Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

ロバート・ヴァイル ベーレン・アウスレーゼ 1990年

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ドイツ名門の古酒 ロバート・ヴァイルのキートリッヒャー・グレーフェンベルク・リースリング・ベーレン・アウスレーゼ 1990年です。ベーレン・アウスレーゼの凄さを知るワインになりました。

ドイツワインファンでなくても、このラベルは、目にしたことがあるかと思います。ロバート・ヴァイルは、ドイツのラインガウ地方キートリッヒ村に1886年に創設されたワイナリーで、皇帝ヴィルヘルムⅡ世がこよなく愛した白ワインとして名声を博しています。1988年にサントリーが経営権を取得しており、日本でも親しまれています。通常のリースリングからシュペートレーゼまでのラインナップは、比較的目にしますが、アウスレーゼ、ベーレン・アウスレーゼ、そしてトロッケン・ベーレンアウスレーゼは、殆ど目にすることはありません。まして、1990年代の古酒は、今では、極めてレアなアイテムです。このワインは、近所の酒屋の地下倉庫に長い間、眠っていたものです。ラベル自体、普通のロバート・ヴァイルと変わらないものなので、ラベルに書かれているBERENAUSLESEの文字に気を留めなければ、価値のあるものとは知らず、放置されていたものと思われます。迷わず1ケース12本を購入しました。

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全部買ったものの心配なのは状態でした。一部は液漏れしているものもありました。地下倉庫で通常の室温よりの温度は低めとは言え、長期にわたり保管されていたものです。まず、1本抜栓してみました。

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コルクは柔らかくなっており、抜栓途中に見事に崩れました。

色を見て不安になりました。まるで、1970年代の白ワインのようです。琥珀色~褐色です。焦げたプルーン、花梨、カラメルや薬草のような極めて複雑な香りです。劣化によるひね香、過度の酸化を心配しましたが、実際、口に含むと劣化は全く感じず、蜂蜜のような甘さに複雑でありながら極めて上品な酸を感じます。素晴らしい甘口古酒です!

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少し前にディケムの1993年(ハーフボトル)を飲んだ際、状態が悪かったのかアタックにはっきりした酸化臭を感じましたが、そのような香りは全くありません。ポイントは酸で、恐らくトロッケンベーレン・アウスレーゼであれば、もっと甘口一辺倒だろうと想像されます。ベーレンアウスレーゼのもつ酸が、心地良いアクセントになっています。ポルトガルのマディラにも似ており、恐らくこの酸があることで、単なるデザートワインにとどまらず、煮込み料理等にあわせることもできるのではないかと思います。ちなみに、2週間以上冷蔵庫で保管しましたが、風味は全く変化しませんでした。アルコール度数は7.5%と低めにもかかわらず、まるで酒精強化ワインのようです。

体験したことのない、ちょっと驚きのワインでした。

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