バッカスのささやき

ワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒との出会いと趣味のブルーベリー栽培を中心に日常を綴ります。

新政ラピス中取り VS No.6 X-type飲み比べ

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新政の火入れスタンド―ドライン「ラピス」の中取りと生酒の最高峰No.6 X-typeです。どちらも生酛造りと6号(新政)酵母が生み出す爽やかな酸味と旨味が調和した素晴らしい日本酒ですが、性格は結構違います。単独での味わいに加え、料理やチーズとの相性についても述べたいと思います。

 秋田の酒米から造られる新政のスタンダードなラインであるカラーズの青ラベル、秋田県産美山錦100%の瑠璃 2018、通称「ラピス(ラズリ)」の 別誂中取りです。「中取り」は、もろみを搾る工程のなかで2番目に出てくるお酒で、1番目は圧力をかけずにででくる「あらしばり」や最後に絞り出す「責め」に比べて、最もまろやかで、雑味が少なく上質の酒とされています。

▼特別なラッピングがされ、タグには32/516のシリアス番号が入っています。精米歩合は55%です。f:id:turque1991:20191022002912j:plain

▼ほぼクリスタル(透明)に近いですが、ほんの僅かに黄色が入っているように思います。半年~1年ですが、熟成によるものと思われます。火入れ酒ですが、要冷蔵扱いです。

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 以前飲んだラピスやコスモス、ヴィリジアンなどのカラーズシリーズに比べると、最初の印象は、それほどインパクトを感じず、やや大人しく、僅かにドライな印象ですが、何日かに飲み続けると甘さ・酸味・旨味が高い次元でバランスが取れていることが分かりました。

トップノーズに上品な炊いた米の香り。洋梨、メロン、リンゴ、生酛造り由来のサワークリーム、木桶からの木の香りと、最初のアタックでは、清涼感を伴う酸味に、僅かにスパイシーな香りも感じました。わずかに苦みを伴う余韻も長めですが、さすがに、X-typeには敵いません。 

続いて、No.6 X-typeです。こちらは、精米歩合45%です。

トップノーズの米の香りはさらに穏やかです。桃のコンポート、メロン、白い花、より華やかな香りです。ファーストアタックは、わずかな炭酸感に上品な酸、前述の果実を感じる甘みとボリューム。生酒の特徴がはっきり顕れています。余韻も非常に長いです。

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お酒単体で味わうと、上述の感想ですが、料理と合わせるとどうでしょうか?

▼秋の味覚、さんまです。

相性的には、ラピス中取りのような気がします。甘さが突出しておらず、少しドライに感じるところや、旨味、アフターに少し感じられる苦み等が焼き魚には合っているように感じます。No.6 X-typeも良いのですが、やや甘みが邪魔をしているように思います。X-typeは、魚であれば照り焼き、他には甘辛い煮物等が合うような気がします。 

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▼次いでチーズとの相性です。

生酛造りからの酸味に対して、同じ酸味のあるシェーヴルを合わせたいのですが、残念ながら、濃厚タイプしかありません。赤ワイン(ピノノワール)で表面を磨いたスイスのハードチーズ、「ヴァリー・ルージュ」、ブルーチーズの中では比較的マイルドな「ゴルゴンゾーラ・ドルチェ」、ウオッシュの中でも最も癖のある「エポワス」です。

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流石に、エポワスは強烈すぎて合いません(笑)。ヴァリー・ルージュは、軽くドライな白ワインは負けてしまいますが、この日本酒とは比較的合います。ねっとり感のあるハード・セミハードと香り高く芳醇な日本酒との相性は悪くはありません。
一般的には赤ワインと合わせるゴルゴンゾーラチーズは難しいと思いましたが、芳醇な甘みをもつNo.6 X-typeと、シャープな味覚のブルーチーズとは、相反効果で面白い組み合わせです。ソーテルヌとロックフォールの相性にも通じるものがあります。
但し、X-typeの長い余韻は断たれてしまうので、好き嫌いはあるかと思います。

新政の火入れ酒中取りと生酒のNo.6 X-typeというそれぞれのトップラインを比較することができましたが、いずれも素晴らしい日本酒でした。料理に合わせて選びたいと言いたいところですが、そもそも、どちらも個人での入手が難しいですね。次の入手のチャンスを待ちたいと思います。

(了)