Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

ブリューノ・クレール ジュヴレ・シャンベルタン クロ・サン=ジャック 2005年 

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ドメーヌ・ブリューノ・クレールのジュヴレ・シャンベルタン・1erCru・クロ・サン=ジャックです。ブルゴーニュのプルミエ・クリュとしては最もしっかりした骨格を持つといわれるこの畑の2005年ヴィンテージ、少し早いかなと思いつつ抜栓してみました。

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シャンベルタンやシャンベルタン・クローズ・ド・べーゼを筆頭とするジュヴレ・シャンベルタン村のグラン・クリュ畑は、ルショット・シャンベルタンを除きブルゴーニュの中でも特にプレステージ性の高い畑を横切る「グラン・クリュ街道」沿いに位置しています。ブルゴーニュを1日で周るような観光ツアーでは、この「グラン・クリュ街道」を必ず訪れることになると思いますが、そこから外れて標高の高い位置にあるこのプルミエ・クリュの畑にはなかなか訪れる機会はないかと思います。ラヴォー渓谷の扇状地に広がり、高い石垣(クロ)に囲われ、比較的大きい勾配をもつこの畑を目にするとは、グランクリュの畑とはまた異なる、独特の雰囲気を感じますが、この畑は、グラン・クリュ並み、時にはそれを上回る高い評価の力強いワインを産出します。

6.7haの面積をもつこの畑の所有者は、僅か5人、各所有する区画は、傾斜の上から下までの縦長のパーセルに分かれており、上の写真の左の石垣に近い位置から左(北側)に向かって、アルマンルソー(2.22ha)、フーリエ(0.89ha)、ルイ・ジャド(1.0ha)、ブリューノ・クレール(1.0ha)、シルヴィ・エスナモン(1.60ha)のパーセルが並んでいます。
他に、ネゴシアンとしては、ルモワスネス(但し1960~80年台のオールドヴィンテージ)、ドミニク・ローランくらいでしょうか?ちなみに前者は、ルソーからの買いブドウと言われています。ドミニク・ローランのクロ・サン=ジャックは、古くから付き合いの信頼する生産者からの買いブドウという意味で、黒い特別なラベルが使われていますが、生産者は僅かに5人しかいないので、なんとなく想像がつくような..。

クロ・サンジャックの畑は、上部が泥灰質、下部が粘土質と土壌が複雑に変化しており、これらをブレンドすることで、複雑性を、更にこの土壌に加え、ラヴォー渓谷から吹き降ろす風による冷涼な気候が力強さを生み出すと要因と言われています。

ルソーとフーリエのクロ・サンジャックは、凄い値段になってしまったうえに、入手自体が困難なので別格、シルヴィ・エスナモンはなかなか見かけないので、実質手に入れるとすれば、ルイ・ジャド、ブリューノ・クレール、そしてネゴシアンのドミニク・ローランが(価格は別とすれば)現実的に入手しやすいワインかと思います。

クロ・サン・ジャックは、今回と同じ2005年のアルマン・ルソーと2007年のフーリエを飲んでいますが、ルソーの2005年は感涙ものでした(→こちら)。今回は、そのルソーと同じ2005年ということで、自ずと期待が高まります。

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やや濃いめのガーネットがかったラズベリーレッド。縁にかけて少しオレンジ色のグラデーション。熟したカシス、ラズベリー、ダークチェリーの赤黒果実が濃縮した感じの香りに重なって、僅かにミントっぽい冷涼な香りも漂う。スパイス、ドライハーブや甘草、ヨードや鉄っぽさ、僅かに苦みを伴うミネラル。スーボアや紅茶の熟成香。豊かな酸と荒々しくないがシッカリと感じられるタンニン。ここのテロワールを感じさせる鉄っぽさも。時間と共に腐葉土香や獣っぽい妖艶な香りが顕れる。

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先週飲んだ同じ2005年のモンジャール・ミュニュレのリシュブールに比べると、華やかな風味というより、やはりこのテロワールがもたらす骨格感を明確に感じるワインです。タンニンは似たような感じですが、リシュブールで感じたような甘露さは、あまり感じられません。こちらは抜栓して1時間ほどで飲みきってしまったので、もう少し時間をかけて、開かせた方が良かったのかもしれません。開けるのがやや早かった感はありますが、このワインのもつポテンシャルは十分に感じられました。 

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▼クロ・サンジャックの力強い赤ワインに合う料理として、ハンガリー産のマグレ・カナール鴨を選びました。マグレ・カナールは、フォアグラをとるために肥育したミュラー種の鴨の胸肉で、柔らかく脂の乗った濃厚な風味が特徴です。油を加えなくても、少し加熱すると直ぐにかなりの脂が出てきます。この脂を全体にかけながら焼きます。

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この肉には、凝ったフルーツソースよりも、シンプルな、ワサビや岩塩の方があっているようです。もちろん、この力強いワインとの相性は最高です。

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やはり未だ早いと思いながら、ほぼ1年前に飲んだアルマン・ルソーは、意外にも力強さよりも甘美さを感じさせるワインでしたが、このブリューノ・クレールのクロ・サンジャックは、このテロワールが生み出すワインの特徴である、凝縮した果実と力強い骨格感を感じさせる1本でした。

いずれにせよ、どちらもジュヴレ・シャンベルタンの珠玉のプルミエ・クリュだと思います。

<了>

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