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ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

ジョルジュ・ミュニュレ・ジブール ニュイ・サン=ジョルジュ 1erCru レ・ヴィーニュ・ロンド 2012年

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ここ数年の人気で、価格もすっかり高騰してしまったドメーヌ・ミュニュレ・ジブールの最も手に入れやすいプリュミエ・クリュ、ニュイ・サン=ジョルジュ1級レ・ヴィーニュ・ロンド 2012年ヴィンテージです。

ドメーヌ ミュニュレ=ジブールは、ジャンヌ・ジブールとその夫アンドレ・ジブールの二人で1933年に 設立されたドメーヌです。2人の1人息子のジョルジュ=ミュニュレは、ディジョンの薬剤師として働く一方で、実家のワイン造りを手伝いながら、自らが拡大した畑から産出されるワインを自らの名前を冠したのドメーヌ・ジョルジュ・ミュニュレとしてリリースしました。ジョルジュ=ミュニュレ氏は、1988年に55歳の若さで亡くなりますが、その後、ジョルジュ氏の妻ジャクリーンと二人の娘、マリー=クリスティーヌ とマリー=アンドレによって運営されています。
ドメーヌ・ミュニュレ・ジブールとドメーヌ・ジョルジュ・ミュニュレは、ひとつにまとまり、2009年ヴィンテージからドメーヌ・ジョルジュ・ミュニュレ・ジブールとなっています。

 ドメーヌは、ルショット・シャンベルタン、クロ・ヴージョ、エシェゾーの3つのグランクリュの畑を所有していますが、ドメーヌが一つになった2009年ヴィンテージ位から評価が急上昇するとともに、入手が難しくなり、最近はとんでもなく価格が上昇してしまい、ますます、入手困難なグランクリュになってしまいました。

その中にあって、ニュイ・サン=ジョルジュの2つのプルミエ・クリュは、比較的、安定して入手できていたのですが、最近は、2万円近くまで価格が上昇してしまいました。

ニュイ・サン=ジョルジュの1級畑は、いずれもニュイ・サン=ジョルジュ街を挟んだヴォーヌ・ロマネ側にあります。
2つの畑は、レ・シャニョ(1.27ha)とレ・ヴィーニュ・ロンド(0.26ha)です。

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 ▼これは、ヴォーヌ・ロマネ側のニュイ・サン=ジョルジュの村名の畑の中から撮影したものです。村名と1級畑の境界は、わかり易く、村名は、傾斜が極めて小さく、1級畑は、斜度が大きいことがわかります。比較的平坦な村名畑は、粘土質が多く含まれ、1級畑は、石灰質が多くなる土壌と思われます。

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▼レ・ヴィーニュ・ロンドの畑は、赤矢印のあたりと思います。その上部が、レ・シェニョになります。

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ドメーヌが所有する畑の面積は、レ・シェニョの方が遥かに大きいのですが、毎年、結構在庫が残っているのが、レ・ヴィーニュ・ロンドの方です。常に評価が高いのが、レ・シェニョの方なので、当然かもしれないのですが、それほど大きな差はないと思っています。

ジョルジュ・ミュニュレ=ジブール ニュイ・サン=ジョルジュ 1erCru レ・ヴィーニュ・ロンド 2012年
Domeine Georges Mugneret-Gebourg  [2012] Nuits Saint George 1er Cru Les Vignes Rondes

レ・ヴィーニュ・ロンドの畑は、標高250〜270mの斜面の中腹に位置し、石灰質を多く含む石ころの多い土壌です。樹齢は30年ほどのようです。

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中程度の色調のガーネット。縁に僅かにレンガ色。ラズベリー、ブルーベリー、アメリカンチェリーの熟度を感じる果実香。甘草や黒胡椒のスパイスの香り。ニュイ・サン・ジョルジュらしいやや土っぽさも。香りに、やや高めのアルコールも感じる(13.5%)、少し時間を置いて、スーボワや腐葉土の香りも。滑らかだが、骨格を感じさせるタンニン。開いているが、甘さはそれほど感じず、ややクラシカルなブルゴーニュという印象。

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 2012年のブルゴーニュは、プルミエ・クリュを中心に結構購入しており、最近徐々に飲み始めていますが、割と似たような感じです。評論家の評価は別として、個人的には、村名のヴォーヌ・ロマネの方が、コストパフォーマンスは高いように思います。このワインについては、あと3~4年待った方が華やかさや妖艶さが出てくるのではないかと思います。そのポテンシャルは、充分に感じられますが、どんどん高くなっていくミュニュ・ジブールのワイン、いつまで買えるのかちょっと心配です。

<了>

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