モーゼル地方を代表する家族経営ワイナリー「マーカス・モリトール」のリースリンです。シュペトレーゼながら完全な辛口(トロッケン)で、食事やチーズとの相性も抜群でした。
マーカス・モリトールは、モーゼル地方で8代続く家族経営のワイナリーです。現当主マーカスは1984年、若干20歳という若さで両親からワイナリーを引き継ぎ、今や100haもの畑をモーゼル渓谷に所有する大規模ワイナリーに成長させています。生産量や銘柄種類の多さもさることながら、造り出すワインの評価は、総じて素晴らしく、ワイン・アドヴォケート誌で100点を獲得する等、海外の評論家からも高い評価を得ています。
以前、食事に合う辛口のドイツワインを探し回っていた時期もありましたが、なかなか好みに合ったワインが見つからず、最近は、ドイツワインを家で飲む機会はめっきり少なくなっていました。
マーカス・モリトールは、最近は色々なメディアに取り上げられ、高い評価を目にしていましたが、当然ながら高評価のワインは価格も高めで、なかなか手を出せませんでした。
ということで、今回飲んだ、ユルツィガー・ヴュルツガルテン シュペトレーゼ [2016]は、(過去にもっと飲んでいたかもしれませんが、覚えている限りでは)3本目のマーカス・モリトールです。表ラベルには、書かれていませんが、Trocken(辛口)です。マーカス・モリトールは、キャップシールの色で判断できるようで、辛口は、白いキャップシールのようです。4K円を少し切る価格ながら、WA誌95+pointと高評価です。
マーカス・モリトール リースリング・ユルツィガー・ヴュルツガルテン ホワイトカプセル シュペトレーゼ・トロッケン [2016]
2016 Markus Molitor Riesling Urziger Wurzgarten Weisse Kapsel Spatlese Trocken
輝きのあるイエロー。まず、ミネラル香とペトロール香。果実香は、ドイツのリースリングに良く感じる白桃やアプリコットといった甘い香りよりも、どちらかと言えば熟度の感じられるレモン、ライムといった柑橘系の香りとリンゴ。アタックに甘みを感じるが、すぐに伸びやかな酸が広がり、僅かな苦みと共に長めの余韻が残る。甘さは、最初だけで、それ程後を引かない。少し時間をおくとふくよかさも感じられるように。
久々にペトロール香(石油系の鉱物香)をはっきり感じるワインに出会いました。リースリングの特徴的な香りといわれ、ワインの勉強をすると、「リースリングの特徴的な香りはペトロール香」と刷り込まれます。ところが、色々なリースリングを飲んでみると、ペトロール香を殆ど感じないものが大半です。代表的なアルザスのリースリングもそれほどペトロール香は強くありません。一般的には熟成させたリースリングや比較的気温の高いニューワールドのリースリングにこの香りが出やすいと言われます。
2ヶ月ほど前に飲んだアメリカ・ワシントン州のリースリング(シャトー・サン・ミッシェル・コロンビア・ヴァレ―)は典型的なペトロール香を感じるワインでした。
https://www.wine-and-cheese.net/entry/2020/01/28/000000
リースリングの特徴的な香りと言われるのと共に、オフフレーバ(異臭)として扱われることもあり、好き嫌いが出る香りかと思います。
以前飲んだマーカス・モリトールでは、ここまで強いペトロール香を感じなかったので、銘柄特有なのか、状態によるものか不明です。
とはいえ、トータルで感じる上質な酸や甘み、豊かな果実味とミネラル等トータルで評価すると、「ドライ過ぎないふくよかなトロッケン」という好みの1本でした。
(3.6)
▼チーズは、左からボーフォール、コンテ24M、洞窟熟成コンテ(18M?)
ふくよかな白ワインにぴったりです。
▼生ブラウンマッシュルーム&オリーブオイル
▼マーカス・モリトールがなくなったので、冷蔵庫に入っていた
ジェイコブス・クリーク クール・ハーヴェスト シラーズ ロゼ 2017年
Jacob's Creek Cool Harvest ROSE 2017
イオンスタイルで購入した妻用のデイリーワインです。
まさにストロベリー香。フレッシュな酸はありますが、基本甘くチャーミングなワインです。
▼こんな料理に合います。ほんとは、ドイツワインの方がベターでしたが....
▼メインは、アサリのパスタ。これに甘口ワインは流石にあいません。
久しぶりに美味しいトロッケン・リースリングを飲みました。
マーカス・モリトールのワイン銘柄は、非常に多く、長いドイツ語の長い畑の名前は、とても覚えられませんが、機会があれば、アウスレーゼ等の上級のリースリングや最近評価の高いシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)も試してみたいと思います。
<了>