Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

2019年8月のワイン記

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2019年8月のウィークディ中心に楽しんだワインです。
7月末より、猛暑が続くと、さっぱりとした白ワインの比率が高くなってきます。お盆を過ぎてやや過ごしや易くなると、また赤が恋しくなります。8月に飲んだ印象的なワインについて書きたいと思います。珍しくはずれがなく、どれもコスパに優れたワインでした。

 まず久々のムートン・カデの白です。

ムートン・カデ(Mouton Cadet) 2017年

シャトー・ムートン・ロスチャイルドを手掛けるバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社が、よりカジュアルに楽しめるワインとしてラインアップしている商品です。30年以上前、最初にワインに目覚めたときに良く飲んだのがボルドーですが、取引先にワインに詳しい方がいて、勧められたのが、このムートン・カデです。最近は、ボルドーもコストパフォーマンスに優れるワインがインターネットで取り上げられるようになり、忘れられた存在になりつつあります。特にここの白はあまり飲む機会がありませんでしたが、たまたまコストコで安く(1200円位だったと思います)売られているのを見つけ購入しました。

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夏はやっぱりコレです

典型的な柑橘系シトラス、グレープフルーツの皮、アタックには溌溂とした酸、塩っぽさとアフターに苦みを感じます。極めてドライなワインで心地よい苦みも感じるので、ビール代わりにも良いかもしれません(笑)千円台前半であれば、買いです。

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ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ・シュル・リー・シャトー・ド・ラ・ブルディニエール トラディション 2017年

ロワール川のナント県で生産されるシュール・リー製法で作られるワインです。シュール・リーは、「滓の上」の意味で、発酵の途中で出る滓を取り除かず、造ったワインです。滓がワインの中で、タンパク質からアミノ酸に変わり、ワインに旨味とコクを与えます。シュール・リー製法で作られるワインには、このミュスカデ以外に、日本の甲州、例えば、「シャトー・メルシャン山梨甲州」などがあります。他に日本のシャルドネにもこの製法を使ったものがあるようです。

色はレモンイエロー、はっきりとしたミネラル。溌溂とした酸と少し甘さも感じられる旨味を感じます。軽く薄っぺらいミュスカデもありますが、このミュスカデは、しっかり味がのっており、素直に美味しいです。

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魚介類にはピッタリで、ムール貝に合わせました。

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チーズは、やはり同じ同郷のシェーヴル、「ヴァランセ」との相性が抜群でした。シェーブルには、サンセール等のロワールのソーヴィニヨン・ブランが定番と言われますが、個人的には、やや酸がやさしいミュスカデの方が合っているように思います。

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ルー デュモン ブルゴーニュ ルージュ ア ラ ヴォートル キュヴェ ウメムラ 2016年

ア・ラ・ヴォートル( à la vôtre )は、「乾杯」の意味のフランス語です。ウメムラ・ワインセラーの為に作ったスペシャル・キュベのようです。

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やや濃いめのラズベリーレッド。ブラックチェリー、ラズベリー、過剰ではありませんが、じっかりとしたタンニンを感じます。あまり甘みを感じず、やや、クラシックなブルゴーニユを感じさせます。もう少しだけ愛想があれば、間違いなくコストパフォーマンス抜群のブルゴーニュといえるのですが...

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ルー デュモン ブルゴーニュ ブラン ア ラ ヴォートル キュヴェ ウメムラ 2016年

上記の白バージョンになります。レモンイエロー、溌溂とした酸、ライム、ミネラル、ドライ・ハーブ、アフターに少し苦みを感じます。こちらも、少しドライな方向に振っているように感じました。

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ただ、冷蔵庫でギンギンに冷やして抜栓して、直ぐに飲んでしまったので、ちょっと本領が発揮できなかったようです。もう、1~2時間待つべきでした。

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ベルトラン アンブロワーズ(Bertrand Ambroise)ブルゴーニュ 2016年

プルモー・プリセに拠を置く造り手で、最近、リアルワインガイド誌でも、べた褒めされているようです。トップラインは、コルトン・ロニェやエシェゾーといったグラン・クリュですが、裾もののこのブルゴーニュAOCワインも含めて、最近はラインアップ全体で、極めて高い評価を得ています。
評価の割に価格はリーズナブルなので、昔からコルトン・ロニエを中心に結構購入しています。かなり濃縮度の高い(濃い)ワインのイメージを持っていますが、最近は、エレガント路線になっているような評価も目にします。

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少し紫と黒が混じるラズベリーレッド(ダークチェリーレッドに近い)。ラズベリーやダークチェリー、ブルーベリー、甘草、タバコやなめし皮、甘い香りが漂います。口に含むと、酸はそれほど感じず、果実の濃縮した甘みが印象的なワインです。タンニンは結構滑らかで突出していません。まさに今飲んで美味しいワインです。トロ・ボーのブルゴーニュ赤と並んで、素晴らしいコストパフォーマンスのブル赤だと思います。

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ヴァンジール コーヒーピノタージュ( Vanzijl Coffee Pinotage) 2017年

