2024年11月に開催された「ブルゴーニュ栄光の3日間」に参加しました。まずは、11月15日と16日にボーヌ郊外のパレ・デ・コングレの大ホールで開催された大試飲会の様子です。入場料のみで、試飲放題ということで、お手頃な価格のワインが提供されるのかと想像していましたが、ちょっと驚きの試飲会でした。
年に1回開催されるブルゴニューのお祭り「栄光の3日間(Les Trois Glorieuses)」は、今年で164回目にになります。「栄光の3日間」は、毎年11月第3週末と決まっていますが、この週末というのは、金・土・日と思っていましたが、正確には、土・日・月の3日間で、この試飲会が始まる金曜日は前夜祭の位置付けのようです。ただ、月曜のイベントは、ムルソーでのブドウ栽培者による大昼晩餐会なので、実質的には、土曜日とハイライトのオスピス・ド・ボーヌのオークションが開催される日曜日がメインといえるかと思います。
試飲会の会場となったパレ・デ・コングレ(Palais des Congrès)はボーヌの中心部から徒歩で25分ほどの場所にあります。大きな駐車場もありましたが、存分に試飲したいので、初日は徒歩で訪れました。
大きなホールの会場内の試飲ブースは、84のアペラシオン別に分かれており、約3000種類ものワインが提供されていたようです。
試飲会は、15日(金)と16日(土)に開催されましたが、15日は、午前中が業界関係者向けで、一般向けの入場は、15日の午後2時からスタートしました。ちなみに、参加費(試飲料)は、事前購入で28€/日(当日は35€)、2日券が50€でした。今回は、2日券を購入しました。
会場入口で、リストバンドを付けてくれます。2日で色違いのバンドです。
↓会場に入る前にテースティンググラス(持ち帰れます)を受け取りますが、マイグラスを持ち込んでいる来場者も結構いました。
↓こちらは、大試飲会初日の金曜日の一般オープン直後の様子です。この頃は、会場は、まだ混み合っていません。
↓入口近くにクレマン・ド・ブルゴーニュのブース。まずは、ここで泡を頂きます。
まず、白ですが、ひと際人だかりができていたのが、シャサーニュ・モンラッシェの試飲ブース。行ったときには、グラン・クリュはありませんでしたが、お気に入りのギィ・アミヨのプルミエ・クリュがずらりと並んでいます。ここのワイン、2・3年前まで結構買っていましたが、最近は、もう1万円前後では買えません。
↓レ・カイユレです。ここも、日本では、2万円を超えてしまいました。凝縮した果実味と酸のバランスが素晴らしいプルミエ・クリュです。
↓レ・ヴェルジェです。価格とのバランスを考えれば、個人的にはシャサーニュでベストなプルミエ・クリュだと思います。
↓ピュイニー・モンラッシェのブースにて。
ポール・ペルノのプルミエ・クリュ、フォラティエールです。よく見ると2017年のヴィンテージ記載が無理やり2024年に書き換えられています笑。
さすがに、この特別な大試飲会ならでは。今年(2024年)の新酒が結構出品されています。当然なが熟成前で、フレッシュな酸が前面に出た味わいです。
↓ムルソーは、プルミエ・クリュ含め、かなり多くの生産者のボトルが出ていました。
↓グラン・クリュは、コルトン・シャルルマーニュが結構試飲できました。↓シャブリもグラン・クリュの試飲ができました。
↓ヴォルネイも有名どころが並んでいます。
↓後日、ドメーヌ訪問したティエリー・グラントネイです。ドメーヌで試飲したのは、2023年ヴィンテージですが、こちらは、2024年ものです。
当然ながら、香りは完全に閉じており、味わいは酸とタンニンが強く、良さは直ぐには理解できません。
↓シモン・ビーズのサヴィニー・レ・ボーヌ・オー・グラン・リアールです。過去によくお世話になりました。こちらは2021年(右)と2022年(左)です。今回唯一、ヴィンテージ違いを試せました。色合いにも結構違いが出ていますが、2021年は淡く、冷涼でエレガント、2022年は、果実味たっぷり、ここのこのワインとしては、結構濃いです。
↓シャンボール・ミュジニーの試飲ブースも人気です。
↓入手困難な、あのワインも試飲できました。
↓極めつけは、これ!2020年は日本では、とうとう20万円を超えてしまいました。1日目は、上の写真のシャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュが出ており、このミュジニーは、2日目に提供されましたが、あっという間になくなりました。幸いにも2回リピートできました。
この2020年ですが、ボルドーを思わせる黒っぽい色合いに、まだ紫色を残しています。凝縮した果実味が凄いですが、タンニンもかなり多く、さすがのポテンシャルを感じますが、早すぎます。飲み頃まで、あと何年かかるのでしょうか?
