最近家飲みしたブルゴーニュワインについて書きたいと思います。まず、レジョナルワインは、ドゥデ・ノーダン、メゾン・モンティーユ、ル・デュモン、ヴィオロ・ギマール、村名は、ジャイエ・ジル、ユベール・リニエ、プルミエ・クリュは、レ・テール・ブランシュとデ・クロワです。
ドメーヌ・ドゥデ・ノーダン/ブルゴーニュ 2019年
Dom.Deoudet Naudin Bourgogne 2019
1849年サヴィニー・レ・ボーヌ設立の歴史のあるドメーヌです。
かなり昔(10年以上前)に飲んだ記憶はありますが、よく覚えていません。
未だ少し紫色を残し、熟成し始めた色合いが混ざる深みのあるラズベリーレッド。
チェリー、梅紫蘇、薔薇の花、シナモンと甘草の甘苦スパイス。僅かにスーボアの香りも出始めています。やや冷涼さも漂い、暑かった2019年の熱量は感じられません。アタックには、豊かな酸、中盤から熟度の高い果実味が酸と共に口中に広がります。タンニンは、収斂性が感じられず、滑らか。2日目は、酸が強くなり、ややバランスが崩れる印象なので、初日に飲み切るのがベターか?
(3.1)
メゾン・モンティーユ ブルゴーニュ・ピノノワール 2019年
Maison de Montille Bourgogne Pino Noir 2019
ドメーヌ・ド・モンティーユの買いブドウによるネゴスもののレジョナルです。ドメーヌのワインのキャップシールが白なのに対して、ネゴシアンものは、グリーンです。
中庸の濃さのラズベリーレッド。香りは良く開いています。ラズベリーやチェリー、スミレに僅かに、爽やかさを感じさせる
セージの香りも。味わいに円やかな酸とやや甘みを伴う熟したベリー系の果実味。タンニンは滑らかで心地よい。
深みこそ欠けるが、柔らかく、するする飲めてしまう今飲んで美味しいワイン。セットワインなので、価格は分かりませんが、3K台かと思います。気軽に飲めるブル赤です。
(3.1)
ドメーヌ・ルー・デュモン 2019/2018年
Lou Dumont Bourgogne Pinot Noir Vieilles Vignes 2019/2018
ルー・デュモンのドメーヌもののレジョナルです。
まず、2019年ヴィンテージについて。
少し黒も混ざるものの全体的にはやや淡めで艶のあるラズベリーレッド。ラズベリーやレッドチェリーの赤系果実やスミレやローズ、上記の2本と同様に清涼さを感じるハーブや紫蘇に、グローブやシナモン、ナツメグのスイートスパイス香が加わります。絶妙な樽使いがこのワインに複雑性を与えているように思います。味わいのアタックには上質な中程度の酸、暑い年からの甘みはほどほどに抑えられており、クラシカルなブルゴーニュを感じさせてくれます。
(3.2)
少し前に、同じワインの2018年も飲んでいました。
外観の色合いや香りは、2019年と類似していますが、味わいとしては、少し甘みが強く感じられ、やや酸が足りない印象です。タンニンも円やかですが、2019年に比べると少し緩さのようなものを感じます。暑い年の影響でしょうか?
(3.1)
ジョアネス・ヴィオロ・ギュイユマール オー・コート・ド・ボーヌ 2019年
Joannes Violot Guillemard Bourgogne Hautes Cotes de Beaune 2019
ポマールで 5 世代続くワイナリー。父親はティエリー・ヴィオロ・ギュイユマールですが、2018年ヴィンテージくらいから息子のジョアネスに代替わりしているようです。ラベルも全く変わっています。ティエリー時代のワインは何回か飲んでいますが、ジョアネスのワインは、同じ2019年のピノノリアンに続く2回目になります。
縁に僅かに熟成感の入る中程度の濃さのラズベリーレッド(下の写真では熟成が進んでいるように見えますが、それほどではありません)。香りは良く開いており、心地よいアメリカンチェリー、ブルーベリーの赤黒系果実、ドライローズ、セージ、フェンネル、リコリスの香り。アタックには、豊かな酸、厚みのある果実味が口中に広がり、タンニンは滑らかで収斂性は感じられない。オーク感は弱く果実味が主体。現時点では、やや酸が強く感じられるが、美味しい。
(3.1)
ドメーヌ・ジャイエ・ジル ニュイ・サン・ジョルジュ オー・ポワレ 2013年
Dom, Jayer Gilles Nuits-Saint-Georges Les Hauts Poirets 2013
アンリ・ジャイエの従兄弟であるロベール・ジャイエ氏の息子のジャイエ・ジル氏によるワインですが。ジャイエ・ジル氏の逝去により、2016年ヴィンテージを最後にドメーヌは廃業していますが、ワインは、未だ見かけます。
