しんでいます。オリーブについては2年ほど前から収穫を行うようになり、塩漬けやピクルスを作っています。

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※写真は、2015年当時のものですが、現在は樹高、数も増え更に混みあっています。

ブルーベリー苗の選び方

苗を選ぶ際に最も重要なのは、栽培地の気候にあった品種を選ぶことです。ラビットアイ系統の品種は、寒冷地を含めて問題なく栽培できます。一概には当てはまらないこともありますが、ハイブッシュ系統については寒冷地であればノーザンハイブッシュ系を暖地であれば、サザンハイブッシュ系を選択するのが一般的です。ホームセンター等ではその地方に適合する品種しか置いていないのが一般的ですが、インターネット等の通信販売で苗を購入する際は、注意が必要です。

あとは大実か中粒実か?豊産の品種か?早生か中生か晩生か?甘い品種か酸味のある品種か?等々ですが、これらはインターネットで品種名から簡単に調べられます。ただ、2~3年生では、その品種がもつ本来の性質が発揮されないことがあります。栽培環境(気温や日当たり)でも大きく変わってきます。私も品種の評価をする場合、最低でも購入後2~3シーズン様子を見ます。

初心者で確実な収穫を期待するのであれば、まずはラビットアイ系をお勧めします。一般にブルーベリーは自家受粉しにくいので、必ず2品種以上購入する必要があります。ハイブッシュ系の中には、自家受粉する品種もありますが、高品質な果実をそれなり収量で収穫したいのであれば、複数品種で受粉させることをお奨めします。

ブルーベリー苗のお薦めの入手方法

ブルーベリ苗はホームセンターや園芸店で容易に入手できます。このような店舗で販売されている苗の多くは2年生(挿し木から2年経過したもの)ですが、中には3年生や大きな店舗では、それ以上のものも見られます。価格は、2年生の自根苗(接木でないもの)で千円台半ばくらい、接木苗が3千円弱、3年生のハイブッシュ系統で自根苗が2~3千円、接木苗が4千円弱~5千円弱というのが一般的なようです。4年以上のハイブッシュ系統だと5千円を超えてきます。ラビットアイ系統は大きな苗でも比較的安く購入できます。

ここ数年、実店舗やインターネットで様々な業者から苗を購入してきましたが、それぞれのメリット・デメリットについて、少し詳しく書きたいと思います。

(1)苗木の育成会社・販売業者から直接購入する

ナーセリーと呼ばれる苗木場から直接購入する方法です。パテント品種(PVP)と呼ばれる品種登録されている苗木の中には、開発元と増殖販売契約している専門業者からでないと購入できないものがあります。これらの品種を購入する際は、業者との間で誓約書を取り交わす必要があります。誓約書には、勝手に増殖、すなわち挿し木等で増やしたり、他人に譲渡することを禁じる記載があります。

ブルーベリのナーセリーで最も有名なのが茨木県土浦市にある大関ナーセリーです。インターネット通販(通常9月末から販売)やカタログ販売(7月から販売)も行っていますが、苗の状態や在庫を直接確認したいため、ここ数年は直接ナーセリーに出向いて購入しています。

カタログ販売では、オンラインショップで購入できないブルーベリー園向けの品種も紹介されています。

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ここの苗は、鉢の中で根がびっしり張っており優良な苗であることを証明しています。

なお、パテント品種については、大関ナーセリのほか、京都のオーシャン貿易等でもインターネット販売で入手することができます。

(2)ホームセンターや園芸店から購入する

植木を扱っている外売り場のある殆どのホームセンターで冬から春咲きにかけて購入することができます。特に2~3月は開花前の色々な品種が入荷します。様々な業者の商品が販売されていますが、ハイブッシュ系統であれば特にお薦めなのは接木苗です。比較的頑強なラビットアイ系にハイブッシュ系の品種を接木したものです。ハイブッシュ系は土壌の酸度に敏感なものが多く、加湿に弱かったり、成長が遅かったり環境によっては、突然枯死することもありますが、これをラビットアイ系の根で補うというものです。接木苗のなかでも有名なものは埼玉の中島農園のものです。ブルーインパルスというブランドで大きなホームセンター等で見ることができます。

