冬のチーズの印象があるマンステールと同郷のアルザス・グランクリュ・ピラウラタンベルグを合わせました。強烈な香りのマンステールとオイリーなリースリングの相性は抜群です。
久々にマンステールです。
アルザス地方のヴォ―ジュ山脈で、修道士の手によって生み出されたといわれるチーズです。マンステールとマンステール・ジェロメと呼ばれる種類がありますが、ヴォ―ジュ山脈の東側斜面で造られるのがマンステール、西側斜面で造られるのがマンステール・ジェロメです。どちらもフランスのA.O.C.(原産地名称統制)であり、EUのA.O.P.チーズです。
マンステールには、大型(13~19cm)のものと小型(7~12cm)がありますが、これは、小型のプティ・マンステール・ジェロメです。本来は秋から冬のチーズですが、スーパーでもよく売られているこの手の工場製マンステールは、一年中手に入ります。
表面を塩水で洗ったウォッシュチーズで、強烈な匂いは、好みが分かれるかと思います。
▼ほぼ賞味期限のマンステール。納豆の匂いです(笑)
カーヴ・ド・オルシュヴィレール アルザス・グランクリュ”ピラウラタンベルグ(Praelatenberg)
リースリング 2016年
アルザスに51あるグランクリュのリュ―・ディ(小区画)のひとつで、1992年にグラン・クリュに認定されている「ピラウラタンベルグ(Praelatenberg)」のリースリングです。面積は、18.7haほどです。
カーヴ・ド・オルシュヴィレール社は、アルザス・オルシュヴィレール村で1957年に設立された生産者組合です。グランクリュであるにも関わらず、価格は2Kちょっとでした。生産者組合ならではの良心的な価格だと思います。
クリームイエロー。麦わら色。強いミネラル香、青リンゴ、ライム、アカシア、ペトロール香はそれほど強くはありませんが、確実に感じられます。良く熟した印象で、蜜っぽい甘みも感じますが、中盤から後味には、きりっとした酸が口中に広がります。
最近、アメリカやニュージーランドなど新世界のリースリングを飲んでいたので、辛口の正統派リースリングにほっとします。若いのでグランクリュに期待する複雑さはそれほど感じませんが、バランスが取れており、コストパフォーマンスは高いと思います。
(3.3)
▼まず、マンステールはそのままで。クミンシードで強烈な香りを和らげます。クミンには、消化促進の効果もあるようです。
▼新物のタラの芽の天ぷらです。天ぷらの油をやわらげてくれます。
▼茹でたジャガイモやニンジンとオーブンで焼きます。
右側の黄色っぽいチーズがマンステールで、左側の白っぽいチーズは、ラクレット。ハーフ&ハーフです。
▼加熱前のラクレットです。
マンステールは加熱により、更に凄い香り(笑)になります。
ワインを圧倒するかと思いましたが、強烈なのは香りだけで、風味はマイルドなので、オイリーなリースリングと良く合います。
ラクレットが結構マイルドに感じられます。
同郷どおし、当然ながら相性は良いですね。
寒い冬には、やはり、このジャガイモと熱々に加熱したチーズと冷えたワインの組み合わせがお奨めです。
<了>