縁にややオレンジが混ざる濃いめのラズレリーレッドの外観。カシスやブルーベリ、ダークチェリー等やや黒系寄り果実の香り、ドライローズ、甘草やリコリスのスパイス香、なめし革、強めのオーク香が目立つ少し重い香り。アタックにやや強めの酸としっかりとしたタンニン、林床や下草の熟成香も。後半から余韻には果実味より苦みをやや強く感じる。2日目は、更に酸が強まる。
(2.9)
ジャイエ・ジルのワインは、オート・コート・ド・ニュイ/ボーヌを良く飲んでいました。もともと新樽率の高い生産者としられ、実際ワインはこのクラスでも結構オーキーに感じられます。オークに負けない果実味があればよいのですが、オフヴィンテージということもあり、バランス的には、オークが優勢気味の気がします。ラストヴィンテージは飲んでいませんが、おそらく最後まで新樽重視のスタイルを変えなかったのではないかと思います。昔は好みだったのですが、エレガント路線のブルゴーニュワインに馴れた今は、ちょっと引っかかります。
ユベール・リニエ モレ・サンドニ・1er・シュヌヴリー 2013年
Domaine Hubert Lignier Morey Saint Denis 1er Cru Chenevery 2013
ヴィエイユ・ヴィーニュの表示は無いですが、1970年台に植えられたブドウのようです。あまり聞かない畑名ですが、モレ・サン・ドニ村の国道に近い比較的低い所に位置しているようです。
やや濃いめのラズベリーレッドの外観。上記のジャイエ・ジルの2013年に比べ若い印象。Alc13%だがレッグはやや長い。
香りは良く開いており、ブルーベリー、ダークチェリーの青黒系の果実香。グローブやフェンネル、シナモンに僅かにオリエンタルスパイスも。時間と共にやスーボアや腐葉土の熟成香も。味わいのアタックには豊かな酸を感じ、モレ・サンドニらしい少し土っぽさをを伴うタンニン。中盤から綺麗な酸がぐっと伸び、余韻まで続く。タンニンは緻密で滑らか。
(3.3)
ユベール・リニエのプルミエ・クリュ、安定の美味しさです。2013年らしく、ドライで酸がやや強めですが、適度に熟した果実とスパイス感の複雑さと出始めた熟成香がとても魅力的な1本でした。
ファビエンヌ・ボニー・ガショ ニュイ・サン・ジョルジュ レ・テール・ブランシュ 2019 年
Fabienne Bony Gachot Nuits-Saint-Georges 2019
なんとなく見覚えのあるラベルですが、いつ何を飲んだか思い出せません。
調べてみる1963年創業のジャン・ピーエル・ボニーというニュイ・サンジョルジュのドメーヌの跡を継いだ娘がオーナーでこの2019年からファビエンヌ・ボニー・ガショを名乗っているワインのようです。おそらく、過去に飲んだのは、お父さんの時代のワインだったと思います。
輝きのあるやや濃いレモンイエロー。熟度を感じるシトラスやグレープフルーツに青リンゴ、爽やかなレモンバーム等のハーブ香、樽からのホワイトペッパーと心地よいバニラ、トースト香、僅かながらもナッツを感じる酸化のニュアンスも。アタックは比較的穏やかに感じられる酸、熟した柑橘果実、中盤からは豊かな酸を感じるが、オークに押さえられている印象、果実味豊かだが、あくまでドライ。酸とスパイスを感じる余韻は長め。
(3.3)
あまり飲む機会のないニュイ・サンジョルジュ1級の白ですが、これは、なかなか興味深いワインでした。機会があれば、ダモードにも畑を持っているようなので、そちらの赤も試してみたいと思います。
ドメーヌ・デ・クロワ ボーヌ・1er・レ・ブレッサンド 2017年
Domaine des Croix Beaune Les Bressandes 2017
前身は、ドメーヌ・デューシェというワイナリーだったようですが、そのころのワインは飲んだことはありません。昔、何回か飲んだカミーユ・ジルーで働くデヴィッド・クロワがオーナーとなり、2005年より、ドメーヌ・デ・クロワとしてリリースされています。2009年ヴィンテージあたりからメディアによく取り上げられていたこともあり、ボーヌのプレミアム・クリュやコルトンを結構購入していました。
外観はやや淡い艶のあるラズベリーレッド。少し紫色も混ざり意外に若々しいイメージ。香りは良く開いている。ラズベリーやチェリーの赤系果実の香り、薔薇の花、ドライハーブやグローブやリコリスのスパイス香、適度なオークのニュアンス。味わいのアタックはやや強めの酸、ミッドパレットに旨味のある果実味が広がり、タンニンは滑らかで酸に隠れている印象。綺麗な酸と旨味を感じる余韻はやや長め。
(3.3)
最も良く購入した2012年ヴィンテージは、結構閉じていることが多く、飲み頃が少し難しいと感じたデ・クロワですが、これは、ヴィンテージの恩恵もあるのか、結構外向的な薄旨系ワインでした。酸がもう少し落ち着いてバランスが取れれば、更に美味しくなるかと思います。
了