二コラ・ポテルによるネゴシアン部門、メゾン・ロッシュ・ド・ベレーヌのニュイ・サン=ジョルジュ・プリミエ・クリュ・レ・ダモードの2008年ヴィンテージです。
メゾン・ロッシュ・ド・ベレーヌについては、こちらにも書きましたが、二コラ・ポテル氏がヴォルネイの名門、プス・ドールを売却後、ドメーヌ・ド・ベレーヌとともに立ち上げた、ネゴシアンです。ネゴシアンを立ち上げたのが、2008年ですので、このワインは、まさにメゾン・ド・ベレーヌのファースト・ヴィンテージということになります。 とはいえ、他の生産者からの樽買いをしているようなので、1990年台のワインもしばしば見かけます。一昨年に飲んだこちらのワインも1990年ヴィンテージです。
[2008] Maison Roche de Bellene Nuit-Saint-Georges 1erCru Les Damodes
レ・ダモードは、ニュイ・サン=ジョルジュのなかでもヴォーヌ・ロマネに接する畑で、最上部は村名で、その下部に位置するのが、1級畑のレ・ダモードになります。ちちなみにこの畑に隣接するヴォーヌ・ロマネ村の畑もレ・ダモードです。つまり、2つの村に跨った1級畑ということになります。ヴォーヌ・ロマネ側の畑を所有しているドメーヌとしては、アンブロワーズが良く知られているかと思います。
▼多分、手前の畑だったと思います。村名の畑は、道路1本を隔てるといえ、ちょっと高い位置にあり、はっきりと区別できます。
ガーネットがかった深みのあるラズベリーレッド。12年経過したヴィンテージにしては、それほど熟成は感じられず全体的には意外に若い色合いだが、縁にかけて少しレンガ色が混ざるグラデーションも。抜栓直後は、完全に閉じた状態だが、30分ほどで徐々に開きだす。少し控えめのラズベリー、ブラックベリーの赤黒系果実とドライハーブ。シナモンやナツメグのスパイス、オークからの僅かなバニラ香。味わいには、2008年ヴィンテージらしい強めの酸を感じるが、気になるほどではない。タンニンは滑かで比較的柔らかい印象。2時間ほどで飲みきってしまったが、終始、香りは控えめで、冷涼でやや重心が低く、どちらかといえばセイヴォリーな印象。余韻の長さは中庸。
(3.1)
信濃屋のチキンハンバーグ&カニクリームコロッケと。
酸の強さからどちらかと言えば、2008年ヴィンテージには、あまり手が出ないのですが、このワインはセットワインに含まれていた1本です。突出するほどの酸ではなかったものの、隣接するヴォーヌ・ロマネ的な華やかさは感じられず、ややクールな印象の、良く言えばクラシカルなニュイ・サンジョルジュ的なプルミエ・クリュでした。ただ、意外に濃いめの色合いや奥に隠れているような果実味から、もう数年の熟成の余地が感じられる印象のワインでした。
<了>