Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

ポール・ぺルノ&オリヴィエ・ジュアン モレ・サン・ドニ2009年

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ポール・ぺルノのブルゴーニュシャルドネ2016年とオリヴィエ・ジュアンのモレ・サン・ドニ・ラ・リオット2009年です。即位の礼の祝日夜に飲みました。どちらも好みの生産者ですが、特に飲み頃を迎えたオリヴィエ・ジュアンのモレ・サン・ドニは、期待どおりの素晴らしいワインでした。

 ポール・ぺルノ(Paul Pernot et Ses Fils)は、ピュリニ―・モンラッシェ村に拠を構える1850年創業のドメーヌです。リュット・レゾネ栽培のブドウからテロワールやヴィンテージの持ち味をできるだけ自然な手法により引き出し、高い品質のワインを生みだす造り手です。ピュリニー・モンラッシェを中心に16haほどの畑を所有し、特級畑のビアンヴニュ・バタールとバタール・モンラッシェも僅かながら所有しています。残念ながら、特級は未だ飲んだことはなく、裾もののブルゴーニュ―・シャルドネが殆どですが、このリージョナルでもここのワインの良さは十分堪能できます。ということで、最近は毎ヴィンテージ購入しています。

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レモンイエローの色調。まず、ミネラルの強い香り。ライム等柑橘系の香りを抑えて黄色い果実の香りが広がります。パイナップル、アプリコット、黄リンゴ等、更に洋梨、マスカット、蜂蜜。バニラ、ハーブ(ミント)、アフターに旨味をともなう僅かな苦み。ヴィンテージに関わらず安定した美味しさで、作り手の力量を感じます。

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▼こんなものとも合わせてみました。博多産のフグのオイル漬けConfです。柚子胡椒がアクセントになっており、美味しいですが、柚子胡椒の辛さがやや強めなので、そのままだと、ワインとの相性については、少し微妙です。サラダ等と一緒に食べるのが良いかもしれません。

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次に、オリヴィエ・ジュアン(Olivier Jouan)です。

ジュアン家はモレ・サン・ドニ村に長く続く家系で、1999年、4代目オリヴィエ・ジュアンが1999年に当時26歳の若さで継承して本格的に自社瓶詰めを開始しています。自然派の若手ホープとして、以前から日本でも雑誌やインターネットで良く取り上げられていたことより、2005年のヴィンテージ頃からよく購入しています。
長らくモレ・サン・ドニ村のドメーヌと思い込んでいたのですが、醸造所とカーヴは、より気温の低いオート・コート・ド・ニュイのアルスナン村にあるようです。このアルスナン村ですが、先月ブルゴニューを旅した際に、シャトーヌフ村に向かう途中で通りました。

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 コート・ド・ニュイの比較的洗練された村とは異なり、標高の高いとところに存在する山間(やまあい)の小さな村という感じです。村の周りには、ブドウ畑が点在しており、オー・コート・ド・ニュイAOCの赤と白ワインを生産しており、オリヴィエ・ジュアンもここに畑を所有しています。

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オリヴィエ・ジュアンは、ジュヴレやシャンボール・ミュジニーにも畑を持つますが、やはり、モレ・サンドニ村のワインがメインになります。モレ・サンドニは、北のジュヴレ・シャンべルタンと南のシャンボール・ミュジニーに挟まれるところに位置する村で、そこから産出するワインは、ジュブレ・ジャンベルタンの力強さとシャンボール・ミュジニーのエレガントさ、双方の良さを取り込んだバランスの良さが売りと言われています。しかし、イメージ的にはやや地味なこともあり、特級(クロ・サン・ドニやクロ・ド・ラ・ロッシュ、クロ・ド・タール等)以外は、比較的な良心的な価格です。
同村の代表的な生産者は、ポンソですが、ここは、流石に高価なので、セラファンやユベール・リニエの村名や1級を時々飲みます。オリヴィエ・ジュアンは、それらのドメーヌのものより、財布に優しいワインです。

今回は、飲み頃を迎えたと思われる2009年のモレ・サン・ドニ・1erCru・ラ・リオット(La Riotte)です。モレ・サンドニ村のど真ん中にある畑です。同じような、名前の畑で、レ・リュショ(Les Richots)がありますが、どちらも樹齢50年を超えるVVです。敢えて言えば、クロ・ド・タールとボンヌ・マールに囲まれたレ・リュショの方が有名かもしれません。オリヴィエ・ジュアンの区画に関しては、レ・リュショの樹齢50年に対して、樹齢60年と10年程樹齢が高く、評価はほぼ同等以上です。

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▼モレ・サン・ドニ・1erCru・ラ・リオット 新樽比率50%で20ヶ月間樽熟成。

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やや濃いめの艶のあるラズベリーレッドで、縁にほんの僅かなレンガっぽい色も見えますが、未だ々若々しい色合い。ラズベリー、ブルーベリーにブラックベリーやカシスの黒系果実のニュアンスが交ざります。胡椒、バニラ、丁子、胡椒、シガー、大地香、複雑な香りと風味。1時間過ぎると大好きな腐葉土の香りやプラムのニュアンス、甘露さが顕著にあらわれてきます。素晴らしいヴィンテージの10年熟成のブルゴーニュワインは、まさにこういうものかと思わせる、お手本のような上質な飲み頃ワインでした。

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チーズです。スイスとのヴァリー・ルージュは、表面をピノ・ノワールで洗ったハードチーズなので相性は抜群です。エポワスは、熟成し過ぎて強烈な香りと風味のため、さすがにワインが負けます。残りは、濃厚なシラーかカベルネに合わせたいと思います。

ポール・ぺルノ、裾ものですが、いつも安定した美味しさ、そして、まさに飲み頃を迎えたオリヴィエ・ジュアンのモレ・サン・ドニの1級、作り手の力量を感じさせる2本でした。

<了>

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