ドメーヌ・ミシェル・ラファルジュのヴォルネイ1級畑レ・ミタンの2006年です。2ヶ月ほど前に、同じ畑の2005年を飲みましたが、なかなか飲み頃の判断が難しいドメーヌのワインのちょっと難しいヴィンテージ2006年は如何に?
ヴォルネイの名門ドメーヌで、根強いファンも多いミシェル・ラファルジュですが、このドメーヌの名声を作り上げてきたラファルジュ氏は、今年の1月に亡くなっており、現在は、息子のフレデリック氏が跡を継いでいます。当然、2000年代前半のワインは、主にラファルジュが大きく関わっていたものと思われます。
4月に飲んだ2003年のヴォルネイ・クロ・デュ・シャトー・デ・デュック、2005年のミタン、さらに、その2ヶ月前に飲んだボーヌ1級のレ・ゼクロと、今年に入って、4本目のミシェル・ラファルジュになります。
過去にも何回か飲んでいますが、なかなか飲み頃を悩んでしまうワインです。ヴィンテージにもよりますが、プルミエ・クリュについては、最低でも10年の年月は必要なように感じています。
ドメーヌ・ミシェル・ラファルジュ ヴォルネイ 1級 レ・ミタン 2006年
Domaine Michel Lafarge [2006] Volnay 1er Cru Les Mitans
ドメーヌの所有は0.4haほどです。2005年に区画を買い増し、単独でこのクリマを名乗るようになったようです。
▼ややポマールよりの斜面中腹に存在しています。ラファルジュのヴォルネイ1級の中ではもっとも軽快なタイプと言われています。
艶のあるやや深い色調のラズベリーレッド。縁に少しオレンジ色。抜栓直後から良い香りが漂い、期待ができます。
ラズベリー、ダークチェリー、薔薇、(ネガティブな香りでない)ゼラニウムの冷涼感、少し鉄っぽいミネラル感。スパイス、甘草。下草、シガーや紅茶、30分ほどで顕れた腐葉土香と、果実香と混然とした熟成アロマが素晴らしい。スッっと伸びる少し高めの酸、タンニンは滑らかだが、割としっかりしている。最初の印象は、甘みを殆ど感じず、ドライでアフターには少し苦みを感じたが、時間と共に、派手ではないものの、じわっとした甘みも感じられ、香りはさらに華やかに。
(3.8)
過去に飲んだミシェル・ラファルジュのなかでも、ベストと感じました。畑の格としては、クロ・デ・シェーヌやレ・カイユレ、モノポールのクロ・デュ・シャトー・デ・デュックに比べると一段低いかもしれませんが、まさに今飲んで最高に美味しいワインだと思います。4月に飲んだのは、ヴィンテージ評価としては上の2005年ですが、今考えると、少し早かったかもしれません。
▼合わせた料理は、ねぎ塩チキン。良く合います。
▼チーズは、コンテ18Mにブルーチーズ2種。ロックフォール(右)とイタリアのオロ・ロッソ。甘口赤ワインに1ヶ月浸して、食用花と果実を練りこんだチーズです。
オロ・ロッソは今回初めて買いましたが、ピノノワールに結構合います。赤ワインに浸しているので当然かと思いますが、薔薇やローズヒップ、ハイビスカス、ラズベリー等、ピノには馴染みの香りが更に相性を高めているように感じます。
ロックフォールは、予想通り厳しいです。熟成がかなり進んだもので、強烈にシャープな風味で、ワインが完全に負けてしまいます。濃厚なボルドーでもおそらく難しく、ワインであれば、ソーテルヌ等の甘口ワインくらいしか選択肢はなさそうです。
飲み頃に当たったブルゴーニュの素晴らしいさは、やはりニューワールドのワインでは味わえないものだと思います。
ミシェル・ラファルジュのワインは、やはり飲み頃を予想するのが難しい部類に入ると思いますが、今年、プルミエ・クリュを4本飲んで、なんとなく傾向を知ることはできました。
<了>