サン・テミリオンのグラン・クリュ・クラッセ、シャトー・ラ・ドミニクの当たり年ヴィンテージ1995年です。鰻に合わせるワインとして、このメルロー主体の古酒を選んでみました。
シャトー・ラ・ドミニクは、サン・テミリオンの北西、ポムロールとの境近くに位置しています。2017年にサン・テミリオンを訪れた際にレンタカーでこの辺りを走り回りました。このシャトーは、シュヴァル・ブランに隣接しているようですが、畑が広大なうえ、シャトーどうしが、同じ通りに並んでいる訳でないので、2つのシャトーが、隣り合わっているというのは、あまりピンときませんでした。
シャトー自体の見学をした訳ではないのですが、前日に左岸のシャトーにアテンドして頂いた現地ガイドの方が勧めてくれたこのシャトーにあるレストランでランチをとるために立ち寄りました。
▼左岸のシャトーに比べるとシャトーの建物も庭も地味です。
▼庭にこの手のオブジェが飾られています。ハチドリ??
▼赤い建物がシャトーに隣接するレストランになります。
▼レストランは、最上階にあり、ここからは360度、ブドウ畑と点在するサン・テミリオンとポムロルのシャトーが見渡せます。特に大きなテラスからの素晴らしい景観には魅了されます。
▼テラスの先端からは、ポムロルの畑と名立たるシャトーが見下ろせます。
シャトー・ラ・ドミニク 1995年
[1995] Château La Dominique
18.5haのグラン・クリュ・クラッセの畑を含み、30haの畑を所有しており、年間9万本のワインを産出しています。平均樹齢は35年。アッサンブラージュは、年によって異なりますが、メルロー主体で、少量のカベルネ・フランがブレンドされているようです。
黒みを帯びたダークチェリーレッド。25年経ったワインとは思えない色調です。
やや強めのロースト香、コーヒー、なめし皮、シガー、下草、湿った土、芝生、腐葉土。カシス等の黒系果実香はやや後退しているのか、味わいもタンニンに隠れているのか、果実の甘みはそれほど感じられないが、酸はまだしっかりしている。甘草、ブラックペッパーのスパイス感と収斂性のあるタンニン。
1995年という良年、メルロー主体の25年経ているサンテミリオンには、柔らかくなった果実味を期待していましたが、ちょっと違いました。
この後、強靭なタンニンがほぐれていくのか、果実味が枯れていくのかちょっと分かりませんが、現時点では、やや内向的に感じるワインでした。
(3.0)
▼鰻にメルローというのは、相性的には悪くないのですが、ワインのタニックさがやや突出しており、少しバランスを崩している印象です。スパイシーさと少し多めにかけた山椒との相性が救いです。
▼チリチキンの甘辛さがやや粗めのタンニンを和らげてくれます。
前回飲んだシャトー・ドミニクは1990年ヴィンテージだったと思います。かなり昔なので記憶があやふやなのですが、ヴィンテージの恩恵もあり、結構良い印象だったと思います。今回の1995年については、この年の右岸ワインの特徴なのか、ややタニックさが気になる1本でした。
<了>