Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

フーリエ ジュヴレ・シャンベルタン・1erCru・クロ・サン・ジャック 2007年

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一時期ほどではないにせよ人気ドメーヌのフーリエが所有するジュヴレ・シャンベルタンの畑の中でも珠玉の1級畑、クロ・サン・ジャックです。フーリエ人気の発端になった2007年ヴィンテージです。

クロ・サン・ジャックは、ジュブレ・シャンヴェルタンの中でもっとも評価の高い1級畑で、そのワインは、時にグラン・クリュをも凌ぐ評価と価格になります。ジュヴレ・シャンベルタン北部の標高290m~350mと比較的高いところに位置しています。このあたりは、渓谷(ラヴォー渓谷)の扇状地になっており、吹き抜ける冷風の影響を受けます。石灰岩を母岩とする土壌からは、ジュヴレ・シャンベルタンらしい力強く骨格のあるワインを生みだすブドウが産出されると言われています。

クロ・サンジャックの所有者は、たった5人です。斜面を縦方向に5人で所有しており、左(ラヴォー・サン・ジャック寄り)から、アルマンルソー2.22ha、フーリエ0.89ha、ルイ・ジャッド1.00ha、ブリュノ・クレール1.00ha、シルヴィ・エスナモン1.60haです。(アルマン・ルソーのクロ・サン・ジャックの記事はこちら)

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▼文字どおりクロ(石垣)に囲われた畑です。右側に見える畑は、ラヴォー・サン・ジャックです。

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▼RUE NEUVE(新道?)という名前の通りに接しています。

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▼左の石垣から数列が、アルマン・ルソーの区画、フーリエの区画はその右側になります(特定はできませんが..)

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ドメーヌ・フーリエ ジュヴレ・シャンベルタン・1erCru・クロ・サン・ジャック 2007年
Domaine Fourrier [2007] Gevery Chambertin 1erCru Clos St. Jacque

フーリエが評価と人気を高めたのは、1994年に23歳の若さでドメーヌを継いだ現当主のジャン・マリー・フーリエ氏にほかなりませんが、2006~2007年に醸造施設を一新したことによるところが大きいようです。あまり注目していなかったドメーヌなので、2006年以前のヴィンテージについては飲んだことがありません。2006年のクロ・サン・ジャックを数年前に銀座のレストランに持ち込んで、飲みまたが、力強くもバランスがとれていて非常に魅力的なワインに感じました。2007年ヴィンテージが、リアルワインガイド誌で大絶賛されて、人気に火が付き、2009年ヴィンテージ以降は、ネットでは即売で、手に入れにくいワインの一つになりました。

今回は、火付け役となった2007年ヴィンテージのクロ・サン・ジャックです。

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やや黒みを帯びたラズベリーレッド。むしろ淡いダークチェリーレッドの表現が近い?とにかく2007年にしては濃い目の色調。
カシス、ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリー等の赤黒系混在のベリーの香り。シナモン、ナツメグ、甘草の甘苦スパイス。紅茶、腐葉土の熟成アロマや獣香も。酸はそこそこ感じるものの過剰さはなく中程度で、凝縮した果実の甘みもあることから、柔らかく感じる。タンニンは、シルキーで滑らで、余韻も長い。まるで、良年の2005年のようだが、ほぼ熟成のピークを迎えている印象。

(4.0)

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▼あまり写真がありませんが、平田牧場の三元豚を韓国風焼肉に合わせてました。豚肉の旨味と甘辛のスパイスとの相性はなかなかです。

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2009年と2011年のフーリエは、そこそこの本数を買ったので最近よく飲みますが、フーリエのワインは薄旨系とも評されますが、この2007年のようにヴィンテージによっては必ずしも当てはまりません。力強いジュヴレ・シャンベルタンの1級であっても、比較的外向的で、早くから飲めるタイプのように感じます。ただ、それほど長期熟成タイプではないような気がしています。酸とタンニン、完熟果実の甘味のバランスが絶妙で、それが一番大きな特徴ではないかと思います。

フーリエのクロ・サン・ジャックですが、最新のヴィンテージは、7万円前後になってしまっています。2009年ヴィンテージまでは、2万円を切る価格で購入できていたことを考えると、驚くほどの高騰ぶりです。中国市場の影響とも言われますが、日本では、流石にこの価格に嫌気がさしたのか、グラン・クリュやクロ・サン・ジャック以外は、結構売れ残っているようです。

もっともアルマン・ルソーのクロ・サン・ジャックも10万円超になっているので、ブリューノ・クレールやルイ・ジャドを狙うしかありませんが...

<了>

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