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ホームセンタで苗を購入される方は多いと思いますので、東京近郊の主要なホームセンタでのブルーベリー苗の取り扱いについて触れたいと思います。但し、同じホームセンターでも店舗によって差異があるので、あくまで参考程度としてください。

カインズホーム

関東を中心に全国に店舗をもつホームセンターです。首都圏の大型店舗では、多くのブルーベリ苗を扱っています。代表的な大型店舗は、埼玉スタジアム近くの浦和美園店です。ここは、多くの品種を扱っており、上述のブルーインパルスも2年生、3年生共に揃っています。

ジョイフル本田

知る人ぞ知る超巨大ホームセンターです。どの店舗も初めて行くとあまりの大きさに戸惑います。当然ブルーベリーも多く販売されていますが、独自ブランドの商品がメインです。品種が限られ、デューク、ブルークロップ、ノースランド等です。個人的にはいまいち魅力に欠けると思う品種ですが、4年生以上とも思われる大苗も5千円以下で販売している店舗もあります。店によっては、ブルーインパルスも扱っています。ここで注目すべきは、一部の店舗に併設されている庭木庭園センターです。ここは、地元の複数の造園業者が出店しているいわばマーケットプレイス的な店舗です。名前のとおり、地植えの庭木の販売がメインですがブルーベリーの大苗を出店している業者も見かけます。かなりの掘り出し物が見つかることもあります。数年前に守谷店の庭木庭園センターで1万円以下でアーリーブルーの接木の大木を購入したことがあり、何年にも渡って素晴らしい大量の果実の収穫を楽しむことができました。

ドイト花の木

埼玉を中心に店舗を展開するドイトの園芸ショップです。よく利用した与野店は、以前多くのブルーベリー苗を販売していましたが、ドン・キホーテによる買収後は、改装され屋外の販売スペースが縮小され、苗の扱いも少なくなってしまいました。何故かここ最近は、ピンク系ブルーベリーのピンクレモネードの販売に力を入れているようです。

コメリ

新潟に本社を置き全国に1000を超える店舗を展開するホームセンターです。ブルーベリは手ごろ価格の1~2年生苗が中心です。以前は、レノア等の結構レアな品種も扱っていましたが、最近は、定番品種が中心です。

スーパービバホームケーヨーD2

都内にもいくつか店舗がありますが、ブルーベリー苗については、あまりパッとしません。代表的な品種の1~2年生苗が中心です。

 (3)JA等の直売場で購入する

JA等の直売場では、鉢植えのもの以外に地植えされた根巻きの大苗を購入できるところがあります。埼玉川口市の安行には川口緑化センターや安行園芸センター等庭木の大型直売場があり、ブルーベリーの大苗が手に入ります。但し、この手の直売場は、タグ付けが生産者に任されており、品種表記が無く、単に「ブルーベリー」としか書かれていないものも結構目立ちます。中には、「ブルーベリーピンク系」などと書かれたタグがついているものもあります(「フロリダローズ」と思われます)

(4)通販サイトから購入する

実店舗を伴う園芸店のオンラインショップと通販専用のショップがあります。前者は大阪の国華園、後者は花ひろばオンライン等が有名です。花ひろばオンラインでは、上述のブルーインパルスの多くの品種を買うことができます。但し、送料を含め価格は高めです。

 ここで、筆者が現在栽培している品種を紹介します。前述のとおり、当地は、夏の暑さに加えて、栽培場所がルーフバルコニーの為、コンクリートの照返しにより、相当厳しい暑さになり、更に西日も強い環境です。この為、高温に弱いノーザンハイブッシュ系統の品種の中には上手く育たないものもあります。特に接木されていない自根苗は弱い傾向があるので、極力接木苗を購入しています。

楽天市場でブルーインパルス接木苗を探す

 以下に2019年4月現在栽培中の品種を記します。( )内は、購入先になります。

BI:ブルーインパルス接木(中島農園)、OZ(大関ナーセリー)、OB(オーシャン貿易)表記無しは、その他ホームセンタや栽培農家からの購入になります。最後の数字は栽培中の本数(表記無しは1本)です。

◆サザンハイブッシュ系:

