キャンティ・クラシコ地方でカリスマ的な人気を誇るサン・ジュースト・ア・レンテンナーノのキャンティ・クラシコ リゼルバ レ・バロンコーレ。イタリア赤の良年、2013年ヴィンテージです。
サン・ジュースト・ア・レンテンナーノはエトルニアに由来する名前で、キャンティ・クラシコ地区のアルビア河上流を見渡す土地です。醸造所は中世のシトー派修道院として誕生しています。
メルロ100%の「ラ・リコルマ」とサンジョベーゼ100%「ペルカルロ」という2大看板ワインで有名な造り手ですが、今回のキャンティ・クラシコ リゼルバ レ・バロンコーレも、最高峰のキャンティ・クラシコとして高く評価されています。
サン・ジュースト・ア・レンテンナーノ キャンティ・クラシコ リゼルバ レ・バロンコーレ 2017年
[2017] San Giusto a Rentennano Chianti Classico Riserva Le Baròncole
サンジョヴェーゼ97%、カナイオーロ3%(カナイオーロは、キャンティの補助品種としてブレンドされる品種です)。果皮浸漬を行い、ガラスコーティングしたコンクリートタンクとステンレスタンクで12日間発酵、熟成はオーク樽(50~100hl)とトノーで11ヶ月間行う。6ヶ月間瓶熟成。
縁にまだ紫が混ざる黒みがかったダークチェリーレッド。レッグは、やや長め。カシスや完熟プラムの黒系果実。ロースト、インク、なめし皮、キノコ。黒胡椒や八角等のオリエンタルスパイス。コーヒー、キノコ、タバコ。とにかく芳醇で複雑なワイン。キャンティといえば、サンジョベーゼの伸びやかな酸が特徴ですが、これは、豊かな酸も感じるものの、凝縮した果実味と何よりも豊富なタンニンが特徴。
2日目、温度が上がると香りが華やかになり、牡丹等の少し赤い香りも。酸はよりはっきりしてくて、初日に収斂性を感じたタンニンも少し滑らかになり、初日より好印象に。
(3.3~将来3.5)
ブルゴーニュ好きにとっては、かなり刺激的な力強さをもつワイン。ただ、基本的には、抜栓がまだ数年早かった印象。辛抱すれば、素晴らしいワインになる可能性も。
このワインは3日に渡って飲み、いろいろな肉料理に合わせてみました。
▼イベリコ豚ロース。少し高めでしたが、流石にこれは、旨味が凄い。
▼2日目は、骨付き鶏肉。正直、この濃厚なワインには少し負けます。
▼最後は、ラムチョップ。子羊ではないのでそこそこ噛み応えはあり、癖もありますが、このワインとの相性はなかなかでした。
▼チーズは、我が家定番の濃さが絶妙のコンテ18Mと濃厚なボーフォール(エテ)
▼やっぱりこれが一番合います。フルムダンベールのBIOです。ノーマルのフルムダンベールに比べやや塩味は強いですが、豊かな旨味を感じるフルムダンベールです。
ヴィンテージの妙もあるのかもしれませんが、これほど強烈に力強く、複雑なキャンティ・クラシコは、あまり記憶にありません。自分がもつキャンティ・クラシコのイメ―ジを覆すようなワインでした。
<了>