南アフリカピノタージュ種から作られるワインです。1K前後の手頃な価格なので、気軽なデイリーワインとして時々飲みます。
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思ったほど濃くはなく、中程度のガーネット。樽由来のものかと思いますが、確かに香りにスモーキーで少し甘みのあるコーヒーのニュアンスを感じます(特に初日より2日目)。果実の印象は、ブルーベリーのニュアンスです。甘みと酸味を感じるアタックで、タンニンは弱めです。コーヒーと言っても、ボルドーやシラー種の濃い系のワインで感じるコーヒーのニュアンスとは少し異なります。やや酸味と甘みを感じる、品種に例えるならば、コナコーヒーのようなニュアンスです。

ピノタージュは、ピノ・ノワールとサンソーの交配品種で、南アフリカの黒ブドウを代表する品種です(南アフリカ以外では殆ど聞きません)。ピノ・ノワールとは、似ても似つかないと思いますが、タンニンが円やかで果実味豊かな品種で、これはこれで好きな品種です。

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チーズは、コクと酸味のあるハードチーズ、ヴェッキオ オーロと合いますが、濃厚な(賞味期限を過ぎた)ウォッシュチーズ、ピエ・ダングロワとも悪くはありません。このワインの甘みとチーズの塩味が相反効果を生み出しています。

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ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージ・クラシコ サルタレッリ 2017
Verdicchio Dei Castelli Di Jesi Classico 2017 Sartarelli 

イタリア・マルケ州ヴェルディッキオ100%のワインです。ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージを代表する造り手のひとつです。信濃屋で購入しましたが、36種類ものクローンを混植しており、これまでのイメージを変えるヴェルデッキオとのセールス文句でした。ヴェルディッキオ種の過去の印象は、確かに、飲みやすいけれどシンプル、やや厚みに欠ける印象を持っていました。

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冷蔵庫でキンキンに冷やしていたせいか、抜栓直後は、あまり、香りが立たず、何故か僅かにナッツっぽい香り。数分置くと、ミネラル香が顔を出してきます。ライム、フレッシュハーブ、石灰、伸びやかな酸から、フィニュッシュは、少し甘みを伴う苦み。更に時間が経ち温度があがるにつれて、どんどんミネラル感が強くなります。甘みも酸味も圧倒するほどです。シトラス、但し、生のレモンというより、ポッカレモンのような少し柔らかい酸味です。1時間も経つと厚みも感じられてきます。アルコール度数は13.5%あります。

スタンダードラインで、樹齢もそれほど高くないようですが、ヴェルディッキオ種のイメージを覆すような、華やかで厚みもあるワインでした。

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コトー・ブルギニョン ヴィエイユ・ヴィーニュ クロズリー・デ・アリズィエ
Coteaux Bourguignons V.V. Closerie des Alisiers 2015

ガメイとピノ・ノワールの混醸で作られるコトー・ブルギニョンです。コトー・ブルギニョンは2011年にAOCに認定されており、従来は、ブルゴーニュ・グラン・オルディネールの名称で呼ばれています。

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中程度~やや濃いめのラズベリーレッド。最初の印象は、ハーブキャンディ。直ぐに、イチゴ、ラズベリー、チェリーの香り。更に時間が経つと、ガメイ種の特徴が出てきます。カシスや杏の甘い果実、少しジャムっぽさも感じますが、それが支配的なわけではなく、チャーミングさを醸し出しています。酸味ばかり強く、薄っぺらな安ブルゴーニュに比べると、断然お奨めです。

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最後に自宅以外で飲んだワインです。
レコール・デュ・ヴァンのワイン会での持ち寄りワインです。
(写真が見にくいのはお許しを)

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 全部で7本、全て、スパークリング、白、ロゼでした。だれも赤ワインを持ち込みません(笑)。ちなみに私は、上記写真には入っていませんが、タヴェル・ロゼを持ち込みました。
以下、印象に残ったワインです。

 東京台東区にあるワイナリーBook Road/葡蔵人の「ベリーAスパークリング」。マスカットベリーAのスパークリングは、初めて飲みました。
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明るいルビー色、まさにイチゴ。チェリー(というより)さくらんぼも感じます。甘いだろうと思いましたが、意外に辛口です。 

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アルカンヴィーニュ(ARC-EN-VIGNE)ブラン。2015年に開業した新しいワイナリーです。日本ワイン農業研究所(株)という固い名前の会社ですが、アルカンヴィ―ニュという名前で、通っているようです。品種は、「竜眼」主体でシャルドネブレンドしているようです。柑橘系の香りにミネラルを感じる爽やかなワインでした。

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最後に最も印象的だったワインです。

ダミヤン リボッラ・ジャッラ(Damijan Ribolla Gialla)2013年

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リボッラ・ジャッラ100%のイタリア・フリウリのオレンジワインです。
色は、まさにオレンジ色です。最初、少しシェリーっぽい酸化のニュアンスを一瞬感じましたが、すぐにカリンやアプリコット等の黄色いフルーツ、紅茶のニュアンスが顔を出します。初めての飲んだワインですが、色だけでなく、その複雑さに魅了されました。これは、自分で買って、じっくり飲みたいと感じたオレンジワインです。

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<了>