・アーレン(BI)
・オニール(BI)×3本
・オニール ×2本
・エメラルド(OZ)×2本
・ガップトン(BI)
・ケストラル(OZ)×2本
・サウススプレンダー(OZ)×3本
サンタフェ(OB)×2本
・サンプソン(BI)×2本
・シャープブルー ×2本
・シャープブルー(BI)
・ジュエル(OB)
・スイートクリスプ(OZ)
・スノーチェイサー(OZ)×2本
・スプリングハイ(OB)×2本
・スージーブルー(OZ)
・ニューハーノーバ(OZ)
・ノーマン(OZ)×3本
・ビューフォート(OZ)
ファージング(OZ)
・ブラデン(BI)×2本
フリッカー(OZ)
プリマドンナ(OZ)
・ブルーサンシャイン
・フロリダサファイア(OZ)×5本
・フロリダアスター ×2本
・ピロキシ
マグノリア(BI)
・ミスティ(BI)
・メドクラーク(OZ)
・ユーリカ(OZ)×5本
・リバティ(BI)
・リベイル(BI)

 計31品種56本

◆ノーザンハイブッシュ系:

・アーリーブルー
・あまつぶ星
・アイバンボー
・おおつぶ星(BI)
・エチョーダ(BI)×2本
・エリザベス(BI)×3本
・カーラーズチョイス(BI)×3本
・カロライン(BI)
・コリンズ(BI)
・シエラ
・スパルタン(BI)×6本
・ダロー(BI)
・チャンドラー(BI)
・デキシー(BI)×2本本
デニーズ(BI)
・デューク(BI)
パトリオット(BI)×2本
・プル(BI)×2本
・ブルークロップ
・ブルーレカ
・ブルーレカ(BI)
・ブルーレイ
・ボーナス(BI)×2本
・レガシー(BI)

 計22品種37本

◆ハーフハイブッシュ系:

ポラリス(OZ)

 計1品種1本

◆ハイブリット系:

・オーゼキブルー(OZ)×2本
・ピンクレモネード ×5本

計2品種7本

◆ラビットアイ系統:

・ウィトゥ
・オクラッカニー(OZ)×6
・オンスロー
・クレイワー(OZ)
・タイタン(OZ)×2
・ティフブルー
・ノビリス/T100
・パウダーブルー ×2
・フェスティバル ×2
・フクベリー ×2
・ブライトウェル ×2
・フロリダローズ
・ミノウベル
・ヤドキン

 計14種24本

◆品種不明:

 計8本

合計68品種126本

ちなみに過去栽培したが現在は栽培していないのは以下の品種です。

◆サザンハイブッシュ系統

ガルフコースト、ジョージアジェム、ケープフィア、サンライズ、ベンダー、ネルソン、アイブルー、クーパー、ダップリン、レノア

◆ノーザンハイブッシュ、ハーフハイブッシュ系統

レイトブルー、オーロラ、ブルージェイ、ブルーヘブン、トロ、ブルーゴールド、ジャージ、バークレイ、ノースランド

◆ラビットアイ系

ブライトブルー、アイラ、ラヒ、コロンブス、ブルーマル、ベッキーブルー、ホームベル

等々です。自然に枯れた多くは(接ぎ木でない)自根苗が殆どで当地の夏の高温多湿が栽培に向かない為と思われます。それ以外は、虫害(コガネムシの幼虫)、食味がいまいち等の理由です。但し中には優秀な品種もあり、良い苗が見つかれば再チャレンジしたいと思います。

栽培数126本のうち、ブルーインパルスが34%、大関ナーセリーが32%を占めています。特に3年以上栽培を続けているものは、ほぼこの2社から購入したのものであり、優秀な苗であることは断言できます。 

購入時期について(いつ購入するか?)

ホームセンター等の店舗でブルーベリーの苗が多く売り出されるのは、春先です。この頃は、花芽がハッキリと分かるようになり、果実を期待させるような苗木が店頭に多く並びます。このような時期に購入するのも良いのですが、ベストと感じているのは、秋です。

この時期に出荷される苗は、未だ葉は青々としています。少し寒くなり、根の成長がとまる時期に、スリット鉢に植え替えを行ってしまい、葉は全て落とします。秋をお勧めするのは、良い苗が入手し易い為です。

ただし、この時期、一般にホームセンター等の店舗では、売れ残った苗が並んでおり、新苗は、未だ販売されていません。そこで、ナーセリーから直接購入したり、ホームセンター等を経由して、農園から取り寄せてもらいます。大関ナーセリー等で販売される人気の高いパテント品種は、秋には売り切れてしまうものも多くあります。下記の苗は、ホームセンターで9月位に取り寄せてもらった3先生の接木苗(中島農園のブルーインパルス)です。価格は3.980円でしたが、素晴らしい苗です。

