Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

リオハのテンプラニーリョ・レゼルバ 2018 Tinto&Blanco

リオハのテンプラニーリョ種のワイン、2018年ヴィンテージのレゼルバ2本です。1本は、珍しい白のテンプラニーリョ、テンプラニーリョ・ブランコです。赤は、非常にエレガントなタイプのテンプラニーリョでした。

スペインの代表品種であるテンプラニーリョのワインですが、ボルドー赤品種ほどではないものの、濃厚で力強いイメージがあります。特に、リオハのレゼルバ(36ヶ月以上の熟成、うち12ヶ月以上は樽熟成)以上のクラスは、オーキーで濃厚のワインが多く、年を取ってからはちょっと敬遠していました。最近は、千円台のテンプラニーリョをデイリーワインとして時々飲んでいますが、樽香は弱いものの、やはり濃いワインのイメージがあります。
そんななかで、もうひとつのスペインの代表品種ガルナッチャ(グルナッシュ)については、結構エレガントなワインに出会うようになりました。コマンドG(→こちら)などがその代表です。
レゼルバクラスでエレガントなテンプラニーリョがないか探して、見つけたのが今回のラ・リオハ・アルタ ヴィーニャ アルベルディです。

ラ・リオハ・アルタ ヴィーニャ アルベルディ レゼルバ 2018
[2018] La Rioja Alta Viña Alberdi Reserva 

1890年リオハに創立されたラ・リオハ・アルタ社は、スペインに残る最も古いワイナリーのひとつです。上級のグラン・レゼルバのワインも通常はリリースされていますが、2018年はアルコール度数が低く、ワインがフレッシュな年だったため、長期熟成には向かないと考え、他のワインは造らず、このワインのみがリリースされたようです。すなわちグラン・レゼルヴァに使われるブドウは、全てこのワインに使われたようで、いわば、この年は、スペシャル・レゼルバともいえるキュベになったようです。

中心に深みはあるが、僅かに底が見えるやや淡めのダークチェリーレッド。長めのレッグで、粘性はそこそこ高い(14.5%)。ブルーベリーやダークチェリー等の黒系果実とラズベリーの赤系果実が混ざる印象。赤いドライフラワー、シナモンやリコリスのスパイス香、オーク香は過度ではなく、ほどよい複雑さを与えている、
アタックに果実の柔らかい甘みと適度な酸味。タンニンは、比較的円やか。
ジャミーさや重さを一切感じないエレガントなテンプラニーリョ。普段飲みのデイリークラスのテンプラニーリョとは明らかに違う。ややインキーな香りとアルコールの高さは違うが、味わいの印象は、まさに濃い目のピノノワール

(3.5)

2日目は、プラムやカシスといった黒系果実が優勢になり、甘みと酸がやや強めに。もともとのテンプラニーリョのイメージに近づいた感があります。

このワインを飲んで思い出したのが、昨年受験したワインエキスパート・エクセレンスの2次試験に出た4番目の赤ワイン、フルコメントを求める問題でした。やや濃いめながらもエレガントな味わいの印象から、品種については、ファルツのシュぺートブルグンダ(ピノ・ノワール)と解答しましたが、正解はリオハ・クリアンサのテンプラニーリョでした。
実は2016年にワインエキスパートでも2次試験にテンプラニーリョが出題されましたが、この時は正解していました。やはりエクセレンスのテースティング試験は、ポピュラーな品種でもちょっと難易度の高い出題がされることを改めて実感しました。

リオハ・ベガ テンプラニーリョ・ブランコ レゼルバ 2018
[2018] Rioja Vega Tmpranillo Blanco Reserva  


リオハ・ベガはリオハ・ババ(現在は、リオハ・オリエンタルに改名されています)地区に1882年に設立されたワイナリーで、伝統とモダンの融合したまさに「リオハの星」という名にふさわしいコストパフォーマンスの高いワインが造られています。
今回は、ちょっとレアなテンプラニーリョの白品種、テンプラニーリョ・ブランコです。テンプラニーリョ・ブランコは突然変異で1988年初めて発見されたブドウ品種です。2007年にテンプラニーリョ・ブランコとして正式なブドウ品種認定を受け、2008年に、DOCaリオハ認定ワインとなったようです。リオハにしかないリオハの土着品種のようです。テンプラニーリョ・ブランコのワインは、ネットで探せば、結構見つかりますが、レゼルバは、殆ど見かけません。ラベルにボトルNoが記されていますが、総生産本数は、2,780とあります。

輝きのある濃いめのイエロー。ゴールドに近い。ライムやオレンジなどの完熟柑橘系果実に、青リンゴ、黄桃やアプリコットの黄色い果実の香りが混ざる。更に、白い花、ペパーミントやレモンバームのフレッシュハーブにホワイトペッパー、石灰からのミネラル。味わいのアタックはフレッシュで溌剌さを感じるが、決して軽くはない。甘みは少なくドライだが、果実の厚みからのボリューム感がある。温度が上がると、香りにアロマティックさと、僅かに白檀のような香りや、樽熟成からのバニラ香やナッツ香が出てくるが、果実味が厚いので、あまりオーキーには感じない。グレープフルーツの皮のような苦みの余韻はやや長め。美味しい。

(3.6)

↓カツオのたたきのサラダと山芋のふわふわ焼きと合わせませた。カツオはやや生臭さがあるので果実味の強いワインとの相性はどうかと思いましたが、たっぷり付けた生姜が意外に合いました。

テンプラニーリョという品種の奥深さを感じた2本でした。
特に、レゼルバのブランコは、5K円近い価格ながら、活き活きとした綺麗な酸と果実の厚み、樽熟からの絶妙な複雑さが感じられ、下手なブルゴーニュのプルミエ・クリュクラスの白を凌ぐすばらしさでした。再度見つけたら、是非リピートしたいと思います。

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