バッカスのささやき

ワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒との出会いと趣味のブルーベリー栽培を中心に日常を綴ります。

アルチザンチーズ ローグリバー×アルト・モンカヨ

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この時期だけ入手可能なお気に入りのアメリカ・オレゴン州のアルチザンチーズ、「ローグリバーブルー」です。極めて濃厚なこのチーズに合わせるワインは、悩んでしまいますが、スペインの濃厚グルナッシュ、アルト・モンカヨを選んでみました。

 オレゴン州の観光名所の名前を冠したこのチーズ、毎年9月23日から11月22日頃と僅か2か月ほどの期間限定で当地で生産されるチーズです。
ナチュラルチーズと言えば、ヨーロッパを思い浮かべますが、意外にも、チーズ生産量世界一はダントツでアメリカです。アメリカのナチュラルチーズと言えば、クリームチーズモントレー・ジャックといった工業製チーズが圧倒的に多いのですが、ヨーロッパ同様、職人による手造りチーズも存在しています。これらは、アルチザンチーズという名前で分類されています。

ウイスキーやコーヒー等を使った結構変わり種のアルチザンチーズも多いのですが、このローグ・リバーというチーズもやはりちょっと変わった創作チーズです。

牛乳製のブルーチーズですが、専用の熟成庫で1年間熟成させた後、オレゴン産の洋梨のブランデーに付け込み、更にブドウの葉で覆うという手の込んだチーズです。

日本では、チーズ王国の名前で店舗を展開しているヒサダさんが輸入販売しています。値段は、100gあたり、1723円とかなり高価です。
何故高いのか聞いたことがありますが、もちろん手が込んだ造りということもあるのですが、このチーズは、ヒサダのパリ本店で輸入したのち日本に輸入しているため、コストが高くなっているとのこと。

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高価ながら、一度食べると病みつきになるこのチーズは、ここ数年購入しています。11月に入荷して僅かな期間に売り切れてしまうので、実は昨年はタイミングを逸し、購入できませんでした。今年は、今までに2回購入しましたが、結構高いので大抵1回150g前後を購入しています。

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ローグ・リバーの風味ですが、とにかく「濃厚」の一言に尽きます。
ブルーチーズなので、濃厚なのは当たり前なのですが、ブルーチーズの塩味も目立たなくなるような甘い洋梨ブランデーの風味が際立っており、さらに旨味も強く、結構衝撃的な味わいです。年によっては、ブランデーの成分が結晶化していることもあり、カリっとしたユニークな食感を愉しむことができます(今年は、それほど結晶の食感は目立ちません)。甘・酸・塩・苦が混ざりあって非常に複雑で印象的な風味です。

▼さて、このチーズに合わせるワインですが、ブルゴーニュとかだと負けてしまいます。濃厚なボルドーもありかと思いますが、この日は、濃厚なグルナッシュ(ガルナッチャ)から造られたスペインの「ボデガス・アルト・モンカヨ・ガルナッチャ」です。

アルト・モンカヨ・ガルナッチャ  2015年
[2015] Alto Moncayo Garnacha

パーカー100ptを獲得している「ボデガス・アルト・モンカヨ」です。高く評価されている醸造家クリス・リングランド氏の手によるものです。グルナッシュ(スペインではガルナッチャ)100%のワインです。手頃なデイリーワインも存在するグルナッシュのワインは、まさにピンキリです。最近のスペインのガルナッチャのワインには、安いグルナッシュに時に感じられる野暮ったさは全く感じられず、むしろエレガントさを醸し出すワインに出会うことがしばしばあります。まさに今回もそんなワインです。

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縁に明るめの紫のグラデ―ションは見られるものの、中心部は暗黒色。レッグは結構長い(アルコール度数は、16%!)
カシス、ブラックベリー、ダークチェリー、完熟プラムの凝縮した黒系の果実香が印象的。燻したようなトースト香、コーヒー、なめし皮、リコリス、ムスク、八角のような東洋スパイス。豊かな酸と強いながらも滑らかなタンニン。アルコールの熱さは感じるものの、アルコールが浮いた感じは一切なく、濃いながらもエレガントさを感じさせてくれるワイン。余韻もすこぶる長い。

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この濃厚なチーズは、ブランデーやテキーラと合わせるという手もあるのかもしれませんが、ワインに合わせるとすれば、やはり、決して負けないこの種の濃厚な赤ワインとの相性が良いと思います。

少し濃厚な風味が恋しくなるまさに秋から冬にかけてのおすすめチーズです。 

(了)