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ブルーベリーの用土と肥料

 一般的な果樹・野菜は弱アルカリ性の用土を好みますが、ブルーベリーの用土は酸性にする必要があります。pH4.5~pH5.2が目安と言われています。ピートモス7~8割に鹿沼土ブレンドするのが一般的で、あらかじめブレンドされて、肥料まで含まれているブルーベリー専用用土もホームセンターで販売されています。

当初は、このような用土を使用していましたが、数年たつと泥土化し、水捌けが悪くなることが多く、成長もいまいちと感じられるようになりました。色々と試行錯誤して、ここ数年、使用しているのが、通気性の高い長繊維のピートモスやココヤシをベースとした用土です。当初行っていたブレンドも手間がかかるので、ここ数年は、この製品を使用しています。

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Berry's Lifeホームページから引用

香川県さぬき市にある栽培農園をもつショップです。オンラインショップを開設しています。昔は楽天市場に出店していましたが、現在は独立したネットショップのみです。

http://berryslife.com/onlinestore/

ここのオリジナル用土「デネブ CoCoブレンド」という製品で、ココヤシの繊維であるココファイバーをベースに、ココチップやパーライトブレンドし、排水性と同時に保水性を確保した用土です。pHも4.3~4.7に調整されています。実際使用してみると一般の市販用土やピートモス鹿沼土に比べ根張りが断然良く、泥土化しにくいことがわかりました。ただ、排水性が良すぎるので、特に夏は確実に水やりを行う必要があります。16Lで765円と少々高価ですが、高いだけの価値は十分あります。お奨めです。

肥料についても、同じショップの配合肥料を使用しています。植物性有機肥料と天然鉱物由来の有機肥料とのこと。有機肥料の中には匂いが強いものがありますが、マンションのベランダ等では気になります。この肥料は、匂いも控えめで問題ありません。

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Berry's Lifeホームページから引用

スリット鉢

鉢については、異論なくスリット鉢がベストです。名前のとおり、下部にスリットが入った硬質ポリ素材の鉢です。四角形のものもありますが、八角形のもの、スリットが8つ入っているものがポピュラーです。色も茶やブルーのものもありますが、緑色のものが圧倒的に多く出回っています。

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この鉢の最大のメリットは、根張りが良く、サークリング(根が鉢の中で渦を巻くこと)が起きにくい為、根が絡みにくく水を効率的に吸収することができることです。通気性も良く、鉢底石も不要です。軽く、持ち運びも便利です。欠点はスリットが大きめの為、土が漏れやすく、ミミズが侵入しやすい点です。ミミズは、ブルーベリーの根に害を与える訳ではありませんが、土の泥土化を促進してしまいます。色々なサイズが揃っており、10号サイズ(直径30cm)までは、リーズナブルな価格ですが、最大サイズの12号(直径40cm)になると、結構高く(1500円くらい)なります。

楽天市場からスリット鉢を検索する

マルチング

ブルーベリーの最大の敵は、間違いなくコガネムシの幼虫です。コガネムシはブルーベリーの葉を食い散らし、土に産卵します。孵化した幼虫はブルーベリの根を喰い荒らします。果実に直接的に害を与えるものではありませんが、根がダメになり、最後は枯れてしまいます。毎年毎年、この対策を行ってきましたが、現実的で絶対的な決め手はなかなか見つかりません。

最も手頃な方法がマルチングです。土の上に、マルチング材を置いて、害虫の侵入を防ぎます。またマルチングのもう一つの目的は、乾燥防止です。長繊維のピートモスやココファイバーは、乾燥しやすいのでマルチングは必須です。

マルチング材としてポピュラーなものは、ウッドチップや(少し高価ですが)バークチップです。一定の効果はあるのですが、侵入を完全に防ぐことはできず、また腐食や害虫に弱いこともあり、現在は少し大きめの黒曜石ベースのパーライトを使用しています。

有効と思いここ数年試したのが、不織布の防虫ガードシートです。これは万全と思いましたが、湿気が籠りやすくアリ等の害虫の棲家になってしまったり、隙間からコガネムシが入り込むこともあり、決して万能ではありませんでした。隙間対策や湿気のコントロールができる環境であれば有用な手段だと思います。

