シャプティと並ぶ北部ローヌの名手、エティエンヌ・ギガルのコンドリューのトップキュヴェ、ラ・ドリアーヌ2014年です。華やかなアロマティックな香りのヴィオニエ種のワインをエスニック料理と中華と合わせてみました。
ラ・ドリアーヌは、ギガルにより1994年からリリースされており、毎年ワインアドヴォケート誌等で高い評価を得ています。樹齢40年近いヴィオニエ種を1haあたり僅か25hlという低収穫に抑えたブドウを使い、新樽100%で造られています。
ヴィオニエ種のワインは、デイリーとしても良く飲んできましたが、特に華やかすぎる香りとアフターテーストの苦みは、どのような食事に合わせれば良いか考えてしまします。ゲヴェルツ・トラミネール種と同様に、カレーやエスニック料理、中華料理等が一般的な相性かと思われます。最高の相性はオマール海老ともいわれますが、流石にちょっと難しかったので、テイクアウトのインド料理と中華に合わせてみました。
E. ギガル コンドリュー ラ・ドリアーヌ 2014年
E.Guigal [2014] Condrieu La Doriane
輝きのあるイエロー。アプリコット、パイナップル、白桃、黄色いフルーツと白い花のブーケ、蜂蜜、微かにアニスやジャスミンも。オークからのバニラ香。アフターにヴィオニエ特有の苦みを伴う余韻。酸は、比較的柔らかい。粘性は、中庸でそれほど強くない。
ここまで書くと、教科書的なテースティングインプレッションなのですが、今回は、華やかな香りは予想していたほどは強くはありません。少し冷やし過ぎかとも思い、少し室温にも置きましたが、あまり変わりません。
若干否定的に見える表現になってしまいましたが、やはり、ヴィオニエ種特有のトロピカルでフローラルな香りは魅力的ですし、スタンダートキュヴェのコンドリューには見られない複雑性も感じます。
(3.8)
▼インド料理のチリ・チキンとクミンをまぶしたサフランポテトです。
予想通り香りの強いエスニックとの相性は良いようです。シャルドネ等他の品種の白では、やや香り負けするかと思われます。
▼中華料理店のテイクアウト。焼き餃子と四川麻婆豆腐、木耳と卵の炒め物。
中華も合わないことはありませんが、香りの同調という意味でエスニック料理に軍配が上がるかと。麻婆豆腐は、蜜っぽい甘さで辛みを和らげてくれる相反的な相性はありますが、ヴィオニエでなくても良いような気はします。
実は、2014年のラ・ドリーヌは、リリース直後にも飲んだことがありますが、もう少し強い華やかさを感じる香りだったように記憶しており、前述のコメントになっています。それと比較すると、今回は柔らかいローラルな香りといった印象です。3~4年ほどで熟成が進んだとは言えないかと思いますが、ヴィオニエについては、できるだけ若いうちに飲んだ方が、その魅力を味わえるのではないかと思います。
最近、十数年ぶりに、ガングロフのコンドリューを入手しました。ボリューミーな酒質で、カリスマ的な人気のガングロフと是非比較してみたいと思います。
<了>