バッカスのささやき

ワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒との出会いと趣味のブルーベリー栽培を中心に日常を綴ります。

クロ・ド・ラ・ロッシュ2011年/バンジャマン・ルルー&ダヴィド・デュヴァン

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レンタル・セラーを整理して見つけた2011年のクロ・ド・ラ・ロッシュです。購入当時、新進気鋭の造り手として、評価誌で盛んに取り上げられていたバンジャマン・ルルーとダヴィド・デュヴァンの手によるクロ・ド・ラ・ロッシュを飲み比べてみました。

モレ・サンドニ村の特級畑の中で最大の広さ(16.9ha)を持つクロ・ド・ラ・ロッシュは、通称グラン・クリュ街道(Route des Grands Crus)を挟んで、8つのリューディから構成されています。2015年と2019年にこの地を訪れていますが、当初は写真の看板のすぐ横の畑だけがクロ・ド・ラ・ロッシュと思い込んでいました。実際は、この特級畑を名乗れるのは結構広範囲に渡っているようです。

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中央にある、Clos de la Rocheが最も品質の高い区画とされています。

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ジュヴレ・ジャンベルタン村と一部隣接していることもあり、ジュヴレ・シャンベルタンのワインと似た骨格のしっかりした力強いワインが造られると言われています。

バンジャマン・ルルー  クロ・ド・ラ・ロッシュ  2011年

1975年ボーヌの花屋に生まれたバンジャマン・ルルーは、オレゴンニュージーランドボルドーなどで修行した後、24歳の時にポマールを代表するコント・アルマンの醸造責任者に就任します。その後、2007年にボーヌでネゴシアンをスタートさせています。優れた区画、優れた生産者のブドウを購入し、自身で醸造に携わる形態のネゴシアンで、オリヴィエ・バーンスタインと同時期に現れた生産者です。
オリヴィエ・バーンスタインのワインは、流通量が少ないのに加えて、非常に高価で、なかなか手が出ませんが、一方でバンジャマン・ルルーのワインは、比較的リーズナブルな価格で入手できます。最近は、ブルゴーニュワイン全体の高騰の影響を受けているようですが、結構購入した2009~2012年のヴィンテージは、ニュイの村名で4千円台、1級で5、6千円、特級も2万円台前半で購入できました。何よりも、よく飲んだのは、レジョナルのブルゴーニュです。コストパフォーマンスが高く、一時期かなり嵌っていました。
ちなみに、この2011年は、23K円で、リリース直後に2本購入していました。

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全体的に艶のあるルビー色。縁に僅かにレンガ色が見られますが、まだ若々しく見えます。香りは、ラズベリーアメリカチェリーの赤系果実に少しブラックベリーの黒系果実が混じります。ドライハーブ、薔薇、甘草、胡椒、タバコ、バニラ、土っぽさ。酸やタンニンは刺々しくはないものの、まだしっかり感じられ、はっきりとした骨格を持つワインです。どのリューディの買い葡萄か判りませんが、隣接するジュヴレ・シャンベルタンのワインに似ているような気がします。

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ダヴィド・デュヴァン クロ・ド・ラ・ロッシュ 2011年

1971年生まれのダヴィド・デュヴァンは、同年に父親が始めたドメーヌで19歳の時からワイン造りに携わっています。ドメーヌ・アミオ・セルヴェルやドメーヌ・ラルロで働いていた頃、ジャイエ・ジルと出会い、1993年頃から師事しています。その後、父親の友人のドメーヌ・フランソワ・フュイエのフュイエ氏がその才能を見抜き、メタヤージュ(畑の賃貸)で同ドメーヌの畑を委託するようになります。2015年には、フランスのワイン評価誌、「ル・メイユール・ヴァン・ド・フランス」で3ツ星を獲得し、ブルゴーニュのトップ・ドメーヌの仲間入りを果たしています。
ニュイ・サン=ジョルジュの銘柄が多かったので、ニュイ・サン=ジョルジュ村のドメーヌのイメージがありましたが、実際は西側のやや高地のシェヴァンヌ(Chevannes)という村にあるようです。この辺りは、オート・コート・ド・ニュイ地区に含まれることもあり、ドメーヌは、Hautes Cotes de Nuitsのワインも造っています。デュヴァンのクロ・ド・ラ・ロッシュは、フェイエ氏がジャッキー・トルショから購入した畑で、樹齢は60年を超えています。ドメーヌのHPによると、(2012年ヴィンテージですが)80%全房発酵、40%新樽率、ノン・フィルターで瓶詰めとのこと。グラン・クリュにしては、やや新樽率を抑えているようです。

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バンジャマン・ルルーに比べる少し茶色が混ざり、縁にはオレンジ色が見られます。熟成はこちらの方が進んでいるように感じます。実際は写真より淡い色調です。抜栓直後は、香りの立ち方は、やや控えめでしたが、時間と共に完熟ラズベリー、ダークチェリーの香り、さらに腐葉土的な香りも。

バンジャマンに比べて、酸は柔らかく、タンニンも滑らかです。樽香もあまり目立ちません。

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同じヴィンテージのクロ・ド・ラ・ロッシュですが、結構違いを感じました。大きなクリマなので土壌の違いは多少なりともあるかとは思いますが、やはり造り手の違いは大きいかと思います。ただ、どちらも抽出は強い方ではなく、樽の主張もそれほど強くなく、やはり今風のエレガントなタイプということは共通なようです。

ある程度熟成による複雑さを感じさせるのは、ダヴィド・デュヴァンです。酸、タンニン、いずれも突出しておらず、バランスがとれています。欲を言えば、もう少し甘露さが欲しいところです。

バンジャマン・ルルーの方は、僅かに熟成感の兆しはあるものの、まだ若々しさを感じます。タンニン、酸ともに割とはっきりしており、しっかりとした骨格を感じさせます。クロ・ド・ラ・ロッシュらしい特徴をもつのはこちらかもしれません。

優良年の2010年に続く2011年ヴィンテージのブルゴーニュについては、あまり人気はなく、そのせいか価格や在庫で優位なところがあります。2010年はブルゴーニュワインの生産量が多くなかった為、もう少し人気が出ても良いのですが、2012年が良い年であることが分かっていたので、買い控えていたような気がします。
正直リリース当時は、あまり触手が動かなかったのですが、在庫は比較的多いのか、ここ数年、店舗や通販等で安く売られたり、ネットショップでポイントアップの対象になってなっているものに手を出しています。
2012年ヴィンテージに比べると購入した本数は遥かに少ないのですが、飲み頃を迎えて、開けてみると、悪くない印象です。有名な造り手でも、ネットショップを探すと意外に在庫が残っていることに気づきます。最近の価格高騰の中で、2013年とともに、今からでも選択枝に加えても良い気がします。

とはいえ、流石にこのクラスだと未だ飲み頃には早かった気もします。特にバンジャマン・ルルーについては、もう少し待った方が良いかと思います。残りの1本については、数年後に抜栓しようと思います。デヴィド・デュヴァンについては、代表銘柄でもあり、2010年、2014年等他のヴィンテージも購入しており、いずれ比較してみたいと思います。

(了)