久しぶりのギガルのコート・ロティを飲みました。シャトー・ダンピュイ、ローヌ北部のグレートヴィンテージ2009年です。この素晴らしい熟成シラー、鴨のローストを合わせてたのしみました。
ローヌ北部最大、「ローヌワインの帝王」と称されているエティエンヌ・ギガルのコート・ロティのなかで「ギガルの三つ子の兄弟」と言われるのが、「ラ・ムーリンヌ」「ラ・ランドンヌ」「ラ・トゥルク」です。ギガルが、1966年、1978年、1985年に入手した単一畑で、ワイン。ローヌ好きのロバート・パーカがWA誌で、100点を連発しています。その後、1995年に入手したのが、ドメーヌ「シャトー・ダンピュイ」で、入手後のその名前をそのまま使っています。評価も高く、3兄弟に次ぐ、時には同等に近い評価を受けています。この2009年もWA誌97点を獲得しています。
シャトー・ダンピュイを飲むのは、2010年ヴィンテージ以来、2回目になります。
コート・ロティーは、「焼け焦げた丘」の意味があり、日照量が高いことで知られています。一般に南部が片麻岩の土壌で、エレガントなワインを生み出す「コート・ブロンヌ」、北部が片岩土壌から力強いワインを生み出す「コート・ブリュンヌ」という2つの地区に分かれていますが、このシャトー・ダンピュイは、両方の地区の複数の畑のブドウが使用されています。
ギガル シャトー・ダンピュイ コート・ロティ2009年
[2009] E.Guigal Ch. d'Ampuis Côte Rôtie
以下テクニカルデータです。
コート・ブロンド3区画、コート・ブリュヌ3区画の計6区画、計8haの畑から。
温度管理のできるステンレスタンクで4週間かけて発酵とマセラシオンを行い、その後、新樽で38ヵ月間熟成。シラー(93%)にヴィオニエ(7%)をブレンド。
テースティング・コメントです。
縁にわずかにレンガ色の熟成を感じさせる艶のあるダークチェリーレッド。漆黒という訳ではなく僅かにグラスの底が見える。粘性は、それほど高くない(13.5%)
香りは流石に良く開いており、よく熟したカシスやブルーベリー、ブラックベリーの黒系果実の香りも、干した杏のようなドライフルーツになめし皮やカカオ、さらにシナモン、ナツメグ、黒胡椒のスパイス。どんどん広がる複雑な香りにノックアウトされそう。味わいのアタックに凝縮した果実味と円やかな酸、中盤からきめ細かいタンニンが広がるが、非常に滑らか。伸びやかな酸と心地よいタンニンからのわずかな苦みが後をひく余韻は長い。
(4.0)
シラー93%とヴィオニエ7%の比率は、大好きなラ・トゥルクと同じです。力強さとエレガントが両立する黄金比率と勝手に思い込んでいます(笑)
↓当然ながら鴨(低温調理後にロースト)との相性は抜群です。
↓デザート替わりのブルーチーズ。
トム・ド・ラカイユ(黄色い方)とアトリエ・ド・フロマージュのブルーです。
前回飲んだ時の記憶は確かではありませんが、今回は家飲みでゆっくり時間をかけて味わいました。若いシラー(シラーズ)はちょっと苦手ですが、やはり、熟成ローヌは、素晴らしいです。ギガルの3兄弟は高くなってしまいましたが、ダンピュイは、未だ2万円以下で購入可能です。機会があれば、また、手に入れたいワインです。
了