Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

フィリップ・ル・アルディのブルゴーニュV.V. 2019

フィリップ・ル・アルディのブルゴーニュ・レジョナルV.V.、ピノノワールシャルドネです。フィリップ・ル・アルディは、2021年にシャトー・ド・サントネが改名したドメーヌで、98haものブドウ畑を所有する大ドメーヌです。ここの手頃な値段のブルゴーニュ・レジョナルは、赤白とも時々デイリー・ワインとして飲んでおり、今回は2019年のVVの赤白です。

「フィリップ・ル・アルディ」はブルゴーニュ・ワインの歴史に詳しい人であれば、よく知っている人物で、一般には「フィリップ豪胆公」の名前で知られています。ソムリエ教本にも登場します。「1005年以降ブルゴーニュ公が支配していたこの地を、1363年にフランス国王シャルル5世の弟であるフィリップ2世(ル・アルディ/豪胆公)が相続した」とあります。何よりも有名なのが、このフィリップ豪胆公が1395年に発したガメイ禁止令です。ガメイを「卑しく、不誠実な品種」と見なして植え付けを禁止し、ピノノワールを推奨するという勅令です。ちなみにボジョレーは、当時ブルゴーニュ公国の支配下になかったので、この勅令が及びませんでした。
そんな大胆なドメーヌ名への改名ですが、ドメーヌがもつ歴史のある立派なシャトーから「シャトー・フィリップ・ル・アルディ」と呼ばれていたことに由来するようです。

ちなみに改名前の同じワインの2018年赤白を2年ほど前に飲んでいます。
ラベルのシャトーの絵はなくなっています。

ブルゴーニュピノ・ノワール・ヴィエイユ・ヴィーニュ 2019

深みのあるラズベリーレッド。香りは良く開いており、ラズベリー、ブルーベリー、ダークチェリーの赤黒果実の香り。薔薇、ローズヒップに、シナモンや甘草のスパイス、オークのノート、さらに僅かに土やシダなどの下草の香りも。味わいは、良く熟したベリー系果実味からのほのかな甘み、酸はやや高めだが心地よく、タンニンもしっかりと感じられるがきめ細かく滑らか。2018年以降のブルゴーニュにありがちな熱量は抑えられており、果実味にスパイシーさとアーシーさ兼ね備えたクラシカルなブル赤という印象。
2日に渡ってのみましたが、2日目の印象もあまり変わりませんでした。

(3.1)

ブルゴーニュシャルドネ・ヴィエイユ・ヴィーニュ 2019

輝きのある淡いレモンイエロー(写真より黄色っぽい)の外観。よく熟した柑橘系果実に花梨や黄桃、マンゴー、パイナップルの黄色っぽい果実の香りに、アカシアや金木犀の花、そしてオークからのバニラ香が結構強く感じられる。味わいも熟度の高さを感じる凝縮した果実からの甘みと豊かな酸にミネラル。オイリーで、メリハリのある味わい。余韻にぐっと広がる苦みが心地よい。

(3.2)

2018年は、2年前に飲んだので記憶は確かではありませんが、ヴィンテージとしては、1年違いですが、2019年は、ラベルが変わっただけでなく、味付きもしっかりしているように感じます。特に白は、明らかに2019年が上だと感じました。

赤のブドウはメルキュレ村のもののようですが、明らかに村名格のレベルだと思います。白もムルソーを思わせる味わいです。

↓こちらは、少し上級のブルゴーニュ・コート・ドール・プレソニエール2019です。
プルソニエール(かつての所有者であるソニエ家に由来)は、もともとジュヴレ・シャンベルタンであった区画(ジョセフ・ロティで有名)です。こちらは、1年程前に飲みました。開栓後直後は還元的で、開くのに少し時間がかかりましたが、やや力強く、同様に味付きが良いながらも冷涼さを感じるワインでした。

サントネイというマイナーなアペラシオンのせいか、ドメーヌの大きさの割に知名度はいまいちのような気がしますが、個人的には、同じような価格帯でリアルワインガイドでも絶賛されているアンブロワーズのレジョナルよりも好印象です。
最新のヴィンテージの2021年は未だ飲んでいませんが、ほとんど価格は上がっていないようで、ショップによっては3K円以内で購入できます。

赤白ともコストパフォーマンスが非常に高いブルゴーニュ・レジョナルだと思います。
機会があれば、上級のワインも飲んでみたいと思います。

<了>

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