フランスの山羊乳(シェーブル)チーズ2種です。
フランス南部プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール圏のローヴ・ドゥ・プロヴァンス(Rove De Povence)とフランス西部のポワトゥー・シャラント圏のモテ・シュール・フォイユ(Mothais sur Feuille)とです。
どちらもフェルミエ(渋谷)で購入しました。ローヴ・ドゥ・プロヴァンスは、1個1,200円(税抜)、モテ・シュール・フォイユは、ハーフカットで1,350円(税抜)です。80g程度なので、まあまあ高いですね。
ローヴ・ドゥ・プロヴァンスは、団子のように丸い形状で、モテ・シュール・フォイユは直径10cm程の円盤系の形状で栗の葉が付いています。栗の葉は、チーズの水分を吸収し、熟成中は湿度をあたえる役割をしています。フォイユは、「葉」の意味です。どちらも薄い外皮で覆われています。熟成が進むと表面は、カビに覆われてきます。
ローヴ・ドゥ・プロヴァンスの「ローヴ」は、の山羊の種類です。
(上記写真は、ヒサダの久田 早苗さんのブログから引用させていただきました)
カット面ですが、どちらも真っ白いきめの細かい質感です。ローヴ・ドゥ・プロヴァンスの方が、密度が高く、硬めで、クロタンナイフでもややカットしにくいです。モテ・シュール・フォイユは、ロワールのチーズに似ており、やや柔らかいチーズです。
下は、1週間前に食べたローヴ・タン(Rove Thym)です。ローヴ・タンはのタイム(ローズマリーもあるようです)を添えたプロヴァンスのシェーブルチーズです。まさに初夏のチーズでハーブが強く香ります。外皮が非常に柔らかく、常温で溶けてきます。今回のローヴ・ドゥ・プロヴァンスは、ハーブを食べた山羊乳から作られたチーズです。確かにハーブの香りは僅かに感じられますが、ローヴ・タンのようなはっきりした香りではありません。
シェーブル特有の香りは、ローヴ・ドゥ・プロヴァンスの方がやや強く、塩味も少し強めです。モテ・シュール・フォイユは、柔らかく、ミルキーなタイプ、クセもなく(シェーブルチーズが嫌いでなければ)万人受けするタイプのチーズだと思います。
合わせるワインは、プロヴァンスのロゼ、シャトー・ド・ロムラードとニュージーランド・マールボロ産のソーヴィニヨンブランのログ・ジパングです。
シャトー・ド・ロムラードは、グルナッシュ、サンソー、シラー混醸のロゼワインです。プロヴァンスのロゼらしい玉ねぎの薄皮の色のような淡いピンク色です。青リンゴ、フランボワーズ、ミネラル、優しい酸とほのかな甘み、アフターに軽いタンニンと僅かな苦みを感じます。2014年にプロヴァンスを旅行しましたが、ほとんどの昼食で、プロヴァンスのロゼをオーダーしていました。晴れた日のプロヴァンスのテラスで飲むのが最高のワインです。
当然ながらプロヴァンスのこのチーズとの相性は抜群です。基本的には辛口ですが赤系果実の甘みもあり、酸もそれほど強くなく、シェーブルの酸と喧嘩しません。
ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン ログ・ジパングです。
グリーンがかった薄いレモンイエロー。グレープフルーツ、レモン、スイカズラ、ハーブの香り、ミネラル、シャープな酸と心地良い苦み。トロピカルフルーツ的な要素はあまり感じませんが、マールボロらしいソーヴィニヨン・ブランです。このワインは、信濃屋のオリジナル商品のようで、価格も1,390円と2,000円前後が多いマールボロのワインとしては非常に手頃で、コストパフォーマンスは高いです。
ロワールのシェーブルとサンセール(ソーヴィニヨン・ブラン)の相性が有名ですが、このニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランもどちらのシェーブルにも良く合います。ただ、シャープな酸が少し強めなので優しいシェーブルとの相性をどう見るかかと思います。
フルーティさと酸がシェーブルにも良く合いますが、もう少し甘みが抑えられ、酸が協調されていると、より相性は良くなると感じました。
了