Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

ジュヴレのお気に入り生産者 デュガ・ピィ プティット・シャペル2008年

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ジュヴレ・シャンベルタンのお気に入り生産者ベルナール・デュガ・ピィの1級プティト・シャペルです。抽出の強さがデュガ・ピィの特徴ですが、濃いだけでなく、しなやかで、エレガントさも兼ね備えているデュガ・ピィのワインは、飲み頃を間違えなければ、常に満足を与えてくれます。

ベルナール・デュガ・ピィ(Bernard Dugat Py)は、ジュブレ・シャンベルタンで17世紀からワイン造りを営んできた老舗デュガ家の出身で、カルト的な人気を誇るクロード・デュガ(Claud Dugat)とは従兄どおしになります。ちなみに「ピィ」というは、奥さんの旧姓のようです。

今年の9月にジュヴレ・シャンベルを訪れた際に、ラヴォー、クロ・サン・ジャックのh畑の近くで見つけだドメーヌです。

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▼BERNARD DUGAT PYの上に、「L’AUMÔNERIE(オーモネリー)」と書いてあります。牧師とか司祭とかの意味のようですが、デュガ・ピィのホームページによると、ここは、9世紀からディジョンのサン・ベニニェ修道院に属していた小さな修道院だったようです。 現在残っている地下のセラーは11世紀と12世紀に建てられた地下室が使われているようです。丸い天井の美しいセラーのようですが、当然一般人の見学は受け付けていません。

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生産量の少なさ故、以前から高い価格がネックでしたが、最近のブルゴーニュワインの価格高騰で、飛び抜けて高価とも感じなくなってしまいました(やっぱり高いことには変わりありませんが...)

強い抽出を特徴とし、色調の濃いワインは、ヴァン・ド・ガルド(長熟ワイン)と認識されていますが、濃厚といっても決して樽香が際立ったものではなく、果実味豊かで繊細さ・複雑さも兼ね備えたワインという印象を持っています。

ということで、結構好みの生産者でのひとつです。とはいえ、特級・1級共にそれほど多く飲んでいるわけではないので、語れるほどではないのですが、しばしば飲む村名(レ・エヴォセルやクール・ド・ロア)やブルAOC(キュヴェ・アリナール)でも充分その素晴らしさを理解できます。村名ワインは、1万円前半の良年のバックヴィンテージが見つかれば思わず手が出てしまいます。

評価の高い2001年のシャルム・シャンベルタンを数年前に飲みましたが、濃厚さはそれほど感じられず、抜栓後しばらくはあまり愛想は良くありませんでした。しかし時間と共に、エレガントさが滲み出てきたことを記憶しています。

▼プティット・シャペル(小さな礼拝堂)の畑は、シャペル・シャンベルタンの東側、斜面下部に位置します。力強いシャペル・シャンベルタンに比べて、女性的な柔らかいワインを産出すると言われています。

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▼デュガ・ピィのサイン入りボトルです。1年半ほど前に18K円ほどで購入しています。実は、このワインは、2年前にも購入して飲んでおり、その印象が良かったので、同じショップで再購入した経緯があります。

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▼クメウ・リヴァー・マテウ・ヴィンヤードと同じ日に飲みました。ニュージーランドシャルドネですが、完全にブルゴーニュタイプです。

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▼前置きが長くなりました。プティ・シャペル2008の感想です。
結構濃いめのラズベリーレッド。ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、赤系と黒系両方の果実が同居している感じです。甘草、コーヒーに好きな腐葉土や獣香が交ざります。柔らかな酸、シルキーなタンニン、果実味の甘露さが、絶妙なバランスです。2008年のブル赤にありがちな過剰な酸は感じられません。素直に美味しいワインです。ボトル差かもしれませんが、1年半前に飲んだ同じワインに比べてもタンニンがこなれており、旨味を強く感じます。

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 ▼チーズは、スイスのヴュリー・ルージュです。
詳細は、こちらの↓クメウ・リヴァーの記事中でコメントしています。
https://blog.hatena.ne.jp/turque1991/turque.hatenablog.jp/edit?entry=26006613445873694
ピノ・ノワールで表面を洗ったチーズなので、ピノ・ノワールワインとの相性は良いと思ったのですが、ねっとりした食感で割と濃厚なタイプ(実際は写真よりも黄色がかっています)ということでの相性の良さを感じました。濃いめのシャルドネとも良く合います。

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久しぶりのデュガ・ピィでしたが、ちょうど飲み頃ということもあり、やはり期待どおりの美味しさでした。

<了>

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