↓ジュヴレ・シャンベルタンの試飲ブースです。
↓クロード・デュガ、マルク・ロワのキュヴェ・アレクサンドリア、バシュレ、そして、今回、(実現しませんでしたが)訪問の候補に挙げていたリップ・ポワロー(右下)です。
ちょっと注目したのが、ジュヴレ・シャンベルンの新星、ル・ゲレック・デュクエ(Le Guellec Ducoet)、ちょっと覚えにくい名前です笑。
ドメーヌ・アンリ・マニャンの当主のシャルル・マニャンが、「間違いなく凄い生産者になるから」と熱烈に薦てくれた新星ドメーヌという触れ込みに惹かれて、6月に2022年を購入していました。
今回は、暑い年といわれる2023年のヴィンテージでしたが、色は別として、ジュヴレらしい重さはなく、非常にエレガントな滑らかな味わいで、今飲んでも美味しさが分かるちょっと印象的なワインでした。特に、左の手書きで「93」と書かれたワインはとても興味がありました。
購入した2022年は未だ飲んでいませんが、今後も追いかけてみたいドメーヌです。
↓ニュイ・サンジョルジュの試飲ブースです。
ティボ―・リジェ・ベレールのレ・ニュイ・サンジョルジュ2023年です。このワインも結構、高くなってしましました。2023年は、どれくらいの価格でリリースされるのでしょうか?
↓ドメーヌ・ラルロの看板モノポールです。後日、ドメーヌを訪問し、樽からの2023年を試飲しましたが、ここでは2024年の新酒がテースティングできました。紫色。流石にマロラクティック発酵(MLF)が終わっていないワインなので、厳しい酸がありますが、酸やタンニンの後ろに凝縮した果実味が感じられました。
↓モレ・サンドニのグランクリュ。アルローのクロ・ド・ラ・ロシュとジョルジュ・リニエのクロ・サンドニです。
↓ヴォーヌ・ロマネの試飲ブース、流石に人気で、常に試飲を待つ人だかりができていました。
↓ヴォーヌ・ロマネはとにかく飲みまくりました笑。
↓グラン・クリュのエシェゾーやクロ・ヴージョも
聞くところによると、DRCのワイン(銘柄不明)も登場していたようです。おそらく、初日午前の業界関係者向けだったと思います。
↓こちらは、比較的空いているボジョレのブースです。
珍しいボジョレ白が試飲できました。
↓ボジョレ・ヌーヴォーも飲めました。ちなみに解禁日は、4日後の木曜日ですので、完全なフライングです笑。
↓結構複雑で印象的だったクリュ・ボジョレ、ムーラン・ナヴァンのワインです。LE NIDというワイナリーですが、日本には入っていないようです。後で調べたらVIVINOで4.0と高評価でした。
↓会場の中心には、香りのサンプルが並んでいました。
同様なものが、ボーヌに最近できたワイン博物館にもありました。
ワインの試飲がメインですが、試飲ブースの周りには、ワイン関連商品の展示もありました。
↓こちらは、裏ラベルに見えない電子タグが組み込まれているようで、スマホをかざすとそのワインに関する情報を閲覧することができます。
↓ラベルのデザイン会社でしょうか?今回のポスター制作を手掛けたようです。ポスターのモデルに似ていたので、本人かと聞いたら、否定されました。
一般向けで、これだけ充実した試飲会は経験たことがありません。とにかく、ブルゴーニュワインラヴァーにとっては、まさに至福の試飲会でした。
ただただ飲みまくっていたので、個々のワインについて、メモを取る暇もほとんどありませんでしたが、結構出品されていた2023年の赤については、概ね良い印象を受けました。プルミエ・クリュクラスでも、割と早くから飲めるように思われました。2024年については、マロラクティック発酵前なので、さすがに酸が強く、タンニンも暴れているものも多く、正直、私のテースティング能力では良し悪しは分かりませんでした。
今回、後日の3つのドメーヌ訪問で2023年ヴィンテージの試飲がじっくりできましたので、ご興味のある方は、そちらもご覧ください。
後編では、日曜日に行われたオスピス・ド・ボーヌの試飲会とオスピスのチャリティオークションについて書きたいと思います。
了