ドメーヌ・フェブレのフラッグシップ的なグラン・クリュ、シャンベルタン・クローズ・ド・ベーズの2006年です。スイスのナチュラルチーズ、テット・ド・モワンヌとフランス産のシャラン鴨と愉しみました。
ニュイ・サン=ジョルジュに本拠を置く、大ドメーヌ兼ネゴシアンのフェヴレは、120haもの自社畑を所有しており、グランクリュの畑も10ha所有しています。シャンベルタン・クローズ・ド・ベーズは、1.29haほど所有しており、殆ど見かけないミュジニーを別とすれば、実質、同ドメーヌのフラッグシップと言えるワインだと思います。
▼シャンベルタン・クローズ・ド・ベーズです。これは、北端の畑(最大の所有者ピエール・ダモワの区画)、フェヴレの畑は中央部(写真の左側)からシャンベルタンに近い南寄りに計3区画所有しています。
ドメーヌ・フェヴレ シャンベルタン・クローズ・ド・ベーズ グラン・クリュ 2006年
Domaine Feveley [2006] Chambertin Clos de Beze Grand Cru
2005年の陰に隠れて、比較的地味なヴィンテージですが、しばしばバックヴィンテージを見つけることができます。意外に力強いワインが多い印象です。
艶のあるラズベリーレッド。中心はやや黒みがかっているものの、全体的にはやや淡い色調。さすがに15年を経ているので、少なくとも銘柄から想像する濃さではない。熟度の高いダークチェリー、ブルーベリーの果実香のブーケもあるが、抜栓直後は、樽からのやや強めのロースト香を感じる。牡丹、ドライハーブ、黒胡椒のスパイスにややて鉄っぽい土。味わいに豊かな酸を感じるが、やや収斂性が残るタンニン。余韻は比較的長いが、若干多めに感じる酸とタンニンからの苦みがやや広がる印象で、バランス的にはベストな状態ではない。未だ早いという印象ですが、隠れた要素はあまり感じられないので、これからの熟成のポテンシャルはなんとも言えません。
(3.5)
一緒に飲んだ家族からは「渋い」の一言で不評でした。最近飲んだ同じ2006年のモンジャール・ミュニュレのエシェゾーと比較したようです。
チーズは、テット・ド・モワンヌ。スイスのセミハードチーズです。「修道士の頭」という意味で、12世紀にジュラの修道士が造ったと言われている歴史あるチーズです。
ラベルの絵にあるように、「ジロール」と呼ばれるこのチーズ専用の削り器を使って、薄く削って食べます。
▼こんな感じで、先端に刃の付いたカッターをグルグル回しながら薄く削っていきます。
▼つまみを1回転すると花びらのような形になります。
▼湿り気を帯びた外皮はやや強い香りがありますが、そこそこ濃厚なチーズです。ジロールで薄く削ることで、濃厚ながら、やさしく感じられます。普通は白ワインに合わせるチーズかと思いますが、結構濃厚な風味は、このワインにも負けてはいません。
▼自家栽培の焼きナスとインゲンです。ガーリック・オニオン入りのオリーブオイルだけで食べます。
▼メインは、フランスのシャラン鴨です。前回は、コンフィにしましたが、今回は、トマト煮です。言うまでもなく、ワインとの相性は抜群です。
フェヴレのワイン、1級や村名を中心に飲んでいますが、正直、自身の評価はなかなか定まりません。最も印象的だったのが、2010年のエシェゾーですが、その前後の評価は、ややばらつきますが、多くの種類のワインを造っている大手ゆえんでしょうか?
ただ、最近のここのメルキュレやマルサネ等の村名ワインは濃いめですが非常に美味しく、お奨めです。
フェブレは、幸いにも、ブルゴーニュワインの価格急騰の波にそれほどのまれておらず、生産量の関係か、バックヴィンテージも比較的入手できます。機会があれば、色々な銘柄を試してみたいと思います。
<了>