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ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

ジャン・ルイ・シャーヴ エルミタージュ 2006年

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ローヌ地方北部のエルミタージュを代表する生産者ドメーヌ・ジャン・ルイ・シャーヴのエルミタージュ2006年です。最高峰のシラー100%の重厚なエルミタージュを鴨肉(マグレカナール)とイタリアのサルシッチャと楽しみました。

 エルミタージュ(Hermitage)は、ローヌ地方北部、クローズ・エルミタージュAOCに囲まれたローヌ川左岸に位置する面積140haほど小さなAOCです。ここで生み出されるシラー種のワインは極めて評価が高く、世界最高峰のシラーワインと評価されています。赤ワインについては、15%以内でルーサンヌやマルサンヌの混醸が認められていますが、殆どの生産者は、シラー100%で造っており、ボルドーの赤ワイン同様、長期熟成によって真価を発揮します。

エルミタージュには、17の畑があり、花崗岩ベースの砂利土壌で、水はけが良くぶどう栽培に適していると言われています。

代表的な生産者は、ジャン・ルイ・シャーヴのほか、ポール・ジャブレ・エネ(Paul Jaboulet Aine)やシャプティエ(Chapoutier)、ギガル(Guigal)かと思いますが、特にシャプティエは、「ル・パヴィヨン」「ル・メアル」「レルミット」「レ・グレフュー」といった、エルミタージュの単一畑から造られるシリーズが非常に高い評価を得ており、ワインアドボケート誌100点の常連でもあります。

ジャン・ルイ・ジャーヴがシャプティエと異なる点は、単一畑ではなく、6~7つの畑のブドウをアッサンブラージュしているところです。
砂質と粘土質土壌で輪郭を与える「ペレア」、プダングという礫岩土壌で酸と繊細さを与える「レ・ボーム」、小砂利、赤土、白土土壌でタンニンとスパイシーさを与える「レルミット」、小石土壌で凝縮感を与える「ル・メアル」、木目の細かい花崗岩土壌でパワーを与える「レ・ベサール」、ミネラルを与える別区画の「レ・ベサール」といった各畑のテロワールの特徴を損なわず、重厚なワインに複雑性を与えています。

すなわちドメーヌ・ジャン・ルイ・シャーブのエルミタージュの赤・白、各1銘柄(白は希少)のみになります。それ以外に、近隣の栽培家の買いブドウから造ったネゴシアンものをJ.L Chave Selection(シャーヴ・セレクション)の名前で出しています。

ドメーヌものは非常に高価ですが。ネゴシアンものは、比較的手ごろな価格で購入することができます。

ドメーヌ・ジャン・ルイ・シャーヴ  エルミタージュ・ルージュ 2006年
Domaine Jean Louis Chave 2006 Hermitage Rouge 

 

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艶のある少し透明感をともなった黒味を帯びたダークチェリーレッド。縁に僅かにレンガ色が混じるが、15年近く経ったワインとは思えない。カシス、ブラックベリー、完熟プルーンの黒系果実、クローブ、香草、黒胡椒等のスパイス、タバコ、なめし皮、肉、バニラ、マッシュルーム、腐葉土の複雑で妖艶な香り。重厚だが、しっかりとした酸、タンニンは滑らかに溶け混んでいる。最初は酸が優勢だが、徐々に甘露さが顔を出してくる。濃いが、新世界の濃厚シラーに時々見られるアルコールが浮いている感じは全くなく、あくまで、各要素との調和がとれており滑らか。エレガントに熟成したシラーの美味しさは、ギガルのコート・ロティ三銃士(特にトゥルク)やシャプティエのエルミタージュ・セレクション・パーセルと共通するものがあります。
飲み頃に入った感がありますが、まだ酸がしっかしとしており、さらに5年後くらいがピークのような気がします。素晴らしい。

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 この素晴らしく重厚なシラーには、ハンガリー産のマグレカナールと合わせました。正確に言えば、マグレカナールに合わせるワインとして、このワインを選びました。

マグレカナールとは、フォアグラを採取するために肥育した鴨の胸肉です。肉にフォアグラの芳醇な香りが移っており、繊細で特に脂は甘みを感じさせるほどの味とコクがあります。焼く際に油をひかずとも、皮からタップリの脂が流れ出ます。
獣肉を感じさせるエルミタージュとマグレカナールの相性は抜群です。

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 ▼イタリアのサルシッチャです。パルミジャーノレッジャーノのホエーを食べて育つパルマ豚とシチリアのマルサラ酒を使用したサルシッチャとのこと。

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ジャン・ルイ・シャーヴのエルミタージュ、期待通りの素晴らしさでした。一昨年飲んだドメインもの(シャーヴ・セレクション)2009年も美味しかった記憶がありますが、やはり格が違います。ヴィンテージ問わず高価で、長期熟成させて本領を発揮するワインなので、頻繁に飲めるようなものではありませんが、15~20年熟成させたエルミタージュは、まさに桃源郷ワインです。ストックは、2005、2010、2012のみですが、2010年と2012年は、少なくとも、あと5年間は辛抱が必要なようです。

<了>

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