ニュイ・サン=ジョルジュを本拠とする大手ドメーヌのグラン・クリュ、コルトン・クロ・デ・コルトン・フェヴレ 2009年です。ドメーヌが保有する唯一のモノポールのグラン・クリュであり、ドメーヌを代表する畑のひとつでもあります。
フェヴレは、1825年に創立され、7代にわたって続くニュイ・サン・ジョルジュに本拠を置くドメーヌ兼ネゴシアンです。全生産量の80%は広大な自社畑から造るドメーヌもの(全部で62もの畑)であり、数ある他のネゴシアンとは一線を画す存在です。120ヘクタールの自社畑のうち、半分以上の68ヘクタールはコート・シャロネーズに位置しますが、シャンベルタン、シャンベルタン・クローズ・ド・ベーゼに加え、ミュジニーまで所有しています(ミュジニーは見たことがありません)
コルトン・クロ・デ・コルトン・フェヴレは、フェブレが1874年以来所有する畑で、所有者の名前を付けた2つしかないブルゴーニュのグランクリュの1つです(もうひとつは、言わずもがな、ロマネ・コンティです)
コルトンの特級畑は、全てアロース・コルトン側にあると思われがちですが、一部はラドワ・セリニーに位置しています。この畑も、ラドワ・セリニー側のリュー・ディ・ロニェに位置する3haほどのクリマで、最も古い樹は1936年に植えられたものです。
ドメーヌ・フェヴレイ コルトン・クロ・デ・コルトン・フェヴレ グラン・クリュ(モノポール) 2009年
Domaine Faiveley [2009] Corton Clos des Cortons Faiveley Grand Cru (Monopole)
中程度~やや濃いめのラズベリーレッド。縁にはレンガ色が入る。
ブルーベリー、ダークチェリ、カシス等の黒系果実。甘草、バニラ、コーヒー等。オーク香が結構強い。ドライハーブ、黒胡椒。熟成果実の甘さとくっきりとした酸。時間が経つと複雑さを増し、腐葉土の熟成アロマも。凝縮した果実が生み出す甘露さと複雑な熟成香は、魅力的だが、酸とオークがいささか目立つ印象。タンニンはこなれている。
家族には好評で、あっという間に無くなってしまったので、時間を掛けてじっくりとア味わうことができませんでしたが、やはり酸の強さ少々バランスを崩している印象です。時間が解決してくれる問題かもしれませんが…
(3.4)
▼あわせた料理は、テイクアウトの牛頬肉の煮込み。
▼サーモンクリーム煮サフランライス包み。
最近飲んだフェブレは、エシェゾー、1級のNSGレ・サンジョルジュ、ジュヴレ・シャンベルタン・クロ・デ・イサール等、当たりが続いたので、期待して飲みましたが、前述のとおり、個人的には、オーク香と酸のバランスがいまいちなように感じました。同じヴィンテージのストックがもう1本あるので、もうしばらく熟成させて、再トライしてみたいと思います。
<了>