Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

ドメーヌ・リニエ・ミシュロ クロ・サン・ド二 2008年

ドメーヌ・リニエ・ミシュロのフラッグシップ、クロ・サン・ドニの2008年です。ラベルのヴィンテージが書き換えられたちょっと怪しいワインだったので、家飲みしましたが、綺麗に熟成しており、久々にクラシカルなブルゴーニュを味わうことができました。

ここ数年、目にすることが機会が多くなりましたが、この造り手、ボトルで飲んだのは、2度目(最初は、確かモレ・サン・ド二の村名だったと思います)で、グラン・クリュは初めてです。
以下は、ドメーヌに関するインポータ情報です。
現在の当主は1970年生まれのヴィルジル・リニエ氏。もともと祖父が1920年岱に畑を開墾し、ネゴシアンにブドウを販売することから始まり、1974年にモレ・サンドニにアン・ラ・リュ・ド・ヴェルジィの畑を購入してドメーヌを設立しています。2000年に父からドメーヌを引き継ぐと、畑をリュット・レゾネ(減農薬栽培)に切り換え、段階的に有機栽培へ取り組み、更に2006年からは全房発酵を導入しました。
ル・クラスマン(現レ・メイユール・ヴァン・ド・フランス)の2007年度版で、“Nouveau domaine et Domaine a suivre(初掲載かつ注目すべき生産者)”として紹介されており、さらに、ベターヌ&ドゥソーヴのル・グラン・ギド・デ・ヴァン・ド・フランスの2011年度版では3ツ星に昇格するなど、現在のブルゴーニュライジング・スターとして注目を集める造り手です。

ちなみに、リニエと言えば、ユベール・リニエが有名ですが、ジョルジュ・リニエを含め親族関係にあるようです。

クロ・ド・ラ・ロシュとクロ・デ・ランブレイに挟まれた、クロ・サン・ドニの畑ですが、4 つのリュー・ディに分かれています。クロ・サン・ドニ(2.18ha)、カロエール (1.29ha)、レ・シャフォ(1.33ha)、メゾン・ブリュレ(1.82ha)で、中心の標高は約290mになります。ちなみに、クロ・ド・ラ・ロシュやクロ・デ・ランブレイもそれぞれ、6つ、4つのリュ―・ディから構成されています。

クロ・サン・ドニの総面積は6.24 haほどで、リニエ・ミショロの所有区画は、わずか0.23hほどのようです。ちなみにデュジャックは1.5ha、ジョルジュ・リニエは1.4haですので、結構レアなクロ・サン・ドニかと思います。所有畑の詳細な位置か分かりませんが、HPでは、「斜面の底部」と書かれています。土壌は、リンと粘土を多く含む浅い茶色の岩状の石灰岩とのこと。

[2008] Domaine Lignier Michelot Clos Saint-Denis Grand Cru 

HPによると全房比率40-50%(年ごとに異なるのでこのヴィンテージの比率は不明)、
短時間のコールド・マセラシオン、新樽比率80-100%で12ヶ月熟成後、3ヶ月タンクで落ち着かせる。無濾過。

このワインですが、なんとラベルのヴィンテージが2007から2008年に書き換えられています。平行輸入もの(JIS)ですが、ワイナリーで書き換えたのか、インポータが書き変えたのは不明です。もちろん、わかって購入したのですが、初めて見ました笑。

外観は、中程度のガーネット。縁に向かってオレンジのグラデーションが見られます。
香りは、良く開いており、レッドプラム、ブラックチェリー、ブルーベリーの赤黒系果実、オレンジピールリコリス、ドライハーブ、バニラ、クローヴ、ナツメグ、焦がした木。長い熟成期間を経ていますが、新樽比率の為か、やや強めのオークを感じます。
イチジク、シナモン、紅茶、乾燥したブラックベリーや下草、土の心地よい熟成香。
味わいのアタックは2008年らしい高めの酸。ミッドパレットに熟した果実味が広がり、量は中程度ながらきめ細かく滑らかタンニンがアクセントになっています。アルコールはやや強めで、ミディアム+ボディ。グランクリュらしいストラクチャを感じられるワイン。心地良い、やや長めの余韻があります。

(3.7)

↓自家製の低温調理(63℃5時間)のローストポークといただきました。
旨味は抜群ですが、このワインに合わせるには、若干淡白なので、濃いめのソースが合いました。

ブルゴーニュ赤の2008年ヴィンテージは、所謂、酸の年で、個人的に結構酸の強さが気になっていた(このブログでも結構ネガティブな表現をしています)のですが、最近(2017~2020)のブルゴーニュ赤は、濃厚で甘みも強いものが多く、相対的に酸が足りないと感じるものが結構多いので、このようなクラシッカルなワインに出会うとホットします。
自身の好みもちょっと変わってきたような気がします。