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ブルゴーニュの旅~古都ヴェズレーの教会と丘を訪ねて

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8/30~9/8の10日間でフランスのシャンパーニュ地方とブルゴーニュ地方をレンタカーで旅行しました。後半のブルゴーニュ旅行は、ワイン産地巡りが目的でしたが、シャブリからの移動途中に世界遺産として有名なヴェズレーの教会と丘に立ち寄りました。

ヴェズレー(Vézelay)はフランス中部のブルゴーニュ地方、ヨンヌ県の古都で、マグダラのマリアの遺骸(頭蓋骨)を移送したと主張するサント=マドレーヌ大聖堂があります。ここは、「フランスの美しい村」にも選ばれていますが、「ヴェズレーの教会と丘」という名で1979年にユネスコ世界遺産に登録されていることで有名です。中世自由都市のひとつで、この地で聖ベルナールが第二次十字軍を提唱したと言われています。町の通りに埋め込まれている帆立貝の文様は、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへの道しるべになっています。道はここから遠く、ピレネー山脈を越えてスペインへと続きます。すなわち、ヴェズレーから国境を越え、イベリア半島北西部に続く巡礼道になっています。この道も「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」として世界遺産に登録されています。

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正午過ぎにシャブリ出て、南下すること約50km、丘の上の村、ヴェズレーに到着します。村の中心部に駐車場があり。そこに車を止めて、さらに大聖堂のある丘の頂上に坂を歩いて登ります。

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▼途中で昼食の為、レストランに入りました。「Auberge de la Coquille」という名前の中庭にテラスのある小さなレストランです。「貝殻の宿」という意味でしょうか?

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▼日本ではあまり目にしないヴェズレーの地ワインがあったので、この赤のハーフをオーダしました。BourgogneAOCワインですが、ヴェズレーで造られたワインのようです。ラベルにある「La Colline eternelle」は「永遠の丘」の意味で、ヴェズレーの呼び方のようです。左は、キールロワイヤル(カシスリキュールのシャンパン割)です。

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ストロベリーやサワーチェリーを感じさせる軽くフルーティな赤ワインです。

▼前日のシャブリの夕食と同じエスカルゴを前菜に頼み、メインは、ランスで食べたマグレ・ド・カナール以来の鴨料理、鴨のコンフィです。

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観光地のレストランであろうが、田舎のレストランであろうが、フランスでの食事は外れが殆どありません。

レストランを出て両先にスーベニアショップや雑貨ショップを横目で見ながら急坂を上りきると、大聖堂のある丘の上に到着します。

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▼丘の上にこんな戦没者記念碑があります。

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▼そしてサント=マドレーヌ大聖堂ですが、何と、大規模な修復作業中でした。

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フランスではよくあることですが、ここは、全体が建物シートで覆われており、見どころの大聖堂正面が見えません。修復中ではありますが、中は自由に見学ができます。荘厳な内部ですが、ここは豪華なステンドグラスや壁画はありませんが、ロマネスクから初期ゴシックの荘厳な様式を目にすることができます。

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地下聖堂(クリプタ)です。

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▼これが、マグダラのマリアの遺骸のようです。

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この大聖堂の見どころが内部に施された12世紀の彫刻です。とりわけ、正面扉を入った内部の扉の上の半円形アーチ(ティンパヌム)にあるレリーフは、中世彫刻の傑作として名高い作品のようです。改修中で見学はあきらめていましたが、一部修復のために組まれた足場を使って、彫刻が間近に見られるようになっていました(但し、足場の入り口に人がいて、料金を取っていました。数ユーロだったと思います。)

▼この彫刻は、復活したキリストが、キリスト教の布教のために弟子たちを世界各地に派遣する「聖霊降臨」の場面が表されています。中央に手を広げたキリストが、その左右に弟子たちの姿が見えます。このキリストは手を広げて膝を横に曲げています。この姿勢は珍しいようです。衣の襞が波打つ彫刻が印象的です。

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普段は、下から見上げる形になるかと思いますが、修復中の足場のおかげで、この彫刻を目の前でみることができました。ある意味貴重な体験かもしれません。

外へ出ると、修復の為か、一部を取り壊して、瓦礫を下に落とす際に発していると思われる大きな音が、絶え間なく聞こえていました。

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横に回るとシートで覆われていない建物を見ることができます。

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▼バラ園のテラスがあり、ここからブルゴーニュを眼下に見下ろすことができました。f:id:turque1991:20190921011229j:plain

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写真では、なかなか伝えきれませんが、素晴らしい風景です。

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▼町の通りに埋め込まれている帆立貝の文様は、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへの道しるべになっています。

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道はここから遠く、ピレネー山脈を越えてスペインへと続きます。ヴェズレーから国境を越え、イベリア半島北西部に続く巡礼道です。この道も「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」として世界遺産に登録されています。
ホタテ貝(Coquille Saint-Jacques コキーユ・サンジャック)は、巡礼者のシンボルであり、下の看板のように巡礼者が首から下げていたようです。

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ヴェズレーからスペインに向かう巡礼路の途中にロカマドールというシェーヴル(山羊)チーズで有名な村があります。ここで造られるワインに、やはりホタテ貝の文様が施されたシェーブルチーズがあります(下記記事の中で触れています)

https://www.wine-and-cheese.net/entry/2019/08/02/011341

決して派手さはありませんが、荘厳なロマネスク・ゴシック様式の大聖堂とテラスから見渡せるブルゴーニュ地方の風景は、見る価値が十分にあります。ただ、修復工事中で大聖堂の正面を見れなかったのが残念でした。

<了>