バッカスのささやき

ワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒との出会いと趣味のブルーベリー栽培を中心に日常を綴ります。

アマローネ古酒と味わうウブリアーコ・ダモーレ

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ヴェネト州ヴァルポリチェッラDOCのマァジ・アマローネ1995年です。長年セラー熟成させた良年のアマローネをアマローネで漬け込んだ同郷のチーズ「ウブリアーコ・ダモーレ」と合わせてみました。

イタリア北東部のヴェネト州ヴェローナ県は、イタリアを代表する白ワイン「ソアーヴェ」で有名ですが、同県のDOC(DOP)ヴァルポリチェッラで産出されるアマローネ(Amarone della Valpolicella)も非常に有名な赤ワインです。

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アマローネは、イタリア人の間では、バローロと双璧をなす品質と美味を誇るという評判のようですが、日本での知名度はいまいちのようです。

アマローネは、アッパーシメント(収穫したブドウを2~3ヶ月陰干しすることによりエキスを濃縮させる)により糖度の上がったブドウから造られます。このような干しブドウから普通の醸造方法でワインを造ると甘口のワインになります。
※下記記事中のプロヴィンコのアッパーシメントワインのレポートをご参照ください。
https://www.wine-and-cheese.net/entry/2019/12/15/021011
しかし、アマローネは、大樽で時間を掛けて糖を完全発酵させてアルコールに転換させます。アルコール度数が15度を超えると通常の酵母では、その働きが鈍りますが、高アルコール度に耐性のある「Saccaromice Bayanus」という天然酵母を使用することで、高アルコール度数下で発酵を続けることができます。この様な過程を経るため、ヴィンテージから3~4年後に瓶詰めされます。さらに長期間瓶熟成することにより、力強さと優美さを兼ね備えた辛口のワインになります。
要するに相当な技量と時間を掛けて造られたワインと言えます。

このアマローネの生産で名声を得たのが、ワイナリー「マァジ」を運営するボスカイーニ家です。250年近く当地でワインを造り続けている名門です。

使われているブドウは、裏ラベルに明記されていますが、土着品種のコルビーナ種、ロンディネラ種、モリナーラ種の3種類のブドウです。

マァジ アマローネ 1995年

購入時期をはっきり覚えていませんが、リリースされてまもなくだったと思いますので、20年近く自宅のセラーで保管していたことになります。通常の家庭用セラーでの長期熟成は難しいとも言われていますが、娘の誕生記念にリリース時に購入した1996年のシャトー・マルゴーも20年後は綺麗に熟成していました。もっとも、最良の状態で熟成させたワインと比較したわけではないので断定はできませんが...

1995年のアマローネは、最高の出来だったようです。ラベルのvendemmina(収穫年)1995の上にある5つ星がそれを示しています。

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茶色っぽいレンガがかったガーネット。完熟プルーン・完熟ダークチェリー、僅かにオレンジ、甘草、丁子、ビターチョコ、皮、そしてシガーの香りが混然と入り混じっています。あまり経験したことのないような妖艶で複雑な香りと味わいです。辛口とはいえ、独特な甘味も感じます。

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次に、このワインに合わせたチーズです。

ウブリアーコ・ダモーレ

ヴェネト州のDOP(原産地名称保護)チーズ「モンテ・ヴェロネーゼ」や「アズィアーゴ」の1〜2年熟成したものを、同郷の赤ワイン「アマローネ」に漬け込んだチーズです。「ウブリアーコ」は酔っ払いの意味のようで、「愛の酔っ払いチーズ」という感じでしょうか?

フルミエの渋谷店で本社取寄せで購入しました。

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フルミエHPから引用

HPにある写真では、表面が赤ワイン色になっていますが、実際に購入したものの表皮は、黒地に白のカビで覆われたものでした。実は、このチーズは初めて購入したものでお試しの意味もあり、とりあえず最低量の100g(実際には120g)を指定してフルミエ本社から取り寄せてもらいました。コンテ等を含みこの手のチーズを少量で注文するとまずホールから厚めに縦カットして、横に半分にカットしますが、アマローネがしみ込んだ部分が偏っているため、横にカットすると崩れてしまうようです。結局、一番厚い外側の表皮に近い部分でも1cmに満たないような超薄い変則的なカットで届きました。せめて200gくらいで注文すべきでしたが、このチーズ、100gあたり1690円と結構高価です。僅か120gで2000円を越えます。

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食感はアズィアゴ(Asiago)に似ていますが、この薄さもあり、結構もろく崩れます。先日バルバレスコと合わせたベッピーノ・オッチェリの黒トリュフ入りチーズ「クルティン」に比べると水分が少なくやや脆いテクスチャです。
香りは確かに甘やかな赤ワインの香りですが、正直、意識しなければアマローネとは分かりません。熟成アズィアゴ(モンテ・ベロネーゼかもしれません)のコクと優美なアマローネの香りが調和しており美味しいチーズです。もちろんアマローネとの相性は抜群です。もう少し安く、入手が容易であれば、リピートしたいのですが...

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お気に入りのフルムダンベール(BIO)との相性も悪くありません。

▼鴨のコンフィィ。これも良く合います。

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アマローネのストックはこの1本だったのでこれで最後です。
▼以前は、ベルト―ニのアマローネ1981年を何本かストックしていたのですが、入手時の保存状態が不明だった為、飲む前に全てオークションで売却してしまいました。今考えると勿体なことをしました。

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アマローネ古酒、また機会があれば味わいたいと思います。

(了)