天敵の鳥害を防ぐ(ネットの設置)

コガネムシの幼虫と並んで、ブルベリー栽培の天敵が鳥です。こちらは、果実に直接、害を与えます。特に大きな被害をもたらすのがムクドリです。

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(「NPO法人バードリサーチのための図鑑」から引用させていただきました)

大抵つがいで現れ、甲高い声で鳴きます。果実のみならず花も食すため被害は甚大です。対策として防鳥網を張っていますが、信じられないほど頭が良く、わずかな隙間から入り込み、食い荒らした後、糞をして、網から出ていきます。 

防鳥網については、日本マタイという会社のマルソル(MARSOL)ベランダネットという商品を使用しています。色々試しましたが、この商品は透明で、しっかりしており、30mmという編み目間隔が、ムクドリは通さず、受粉昆虫の蜂は通れるという条件にピッタリです。ルーフバルコニーのため、手摺とウッドデッキにラティス用の支柱(人工木製)を固定して使用しています。以前は、ラティスも使用していましたが、ブルーベリの樹木自身が目隠しとなっている為、現在は取り去っています。

ただ、ムクドリの被害は防げますが、メジロが、この30mmの網目を通ってしまうことに最近気づきました。

   

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Wikipediaからの引用です

目を小さくすると受粉昆虫の妨げになってしまうので悩ましいところです。花期は、この網を使用し、結実したら細かい網に変更するのがベストですが、結構面倒です。多少の鳥害は、諦めるしかありません。更に目の細かい網として、ホームセンターで売られている防虫ネットを使用する方法もあります。こちらは、コガネムシ等の昆虫の害も防ぐことができます。

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楽天市場でベランダ防鳥ネットを探す

受粉について 

ブルーベリーは、単体品種だけでは、結実しにくく、同じ系統の別品種を使用して受粉させる必要があります(中には自己受粉する品種もありますが、確実に結実させるためには他の品種が必要です)。受粉は、風やハチ等の昆虫に頼ることになりますが、都会では、最近はハチは少なく、まして3月や4月の早い時期は飛んでいません。

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後ろ脚に沢山の花粉を付けています

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5月中旬になると花は落ちやすくなります

上記は5月で、開花が比較的遅いラビットアイ系品種の受粉にはハチが活躍してくれますが、開花時期が早いハイブッシュ系品種については、昆虫による受粉は、東京都内では、あまり期待できません。

従って、確実に結実させるには、人工授粉が必要になります。人工受粉には、細く柔らかい水彩画用の絵筆を使用しています。100円ショップで売っているもので大丈夫です。受粉に使用する花粉を小さな器に採取して、小筆を使用して、雌しべに直接受粉させていきます。

水やりについて

日常の手入れで最も面倒なのが水やりです。ブルーベリーは一般に乾燥に弱く、花期や結実直後に乾燥すると果実は全く期待できません。さらに水捌けの良いココファイバーを用土に使用しているため晴天時期の水やりは、かかせませんが、サラリーマンの身で、毎日、特に真夏は朝夕に水やりを行うのは、結構苦痛です。そのために4台の自動散水機(タイマーにより設定した時間に散水)を使用しています。

タカギの自動水やり機がおススメです。ホームセンターや通販で容易に購入することができます。水センサーで乾燥した時だけ散水したり、ホースやノズルがセットになった商品もあります。

真夏時期は、朝夕に15分ほど、その他時期は、朝1回散水しています。

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楽天市場で自動水やり機を探す

 その他、手入れでは、剪定等が重要になります。細い余計な枝、内向きの枝や地面から直接生える枝(サッカー)を取り除いたりすることですが、正直あまり得意な領域ではないので、ここでは省略します。興味のある方は「ブルーベリー 剪定」でインターネット上を検索すると色々参考になる情報が見つかります。

マンションでのブルーベリー栽培は、落ち葉等周りに気を使わなければならないことが色々とありますが、緑の少ない都会の中でグリーンを楽しんだり、果実を収穫したり、紅葉を楽しむという多くの愉しみを与えくれます。

自宅のベランダや庭でブルーベリー栽培を考えている方の参考になれば幸いです。

<了>