Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

コート・ド・ボーヌの白の名手が造る赤ワイン2選

シャサーニュ・モンラッシェのドメーヌ・フィリップ・コランとピュリニー・モンラッシェのシャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェ。どちらもコート・ド・ボーヌの白ワインの著名な造り手ですが、そんな造り手による赤ワインのプルミエ・クリュ、サントネ・レ・グラヴィエールとポマール・レ・ぺゼロールです。

ブルゴーニュの赤ワイン好きにとって、最近の有名生産者のワイン価格の高騰は、悩ましいところですが、ボーヌの白ワインの著名な生産者が造る赤ワインは狙いどころではないでしょうか?
最近、ギィ・アミヨのレジョナルのルージュを飲みましたが、なかなかのコスパを感じさせてくれるワインでした。
白ワインで、確かな醸造技術を持つ造り手なので、質に対する不安はありませんし、何よりも、白に隠れた地味な存在なので、比較的売れ残っていることが多く、結構手頃な価格で入手できます。
ということで、ブルゴーニュ白ワインの造り手と知られている2つのドメーヌのプルミエ・クリュの赤ワインを飲んでみました。

まず、シャサーニュ・モンラッシェに拠を置く、フィリップ・コランです。シャサーニュは、赤ワインもそれなりに生産しているので、珍しくはないですが、やはり、白ワイン産地として高い名声を得ているAOCです。

今回のサントネイ・1er・レ・グラヴィエールの2014年ヴィンテージですが、最近インポータが在庫を放出したところ、口コミで人気が出たようで、リピートしようかと思ったところ、あっという間に売り切れてしまいました。

ドメーヌ・フィリップ・コラン  サントネイ・1er・レ・グラヴィエール
[2014] Philippe Colin Santenay 1er Cru Les Gravières

レ・グラヴィエールは、シャサーニュ・モンラッシェに近いクリマで、サントネイのプルミエ・クリュとしては最大面積になります。

熟成を感じさせるレンガ、小豆色の混ざる淡い色調のラズベリーレッド。
香りは良く開いており、赤いベリー系果実の香りにドライフラワーや梅カツオ、シナモン、ドライハーブに紅茶やマッシュルームの熟成ブーケ。
アタックに熟した果実からの豊かな酸、タンニンはきめ細かく液体に溶け込んでいる。甘みはやや抑えられており、冷涼な印象。綺麗に熟成しており、今がピーク。華やかなわけではないが、しなやかで滋味を感じるクラシカルなブルゴーニュ赤。
熟成ミモレットと合わせあました。

(3.2)

シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェは、名前のとおり、ピュイニー・モンラッシェに17世紀に建てられた城館です。2012年にドメーヌ・ド・モンティーユのモンティーユ家が買収しましたが、その後も、シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェの名前でリリースしています。

シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェ  ポマール・1er・レ・ぺズロール
[2011] Chateau de Puligny Montrachet Pommard 1er Cru Les Pézerolles

ボーヌ村との境に近くに位置する1級畑です。ミシェル・ラファルジュ(→こちら)やアンヌ・フランソワーズ・グロ等も所有していますが、もともとド・モンティーユも所有しています。2012年に買収する前から、モンティーユ家は、ここのワイン造りに関わっていますから、実質かなり近いものと思われます。

縁にレンガ色が混ざる中程度の濃さのラズベリーレッド。
ラズベリーアメリカンチェリー、ブルーベリーの赤黒系果実の香り、スミレの花、アニス、シナモンのスパイス香に、紅茶の熟成由来の香りも。
アタックに円やかな酸と滑らかなタンニン。中盤からやや甘みを伴う熟した果実からの酸が強く感じられ、心地良いわずかな苦みがアクセントの余韻。
力強さがありながらも、やや枯れた味わいが加わった心地よいポマール。

(3.3)

スイスのセミハードチーズ「ヴュリー・ルージュ」と。ピノ・ノワールで表面を磨いたチーズなので、当然ながらピノ・ノワールのワインとの相性は抜群です。

ヴィンテージも産地も異なる2本でしたが、どちらも熟成感の感じられるエレガントなワインでした。今回は同時に比較した訳ではありませんが、ヴィンテージとは逆で、サントネ・レ・グラヴィエールは、癒し系。ポマール・レ・ぺズロールは、やや力強い骨格感を残すワインという印象でした。いずれもコストパフォーマンスの高いブルゴーニュ赤だと思います。特にフィリップ・コランの5K円前後の価格は非常に魅力的です。

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