ブルゴーニュの宝石ヴォーヌ・ロマネ村の6つのグランクリュので、北側をロマネ・コンティ、南側をラ・ラーシュというDRCの珠玉のモノポール(単独所有畑)に挟まれた縦長のクリマ、フランソワ・ラマルシュのモノポール ラ・グラン・リュです。
先月初めのヴォーヌ・ロマネ旅行を記念して、自宅セラーに保管していた2009年ヴィンテージを開けました。
▼ラ・ターシュと道を挟んでロマネ・コンティと隣接するこの畑は、地質学上もグラン・クリュに相応しいクリマで、1991年に1級から特級に昇格しています。ラ・ターシュと同様に縦長の畑で、実際に畑を見ると結構大きなクリマに感じますが、面積は1.65haと隣接するラターシュ(面積5.08ha)に比べると意外に小さいクリマです。ラ・ターシュに比べると横幅がありません。
上部では褐色の石灰岩の浅い表土で、下部ではより深くなる土質で、エレガントでありながら、比較的力強いワインを生みだします。
1990年代までの評価はあまり高くありませんが、2000年代後半から地質に相応しいワインを生み出すようなり、特にこの2009年あたりから飛躍的に評価が上がり始めました。
フランソワ・ラマルシュのワインは、2012年よりラベルデザインが変わっており、この2009年は、変更前のラベルになります。
今回は、静岡県の東急ハーベストクラブ伊東に持ち込み、素晴らしい料理と一緒に楽しみました。
滓は殆ど見られませんでしたが、2009年と2010年のグランクリュについては、未だ開ききっていないワインが多いので、ソムリエにデキャンタ―ジュをお願いしました。
やや濃いめのラズベリーレッドに少し黒が交ざる色調です。ラズベリー、アメリカンチェリー、ワイルドブルーベリー等の赤黒果実、樽熟由来のグローブ、胡椒のスパイス香。少し時間をおくとタバコや腐葉土の熟成香が出てきますが、妖艶な香り(?)とまでには至りません。柔らかい果実味、フィニッシュに、やや苦みを伴います。甘さよりややスパイス感、タンニンの方がやや勝ります。悪くはありませんが、欲を言えばもう少し中域に果実味の厚さが欲しい感じがします。
あと数年寝かせば、華やかさや甘みが増すのか、徐々に痩せていくのかは、判断が付きません。
(3.6)
今回は、フレンチレストランの席が取れず、バイキングでしたが、メイン料理だけオーダーすることができました。
▼金目鯛の煮付けです。
▼信州牛のフィレステーキ。柔らかくて脂ののった素晴らしいステーキでした。
フランソワ・ラマルシュのワインは、2010年以降評価が高まるにつれ、価格も上がっています。2017年ヴィンテージのグラン・リュの価格は、とうとう9万円近くになってしまいました。
ちなみに過去の購入価格を調べてみたら、以下のような推移でした。
2006年 18,900円
2009年 23,000円
2012年 39,800円
2013年 40,000円
2015年 72,000円
すなわち、僅か10年で約4倍です!
このワインだけではありませんが、ちょっと手が出ません。
需要と供給の関係でしょうが、この魅力的なグラン・クリュももはや手の届かない存在になってきているのは、残念です。
<了>