Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

リオハ・ヴェガの白ワイン

最近のお気に入りのスペインの白ワインです。
リオハ・ヴェガ、名前のとおりリオハのワイナリーです。リオハといえばスペインの土着黒ブドウ品種、テンプラニーリョの赤が有名ですが、今回は、このワイナリーが造っている珍しいテンプラニーリョの白ワイン2種を紹介したいと思います。また、ガリシアにある兄弟ワイナリーが造るアルバリーニョについても書きたいと思います。

以下は、インポーターによるワイナリー情報になります。

ボデガス・リオハ・ベガは1882年にリオハで設立された伝統あるワイナリーです。スペインでDOの原産地呼称制度が誕生する(注:1947年のことです)前よりワイン造りを行っていたため、ワイナリー名にDO名である“リオハ”を使用することができた数少ないワイナリーです。ちなみに“ベガ”は琴座にある星の名前で、コストパフォーマンスの高いワインを作りだす「リオハの輝ける星」という意味に由来しているようです。

リオハ・ベガは、テンプラリーニョを中心にスペインの土着品種からのカジュアルワインを中心に生産しているワイナリーです。赤は過去に飲んだ記憶はなかったのですが、2年前に初めてテンプラニーリョの白ワインを飲んで、非常に印象的だったのが、このワイナリーのテンプラニーリョ・ブランコ・レゼルヴァです。
生産量や輸入量(日本では重松貿易が輸入)が限られているようで、その後は、頻繁に飲むことはなかったのですが、比較的流通量の多いスタンダード・キュヴェの存在を知り、価格も手頃だったことから、最近の我が家のデイリー白ワインに加え始めています。

テンプラニーリョ・ブランコは、1988年に黒ブドウのテンプラニーリョ種の突然変異で生まれた品種で、それ以来、研究が重ねられ2007年に認可されています。リオハ・ヴェガ以外もいくつかの生産者が、この白ワインを造っていますが、希少なワインであることには変わりありません。

今回は、リオハ・ヴェガのテンプラニーリョ・ブランコのスタンダード・キュヴェとレゼルヴァを飲み比べてみました。

まずは、レゼルバです。過去2018年、2019年を飲んでおり、今回は3ヴィンテージ目の2020年です(2018年については過去にもアップしています)

Rioja Vega Tempranillo Blanco Reserva 2020


夜明けに手摘みで収穫。フランス産とハンガリー産のオーク樽で30日間かけてアルコール発酵、6か月のシュールリー樽熟成の後、フレンチオーク新樽で1年間、瓶内熟成1年間。生産量は、1248本と極少数のようです。
ちなみにリオハの白でレゼルヴァを名乗れる規定は、6ヶ月以上の樽熟成期間を含む24ヶ月熟成以上です。

レモン、ライム。グレープフルーツの柑橘果実や青リンゴ、洋梨にパイナップル、黄桃の黄色果実、アカシア、ハチミツ、レモンバーム。石灰からのミネラルにバター、バニラやココナッツ、ナツメグの強めのオーク香と僅かな紅茶葉のニュアンス。味わいのアタックには強めの酸を感じ、ドライながら中盤に厚みのある完熟した果実味が広がり、レモンピールのやや苦みを伴うやや長い余韻に続きます。

ブラインドで飲めば、ブルゴーニュのプルミエ・クリュと答えそうなワイン。シャープな酸からは、ピュイニー・モンラッシェを、オークの利いたまろやかな口当たりとミネラルからは、ムルソーを想起させます。

(3.6)

意外にも中央の完熟トマトとモッツアレラのコロッケが良く合いました。

続いて、今年初めて飲んだ、スタンダード・キュヴェです。

Rioja Vega Tempranillo Blanco Edicion Limitada 2023


(レゼルヴでない)スタンダード・キュヴェながら、ラベルにロットNoが入ったリミテッド・エディション(限定生産)という位置づけのようです。
シュールリー樽熟成の後、フレンチオークで6ヶ月熟成。

輝きのあるやや淡い黄金色の外観。レゼルバに比べわずかに淡い色調。
柑橘系果実、青リンゴや洋梨の緑色果実とパイナップル、黄桃、白い花、フレッシュハーブにバニラやココナッツの香りは、レゼルバと同じですが、樽熟成期間が短い分、オーク香は少し控えめです。
味わいはいきいきとしたフレッシュな酸、厚みをもつ果実味はシュール・リーの恩恵もあるのでしょうか?心地よい苦みを伴う中程度の長さの後味。

レゼルバに比べると複雑さ、厚み、余韻の長さは僅かに劣りますが、オークが控えめな分、飲みやすく、何よりも2K円台前半という価格(レゼルバは5K円前後)が魅力的です。デイリーワインとしては十分に満足できるレベルです。

(3.4)

ハマグリの酒蒸しと合わせましたが、シンプルな貝料理には、樽香がちょっと邪魔かなという印象。後述のアルバリーニョとの相性がベターかと思います。

スペインの土着白品種といえば、アイレンやマカベオ、ベルデホ等を思い浮かべますが、どちらかというと早飲みのライトボディという印象です。それに比べ、この樽に負けないちょっとした骨格を持つテンプラニーリョ・ブランコはちょっと異色な存在のように思います。お薦めです。

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最後は、アルバ・ヴェガのアルバリーニョです。

アルバ・ヴェガは、リオハ・ヴェガのオーナであるフェリペ・ウガルデが買収したガリシアのワイナリーのようです。
産地は、リアス・バイシャス。リアス・バイシャスは、大西洋に面する地域と川沿いの内陸の5つのサブリージョンからなっていますが、こちらの畑は、海岸線上に位置するヴァル・ド・サルネス(Val do Salnes)という最も酸の高い上質のアルバリーニョワインを産するリージョンに位置しているようです。

Alba Vega Albariño 2023


シンプルなラベルですが、中央ににサンティアゴ巡礼のシンボルであるホタテ貝がデザインされています。

僅かに緑がかった中程度のレモンイエロの外観。
レモン、ライム、グレープフルーツの柑橘果実、青リンゴ、パイナップル、果樹の白い花、フレッシュハーブの香り。アタックに活き活きとした酸。ドライながら比較的厚みのある熟度果実味に塩っ気を感じる苦みの余韻。
アルバリーニョのワインは、お気に入りで、大抵セラー内に置いていますが、このワイン、典型的なアルバリーニョの特徴が良く出ていると思います。2K円前後の価格も魅力的です。

(3.2)

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マグロの刺身と合わせましたが、割と厚みがあるので、今の季節、稚鮎の天ぷらとかもピッタリかと。

リオハ・ヴェガとアルバ・ヴェガの白、価格的にはカジュアルラインながら、なかなか魅力的なワインでした。赤を含め、リオハ・ヴェガの他のワインもトライしてみたいと思います。

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