2/7~2/16の10日間でイタリアのコルチナ・ダンペッツォのスキーツアーに参加しました。コロチナを含むドロミテ・アルプスに広がるスキーエリアは、スーパー・ドロミテと呼ばれ、12のスキーエリア、リフト・ゴンドラ450基、コース総延長1220kmに及ぶ世界最大級のスキーエリアです。コルチナ・ダンペッツォは、来年(2026年)のミラノ・コルチナ冬季オリンピックの会場でもあります。
海外スキーは、20~30代にかけてヨーロッパを中心に10回以上経験していますが、今回は、最後に訪れたフランスのトロア・バレー以来、実に28年ぶりになります。ドロミテ・スキーエリアは、初めて訪れました。
このブログでは、スキー場での体験を前編と後編で、さらにドロミテステイ編として、ワインや食を中心としたコルチナ・ダンペッツォでの滞在ついてに書きたいと思います。
まず、ドロミテスキー①(前編)は、トファーナとファローリア&クリスタッロのスキー場とセッラロンダです。
1日目&6日目(トファーナ)
スキー初日は、ファットリアと共にコルチナ・ダンペッツォから最も近いスキー場、トファーナ(Tofana)スキーエリアです。こちらは、最終日にも滑りました。
このスキー場のベースから出ているゴンドラです。ゴンドラベースには、コルチナ・ダンベツィオから歩いて行ける距離ですが、街を周回しているスキーバスで向かいました。今回、友人と2人で参加したツアーは、ガイドを除き計12人のパーティーでした。半分に班分けをして、ガイドとともに滑ります。あいにく両日とも天候は悪く、青空は望めませんでしたが、雪質は悪くありません。
↓トファーナには、1956年のコルチナ・ダンペッツォ・オリンピックで銀メダルを獲得した日本人初の冬季オリンピックメダリスト猪谷千春さんが滑ったコースがあります。
また女子ワールドカップの滑降・大回転コースもあります。
↓こんな感じで大きな岩の間を滑り降りてくるコースです。こちらは、最終日に滑りましたが、かなりの斜度があります。
ちなみに、手前のオブジェのリスは、コルチナのシンボルマークでもあります。↓上から見るとこんな感じです。途中で転倒すれば、かなりの確率で下まで滑り落ちます。
眼下には、コルチナ・ダンペッツォの街並みが見えます。↓中腹部にはこの様な林間コースが広がります。背後の迫力のある岩山がちょっと日本のスキー場では見られない光景です。
初日のランチは、ゴンドラの終着点(1770m)にあるCOL DRUSCIEというところにあるレストランです。このレストランの1階は、日本でも有名なヴェネトのトップワイナリーのMASIのワインバーがあります。
初日のランチは、カルボナーラ。かなり濃厚でした。
合わせたワインは、地元のCastelfenderというワイナリーのシャルドネです。ヴェネトではマイナーな品種かもしれません。↓6日目のランチはこちら。
DUCA D'AOSTA(2098m)にあるレストランです。実は、前日にガイドさんからここは、ルーベリーソースのパスタが有名と聞いていたのですが、すっかり失念しており、グーラッシュ(ハンガリー式シチュー)をオーダーしました。黄色いのは、マッシュポテトではなく、ポレンタ(Polenta)と呼ばれるトウモロコシ粉を使ったコルチナの名物料理です。
イタリアのデザートといえば、これ。ティラミスです。やはりエスプレッソとの相性が抜群ですね。
↓トファーナスキー場の最上部には、RA VALLESという、エリアがあり、非常に雪質の良いバーンのようで、最終日はここを目指しましたが、強風のためにロープーウェイが止まっており、残念ながら滑ることはできませんでした。
2日目(ファローリア&クリスタッロ)
2日目のファローリア(Faloria)&クリスタッロ(Cristallo)は、トファーナの東側に広がるスキーエリアです。トファーナ同様、巡回スキーバスでケーブルカーのベースに向かいます。
この日も相変わらずの曇り空ですが、少し雲の薄い部分も見られ期待が持てます。右側がファローリア、左がクリスタッロです。
↓2000mを超えると雲が薄くなり、山々が神々しい姿を現します。
↓やっと青空も見れました!
