ニュージーランドで名実ともにナンバーワンのブルゴーニュスタイルのシャルドネ生産者、クメウリヴァーのフラッグシップキュベ クメウリヴァー マテズ・ヴィンヤード(Kumeu River Mate’s Vineyard Chardonnay)です。
クメウリリヴァーは、ユーゴスラビアから移住してきたブロコヴィッチ一家が1944年、オークランドから北西に約20キロ離れたクメウ地区に設立したワイナリーです。当主のマイク・ブラコヴィッチは1949年に亡くなり、妻のケイトと息子のマテがブドウ栽培とワイン造りを引き継ぎ、この新しいワイナリーの評価を高めました。マテは、ニュージーランドのワイン業界でも有名で、ニュージーランド・ワイン・インスティチュートの委員長も務めています。
1992年にマテが亡くなった後は、マテの妻メルバと3人の息子がクメウリヴァーのワイナリーを守っています。醸造責任者の長男のマイケルは、ニュージーランド初のマスター・オブ・ワインで、彼の造り出すワインは、世界的に非常に高い評価を受けています。
2018年にロンドンで「The Great Blind Chardonnay Challenge 2018」と題するブルゴーニュとニューワールドのシャルドネ・ブラインド対決が行われました。ブルゴーニュ10本+ニューワールド10本、計20本、価格制限を設けず。但しニューワールドに関しては、ブルゴーニュスタイルのものが選ばれたそうです。
結果は、
2位 アルノー・アント ムルソー・クロ・デ・ザンブル 2014
そして3位が、クメウリヴァー マテズ・ヴィンヤード 2014
でした。
ドルーアンのモンラッシェ・マルキ・ド・ラギッシュ [2011]やマルク・コラン ル・モンラッシェ [2014]など錚々たる顔触れ抑えての快挙だったようです。
このニュースを知り、このワインを探しましたが、2014年は流石に完売のようで、2015年を2本、手に入れました。
Kumeu River Mate’s Vineyard Chardonnay
クメウ・リヴァー マテズ・ヴィンヤード シャルドネ
手積みで収穫後、房ごとプレス。100%フレンチオークで野生酵母により発酵させる。100%MLF発酵。11ヶ月樽熟成(インポーター情報より)
レーマン フィリップ・ジャムスのブルゴーニュ ブラン グラン・クリュ 用のグラスを使いました。このグラスのお陰もあるのか、香りが凄いです。
濃い目のレモンイエロー。ミネラルの香りが際立っています。リンゴ、ライム、ヴァニラ、ハーブ、ハチミツ。綺麗な酸、新世界にありがちな甘味は感じず、ドライながら熟度の高い果実からのボリューム感があります、余韻も長めです。樽も過剰ではありません。やや濃厚で色も濃いですが、味わってみると、確かにブルゴーニュスタイルです。
あと2~3年ほど熟成させれば、更に複雑な香りが楽しめそうです。
いつもはブルゴーニュ赤に合わせる焼鳥をこの日は、この白に合わせてみました。
濃厚シャルドネは、肉の脂を吸収してくれます。相性は悪くはありません。
▼次いで、チーズです。
左からアッペンツエラー(6ヶ月以上熟成の黒ラベル)、ヴュリー・ルージュ、ボーフォールです。
真ん中の表皮がオレンジっぽいヴュリー・ルージュは、初めて食べるチーズです。
スイスの西部にあるヌーシャテル湖とモラ湖の間の丘陵地、クレシエで生産されているヴュリー・ルージュはハードタイプのチーズです。1990年代から造られている比較的新しいチーズのようです。
モラ湖の南斜面で栽培されるピノノワールのワインで表面を磨き、湿度の高い熟成庫で熟成させています。この手のチーズは、濃いめの白ワインや軽い赤ワインに良く合います。
3つのチーズの中でヴュリー・ルージュは、最も香りが強く、ねっとりと濃厚な風味が感じられるチーズで、このボリューム感のあるシャルドネに良く合います。
このワインは、6K前後の価格で購入しています。高騰したブルゴーニュの1級白に比べても、明らかにコストパフォーマンスの高いワインです。
同じヴィンテージのものがセラーにあと1本残っていますので、もう少し熟成を待って飲んでみたいと思います。
<了>