ペサック・レオニャンに拠点を構える700年以上の歴史を持つシャトー、「シャトー・ラ・ルーヴィエール」の赤。ボルドー良年の2000年ヴィンテージです。
ラ・ルーヴィエール(La Louvière)とはオオカミの巣窟という意味で、シャトーの歴史が始まった当時、ペサック・レオニャンは森に囲まれ、オオカミが潜んでいたことに由来していると言われています。
▼2018年夏にボルドーを訪れた際にここのシャトーに立ち寄っています。といってもシャトー見学のアポは取っていなかったので出来ず、シャトの建物の周りを散歩し、ショップでテースティングとワインを購入しています。いわゆるセラー・ドアですが、ボルドーでは珍しいと思いました。ちなみに、購入したワインは、今回の2000年ではなく、2010年のChâteau La LouvièreとセカンドラベルのL de La Louvièreの白、それと試飲して気に入ったDvinus 2006 というここのオーナーアンドレ・リュルトンがLoupiac,A.O.Cに所有しているシャトーの甘口ワインです。日本での知名度はいまいちですが、いずれも比較的手頃な価格のボルドーです。
ここは、どちらかと言えば白の方が評価が高いようです。
↓ボルドーの名だたるシャトーに比べると、ちょっとシンプルです。
シャトー・ラ・ルーヴィエール 2000年
[2000] Château La Louvière,Pessac-Leognan
畑面積33.5ha、年間生産量15万本。セパージュは、CS60~70%、ML約30%、残りPV。
20年の熟成を経ているものの、殆ど黒に近い濃い紫色を帯びたダークチェリーレッド。縁にかけて僅かにグラデーションが見られるが、ほぼ光を通さないような色調。レッグはやや長め。香りの印象は、まず煙草。同AOCのオー・ブリオンにも共通するグラーヴ/ぺサック・ローニャンの赤で特に特徴的な香りです。続けて、カシス(ブラックカラント)、鉛筆の芯、ロースト、バニラ、甘草、ブラックペッパー、なめし皮、コーヒー。味わいは、豊かな酸とやや収斂性のあるタンニン。抜栓直後、甘みは殆ど感じない。とにかく凝縮感が凄い。時間が経つと、下草や土っぽさとともに僅かに果実の甘味を感じるように。長い余韻。
(3.3)
ブルゴーニュに舌が慣れていることもあり、久々に強烈に感じるタンニンでした。後半少しほぐれてきた感はありますが、20年の熟成で、まろやかになっているだろうという期待は裏切られました。
このほか、ブルーチーズのフルムダンベールと合わせましたが、タンニンが少し和らいで感じられました。面白い相性です。
▼前菜は、蛤の酒蒸し。新政のエクリュ/生成(あきた酒こまち)と合わせました。
新政の純米酒共通の豊かな酸と米の旨味がたまりません。
最初にワインに嵌ったきっかけが、ボルドーでしたが、このル―ヴィエールも90年台を中心に何度か飲んだ記憶があります。ただ当時は、それほどタニックなワインという印象はありませんでした。
ちなみにこの2000年のパーカの評価は90点で飲み頃は~2015年となっています。点数は別として、飲み頃については、ウソでしょと突っ込みたくなります。
シャトーで購入した2010年はいつ開けるか悩みます。