DRCリシュブールはブルゴーニュラバーにとって憧れのワインですが、昨年近所の酒屋のセラーで1990年代のDRCを何本か見つけ、安くしてもらったこともあり、清水の舞台から飛び降りる思いで全部購入しました。いずれもサントリー(現在はファインズ)輸入の正規品です。他にラ・ターシュとロマネ・サンヴィヴァンとグラン・エシェゾー数本を同時購入しました。リシュブールの目玉は、何と言っても、1999年です。実は、同じ店で、10年以上前に1999年のラ・ラターシュを購入しています。当時は、今では考えられないような価格(一桁万円です)でした。
ほとんど見かけなくなった1994年のDRCですが、この年のブルゴーニュの赤は、1990年代では、1992年とともに最も評価の低いヴィンテージです。1991年も当初は評価は低かったものの、その後、再評価されていますが、残念ながら1994年については、あまり良い評判は聞きません。このヴィンテージのDRCリシュブールはネットで探しても、1件しか見つからないうえに、とてつもなく高価(52万円!)です。おそらく海外からの取り寄せだと思います。やはりDRCはオフビンテージでも高価なことに変わりはありません。
リシュブールの説明は、ワインラバーの方には不要かと思いますが、ロマネ・コンティの畑の北側真横にあります。下記は2015年にコート・ドールを訪問した際に撮影した写真です。左がロマネ・コンティ、右がリシュブールの畑になります。完全に地続きの畑です。
以下、1994年DRCリシュブールのテースティング記録です。
これらDRCは、購入時には、全てワインセラー(ユーロカーブ)に保存されていました。ただ、1995年以前のものは若干液面が低いものも見られました。これもそのうちの1本ですが、キャップシールを剥がすと、やはり少し液漏れした跡がありました。
コルクも少し柔らかくなっており、抜栓は時間を掛けて慎重に行いました。
色は、縁にオレンジ、全体的に少し茶色の入った暗いガーネットです。香りに関しては、流石に華やかな花の香りとはいかず、プラム、乾燥イチジクの果実香、黒胡椒、皮、紅茶、腐葉土の香り。ただ、ひね香は特に感じられず極端な酸化はなさそうです。
やや酸が強い気がします。ビンテージの特徴なのか、少し熱劣化が入っているのかは分かりません。果実味はそれなりには感じられますが、やや平坦のような気がしました。やはりこのヴィンテージなので、飲み頃は過ぎているのは間違いないようです。
3.4
ミモレットやボーフォール等の味が濃いめのセミハード、ハードチーズが良く合います。
すっかり手が届かないほど高くなってしまったDRCリシュブールですが、最近の他のプレミアムワイン、ルロワやルジェのクロ・パラントゥに比べると..という感じもします。価格以前に入手そのものが難しくなってしまっているような気がします。やはり中国の影響でしょうか、正規価格での入手が難しくなっています。ブルゴーニュの価格高騰が加速した2005年ですが、都内の卸酒屋でラ・ラターシュを12万で購入しました。2009年も同じ酒屋で2009年ラ・ターシュをほぼ同じ価格で購入しています。それ以降は、長らく購入できませんでしたが、2015年は、リシュブールを某百貨店で16.8万円で購入しました。これらが、おそらく日本での正規の小売り価格かと思います。しかし、ネットショップで売り出された価格は、いずれも30万円以上です。今や一般人が正規の小売り価格で購入できるチャンスは非常に限られているようです。価格はともかく、小売店や飲食店でもDRCを入手できるのは、難しいようです。大きな小売店でも、サントリーとの取引金額が、2000万円以上でようやく、ロマネ・コンティ1本が割り当てられるといった話を聞きます。
これは、札幌の某ワインバーで見せてもらった今年仕入れられたDRCの2015年ヴィンテージワインです。ロマネコンティは競争の末、仕入れられたようですが、モンラッシェはともかく、何とリシュブールとグラン・エシェゾ―が抜けてます。生産量がより減少した2016年は、正規品は日本に入手しない可能性も囁かれています。
10年前の価格に戻ることは、期待できないと思いますが、少なくとも正規の価格で、もう少し入手し易くなることを願いたいと思います。
了