2000年頃に何度か飲んだ記憶のあるプリモ・パラテュームの古酒です。最近、偶然入手できたので、久しぶりに飲みました。コート・デュ・ルーション・ルージュの1999年ヴィンテージです。
プリモ・パラテュームはボルドーに本拠を置くネゴシアンで、醸造家グザヴィエ・コペル氏によって1996年に設立されました。各栽培家の葡萄やワインをそのまま買い付けるわけではなく、収穫から瓶詰まで、ワイン造りのすべての過程をグザヴィエ・コペル氏が監督・指示するという、いわばオーダーメードされたオートクチュールワインという特徴をもっていたようです。ブドウも樹齢50年以上のヴィエイユ・ヴィーニュにこだわり低収穫、醸造も新樽100%でマロラクティック発酵とシュール・リー熟成を行うという凝った造りを取り入れるというこだわりがあったようです。
リリースされたのは、2000年前後の数年だったようで、色々なメディアに取り上げられ、注目を浴びていたことを覚えています。流通経路はわかりませんが、決して多くない生産本数の割には、最近まで時々市場で見かけていました。このワインも最近、某名古屋のショップの1点もののセットワインに含まれていたもので、平行輸入(JIS)ものです。
ちなみに、グザヴィエ・コペル氏のワイン(とバス・アルマニャック)は、今も生産されているようで、ホームページが存在しています。
今回のコート・デュ・ルーション・ルージュ(ブランもありました)は、生産量2400本程度で、ムールヴェールド60%、シラー30%、カリニャン10%というセパージュになるようです。
外観は深みのあるダークチェリーレッド。リリース当時は漆黒だったと思われますが、流石にやや淡さも現れており、縁にはレンガ色が混ざり、グラスの底も微かに見れます。抜栓直後は、少し香りが閉じこもっている印象でしたが、徐々に開いていきます(若いワインと違って急には変化しません)。カシスやプラム、ブラックベリー、ダークチェリーの黒系果実や黒胡椒等のスパイス、モカやシガーにアーシーな香り。
味わいに酸化やひね感は全くなく、酸も健全。アタックはドライ&スパイシーで甘みは僅かですが、完熟した果実からと思われる果実味は24年を経てもしっかりと残っています。タンニンは未だしっかり感じられますが、ざらつきはなく、液体にとけ混んでいる印象。
(3.2)
↓牛肉の炒め物と良く合いました。
品種的には、南仏品種ですが、ボルドーの古酒と言われても違和感はありません。
平行輸入の古酒ということで、ちょっと不安がありましたが、品質的には全くの問題はありませんでした。もともとセットワインの1本ということで、なつかしさ以外は期待していませんでしたが、それなりに楽しめるワインでした。
<了>