「イタリア白ワイン界の奇跡」「北の巨匠」と称されるイタリア・フリウリのヴィエ・ディ・ロマンス。ここの白ワインは、何度も飲んでいますが、赤ワインは、あまり飲む機会がなく、ピノ・ネロのワインについては、初めてです。
ヴィエ ディ ロマンスはイタリア北東部、スロヴェニアとの国境にあるゴリツィア県のマリアーノ・デル・フリウリに1900年に創業した家族経営のワイナリーです。 現在のオーナーで3代目にあたるジャンフランコ・ガッロ氏で、はこの歴史あるワイナリーを1978年に受け継ぎ、この地を一躍有名にした人物です。
13年ほど前から、ここのワインを飲んでいますが、(→こちらとこちら)やはり白の名手のというイメージがあり、シャルドネやソーヴィニヨン・ブランがメインで、たまに、マルヴァジーアやフリアーノといった白ワインがほとんどですが、ハズレを経験したことが殆どありません。赤は、過去にメルロー100%のマウルスを一度だけ飲んでいますが、それほど印象には残っていません。
今回、初めてピノ・ネロ(=ピノ・ノワール)種からのワインを飲みました。
ヴィエ ディ ロマンスのピノ・ネロですが、そもそもあまり目にすることがありません。調べてみると「ヴィエ・ディ・ロマンス・ピノ・ネロ」というワインが2016年に初めてリリースされていますが、今回のロンゴスチス・ピノ・ネロとは異なる畑のようです。ロンゴスチス・ピノ・ネロは、2018年もリリースされていたようですが、日本を含め3か国にしか輸出していないようです。とうことで、結構レアなワインのようです。畑は、イソンツォ(Isonzo)D.O.C.地区にあります。
ヴィエ・ディ・ロマンス ロンゴルチス ピノ・ネロ 2019年
[2019] Vie di Romans Longorucis Pinot Nero
やや濃いめのラズベリーレッド。ラズベリー、ブルーベリーやダークチェリーのやや黒よりの赤黒系果実の香り。オークからの香ばしいロースト香のニュアンスがやや強めに感じられる。ドライハーブやブラックベリー、甘やかな印象よりもどちらかといえば、スパイシーで冷涼な印象。味わいには豊かな酸が感じられるが、過剰ではなく、果実味とのバランスがとれている。僅かに収斂性が残るタンニンが余韻に苦みを感じさせる。
飲むタイミングとしては、少し早かったかなという印象ですが、それだけ、熟成のポテンシャルをもつワインだと思います。
(3.3)
畑のあるIsonzo D.O.C.は北緯45度~46度にあり、これは日本の稚内と同緯度になります。熟度はそこそこ高いですが、やはり冷涼の地を感じさせるワインだと思います。10年前は、ほとんどのラインアップが3K円前後で買えましたが、最近は4K円、銘柄によっては5K円を超えてしまっています。このピノ・ネロも5K円近かったと思います。
イタリアのピノ・ネロ、あまり買う機会はありませんが、このワインは今後も追いかけてみる価値はあるかと思います。
了