バッカスのささやき

ワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒との出会いと趣味のブルーベリー栽培を中心に日常を綴ります。

モンジャール・ミュニュレ クロ・ド・ヴージョ 1998年

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ドメーヌ・モンジャール・ミュニュレの1998年のクロ・ヴージョです。このドメーヌの2000年以前のヴィンテージは、品質的にややばらつきがある印象を持っていますが、このクロ・ヴージョはどうでしょうか?

モンジャール・ミュニュレの1990年台は、グランクリュでは1996年のリシュブールやクロ・ヴージョを飲んだことがありますが、保存状態のせいか、あまり印象に残るようなものではありませんでした。今回は、最近バックヴィンテージとして入手した正規ものなので少し期待して開けてみました。

 改めてこのラベルを見て気づいたのですが、グラン・クリュのこの畑、クロ・ヴージョ(Clos Vougeot)と表記されているものとクロ・ド・ヴージョ(Clos de Vougeot)と表記されているものがあります。どうでも良いことかと思いますが、de(フランス語で「~の」の意味)を入れるか入れないかは、作り手のポリシーなのでしょうか?

クロ・ヴージョの畑ですが、面積は50haにも及び、83人もの所有者が存在するという、稀有な巨大グラン・クリュ畑として知られています。当然ながら、畑や所有者によって品質に大きな差が出ており、それ故、価格もばらついています。一般的には、石灰質が多く含まれる上部(西側)ほと評価が高いものの、下部(国道に近い)の粘土質が多く含まれる畑からも骨格のはっきりした力強さを備えたブドウが生み出されるとも言われています。何と言ってもトップ生産者は、ルロワかと思いますが、ルロワは、最上部と中~下部の両方の区画を所有しており、これらをブレンドすることで、複雑で素晴らしいクロ・ヴージョを生み出すと言われています(残念ながら飲んだことはありません)

モンジャール・ミュニュレが所有するクロ・ヴージョの畑を調べてみると、下記の2区画に存在しているようです。プティ・モーペルテュイとカルティエ・ド・マレイ・オーという区画です。どちらも比較的標高高い上部に位置しており、土壌的には恵まれている区画かと思います。

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▼マップの右端にある、シャトー・クロ・ド・ヴージョから眺めたクロ・ヴージョです。これを見ただけでも広大な畑であることが理解できるかと思います。モンジャール・ミュニュレが所有するのは、この写真の右側奥にあるようです。ちなみに右遠くに見えるのは、ミュジニーの畑です。

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ドメーヌ・モンジャール・ミュニュレ  クロ・ド・ヴージョ  1998年
[1998] Domaine Mongeard-Mugneret Clos de Vougeot Grand Cru

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縁にレンガ色が入り、色調はやや淡目だが、中心は艶のあるガーネットカラー。
抜栓直後は、やや香り控えめめだが、味わいには、出汁っぽい旨味が。豊かだが突出していない酸、タンニンは完全に溶け込んでいる印象。僅かなロースト香。2000年以前のモンジャール・ミュニュレは、かなりオーキだったようだが、その名残り?ただ気になるようなレベルでなく、味わいに複雑さを与えている。1時間ほど経つと、華やかな香りが顕れてくるが、若いワインとは明らかに異なる、どことなく冷涼さを保ちながらもどんどん複雑さを増してくる香り。ブルーベリー、ダークチェリー、牡丹の花、紫蘇、甘草、梅かつお、スーボワ、そして腐葉土。熟成ブルゴーニュの複雑な香りと甘酸の絶妙なバランス。これは、美味しい古酒!

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最近は、なかなか印象的なブルゴーニュ古酒に当たらなかったのですが、久々に素晴らしく綺麗に熟成した古酒を味わうことができました。1998年のブル赤ですが、良年の1999年と最近でも比較的市場に出てきており再評価されている1997年に挟まれて、いまいち地味な印象のあるヴィンテージですが、昨年飲んだ、1998年のアンヌ・グロのクロ・ヴージョも素晴らしいワインでした。今では、ほとんど市場に出てこないヴィンテージですが、今飲むには結構面白いヴィンテージのような気がします。

(了)