↓月曜の朝は、スキーヤーも少なく、日差しが射す幻想的な雰囲気のなかで、すばらしい雪質の圧雪斜面を気持ちよく滑れました。
クリスタッロに向かう長いリフトです。
↓リフトの支柱には、PRADAの文字が。このスキー場のスポンサーのようです。
↓2215mの頂上からは、青空が臨めました。
この右側に、クリスタッロ山(3216m)が臨めるはずですが....この日のランチは、ここ2215mの地点にあるSON FORCAの山小屋レストランです。
クリスタッロには、1980年代から1990年代にかけて一世を風靡したアルベルト・トンバが練習したコース(↓この写真中央のコースだったと思います)があります。今はリフトが稼働していないようです。
そんな関係もあり、このレストランには、彼の写真や使用したスキーが飾られています。
ここでオーダーしたのは、カスンツィエイ(CASUNZIEI)という郷土料理です。
ラビオリのようですが、皮が薄く、ビーツとリコッタチーズが詰め物として入っており、オリーブオイルとチーズがかかっています。これは、美味しい!今回、ゲレンデで食べたランチとしては、一番のお気に入りです。
ヴェネトの銘酒、ソアーヴェとの相性も抜群でした。
3日目(セッラロンダ)
3日目は、今回のツアーのハイライトイベント、セッラロンダへの遠足です。
これは、セッラ山塊の周りをスキーで一周するというもので、ドロミテ・スーパースキーで最も人気のあるイベントのようです。セッラロンダのコースは、アルタ・バディア(ALTA BADIA)、ヴァル・ガルデーナ(VAL GARDENA)、ヴァル・ディ・ファッサ(VAL DI FASSA)、アラッバ(ARABBA)という4つのスキー場に跨っています。
↓セッラロンダは時計回り(オレンジ)と反時計回り(緑)のコースがありますが、今回は時計回りのコースです。
スタート地点は、アルタ・バディアのコルバラ(CORVARA)という村で、ここは、ヴェネト州ではなく、トレンティーノ・アルト・アディジェ州に位置します。滞在地のコルチナ・ダンヴェッツィオからここへは、ツアー会社(フェロートラベル)手配の専用車で1時間ほどかけて向かいました。
↓スキー場の案内板には、リフトや各コース以外に、オレンジ色(時計回り)のSellarondaの案内があり、忠実にこのとおりにゴンドラ・リフトを乗り継いでいけば、1周できるようですが、実際には分岐が結構複雑なので、初めて来てガイドなしで効率的にまわるのは結構難しいかと思います。↓雪こそ降っていませんが、天気は相変わらずパッとしません。
Bec de Roces(2160m地点)あたり。本来は、素晴らしいセッラ山塊を見ながら滑るはずなのですが、残念ながらほとんど雲に隠れています。いくつかのゴンドラやリフトを乗り継いで、ARABAのスキーアリアに向かいます、ここから、80人乗り標高差873mのケーブルカーで、ポルタ・ヴェスコヴォ(PORTA VESCOVO)に上ります。ここのトップは、2500m近い標高があり、雲海を超えると、景色は一変しました。
セッラ山塊のなかでも、ひときわ高いPiz Boè山(3151m)が雲海の中に浮かびあがっています。
山頂のレストランは、久々の太陽のもと、写真を撮ったり日光浴を楽しむスキーヤーで賑わっていました。
初めての晴天にテンションがあがります。
この日のランチは、PIZ SETEUR(2063m)の山小屋です。この時点で、アルタバディアを起点とする時計回りのセッラロンダは半分以上周ったことになります。
ミラノ風カツレツをオーダーしました。子牛のロース肉を揚げたカツですが、皿からはみ出るわらじサイズで、ちょっと躊躇しましたが、非常に薄く、衣もサクサクなので、美味しく食べられます。やはり、この料理には、冷たいビールがよく合います。
↓お決まりの(笑)ティラミス
↓ランチ後、ヴァル・ガルデナのスキー場を経て、出発点に向かいます。
2000mを切ると、やはり雲が....コルフォスコ(COLFOSCO)の緩斜面にかからるチェアリフト。このリフトには乗りませんでしたが、よく見ると日本では見ない8人乗りです。
別なところ(オブジェ)で撮影したものです。一席空いていますが、こんな感じです。
今回のセラロンダ、最後は、出発点のコルバラがゴールです。
↓ちなみに、これは、今回ツアーに参加された方が記録していたデータロガーの画面です。見事にセッラロンダのコースがトレースされています。距離数は、リフト等での移動距離も含まれているようです。
ツアー前半は、終始雲がかかった曇天でしたが、雲の上から見え隠れする山々の姿は非常に印象的でした。
「イタリア・ドロミテのスキー編②」では、シヴェッタとアルタバディアのスキーについて、書きたいと思います。
了