ヴォーヌ・ロマネのお気に入りの造り手のひとつ、ミシェル・グロのモノポール、クロ・デ・レアの2012年です。ヴォーヌ・ロマネの街中近くにあるこの一級畑は、グロ家のシンボル的な畑であり、ここから生み出されるワインは、華やかでエレガントなヴォーヌ・ロマネの特徴を備えているワインといえるかと思います。
父親のジャン・グロの引退とともに子供への畑の分割・譲渡が行わましたが、長男シェル・グロ氏は、トップキュヴェの特級畑リシュブールは、妹(フランソワ・グロ)に譲り、このクロ・デ・レアを選びました。グロ家にとってそれだけ重要な存在だと想像されます。
クロ・デ・レアは、ヴォーヌ・ロマネの一級畑の中で南東端に位置しており、三角形の形状の畑です。
名前のClosが示す通り石垣に囲われており、特に通りに面した2面は、背の高い石垣に囲われており畑は見えません。
↓僅かに開いた門から覗くと、こんな風に畑が広がっています。
数年前に2010年ヴィンテージを飲み、非常に印象的でしたが、今回は2012年です。どちらかというとオフヴィンテージの2011年と2013年と挟まれた年で、比較的評価も高いヴィンテージであったことから数方を買い込みました。
ミシェル・グロ ヴォーヌ・ロマネ・1er・クロ・デ・レア 2012年
2012 Michel Gros Vosnes-Romanee 1er Cru Clos de Rare
縁にややレンガ色の入った中程度のガーネット。
抜栓してまもなく開き出し、華やかな香りが漂う。ポイセンベリー、レッドチェリーのアロマ、ドライフィグ、ゼラニウム、セージ、グローヴ、リコリスやシナモン、紅茶、下草の熟成香が混ざる複雑な香りも。味わいのアタックに豊かだが熟したベリーやチェリーの果実味と相まって円やな酸。果実の凝縮度は中程度、きめ細かく滑らかなタンニン。余韻も長め。
(3.4)
何よりも、やはりヴォーヌ・ロマネの特徴である華やかな香りとエレガントな味わいが感じられる1本でした。思ったよりも熟成は進んでおり、今がピークと判断しますが、さらに熟成させれば、獣香や腐葉土等のさらなる複雑な香りが期待できるかと思います。前回飲んだ2010年に比べると凝縮度では少し劣りますが、香りでずっと楽しめるワインです。美味しい。スパイシーなチキンウィングとの相性は良好です。
クロ・デ・レアは、オー・ブリュレとともにヴォーヌ・ロマネのプルミエ・クリュの2枚看板的なワインですが、ワイン誌の評価的には、オー・ブリュレの後塵を拝してきました。しかし、最近は殆ど変わらない評価になっているようです(個人的には、どちらも好きですし、ニュイ・サンジョルジュの1erCruも安定して美味しいと思います)。以前は1万ちょっとで購入できましたが、最新ヴィンテージは、既に2万円を超えてしまったようで、ちょっと手を伸ばしにくくなってしまいました。ストックのヴィンテージを楽しんでいきたいと思います。
了