ムルソー村の小さな家族経営のドメーヌ、ビュイッソン・シャルルのムルソー・ヴィーニュ・ド・1945の2017年です。クラシカルな美味しいムルソーでした。
このドメーヌを知ったのは、ここ数年のことで、最初に飲んだブルゴーニュ・レジョナルが非常に好印象で、最近は、リリースと同時に購入しています。購入先は、埼玉で酒類卸売を行っている松澤屋さんで、このワインのインポータでもあります。他では、あまり見ないドメーヌなので、唯一のインポータかもしれません(同社は、2009年から輸入しているとのこと)
松澤屋のHPでは、以下のように紹介されています。
「ビュイッソン・シャルルは4世代にわたりワイン造りを行ってきた造り手で、現オーナーのビュイッソン氏はすでに60歳を超えていますが、フランス各地のワインを飲みつくすほどの無類のワイン好き。ドメーヌとしては、その土地のキャラクターやアロマ、味わいの表現することに務めるため、永きにわたり1つのアペラシオンを続けるという考えでムルソーに根を下ろしています。僅か5ヘクタールの畑を所有する小さな造り手ではあるが、シャルムやグット・ドールなどを所有しており、近年注目される造り手のひとりとなっております。」
「欧米では超人気のドメーヌ。コシュ デュリ、コント ラフォンに次ぐと評価する人も多い」という謳い文句もあります。
殆どのワインが3樽程度しか生産されていないようですが、一部買いブドウによるワインも生産しているようです。
ドメーヌ・ビュイッソン・シャルル ムルソー・ヴィーニュ・ド・1945 2017年
[2017] Domine Buisson Charles Meursault Vigne de 1945
1945年(樹齢75年!)に植えられたブドウの木から1樽のみ造られたムルソー。ほとんど松澤屋の専売のようです。
輝きと艶のある麦わら色。
まず、ファーストアタックに石灰からの豊かなミネラル香を感じ、更に青リンゴやシトラス等の柑橘系のやや厚みのある果実香が続くが、口に含むと酸は意外に柔らかく感じられ、フワッとした甘味が口中に広がる。バニラやローストしたアーモンドの優しい樽香。時間と共に甘さが増し、蜂蜜の香りも。温度が上がると最後はバタースコッチのオイリーで甘い香りと味わいに変化。素直に美味しいムルソー!
(3.7)
▼スイスのハードチーズ、テット・ド・モワンヌ。専用の削り器「ジロール」で花びらカット。
熟成が進んでおり、ミルキーながら、ナッツっぽい香りが感じられ、このワインとの相性は悪くありません。
▼ムール貝のガーリックバター煮。この料理に合わせる為のワインとして選びました。魚貝類に合わせるワインとしては、別な選択もありますが、ガーリック・バターのこってり風味に合わせて、ムルソーを選びました。
▼豚しゃぶ。淡泊ですが、アクセントにガーリック・オリーブを加えています。これも厚みのある果実とバニラ香がよく合います。
料理との相性も良く、久々にムルソーらしいムルソーを味わえました。
ビュイッソン・シャルルのワインは、必ずしもワイン評価誌の評価は高くないようですが、実際飲んでみると、その良さがわかります。ムルソーらしさを味わうには最適なワインだと思います。何よりも、コシュ デュリ、コント ラフォン、ルーロといったムルソーの名門に比べ、数分の1で手に入るコストパフォーマンスは魅力です。
<了>