Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

最近飲んだワインから(2025年3月)

2025年3月に飲んだワインの記録です。
家飲みは、相変わらずブルゴーニュ中心ですが、特に印象的だったのが、ピアッジャ カルミニャーノ リゼルヴァ 2019。滑らかな口当たりの美味しいサンジョベーゼでした。ブルゴーニュでは、久しぶりのブルーノ・クラヴリエのヴォーヌ・ロマネ 1er・ オー・ブリュレ V.V.2013です。

Hospices de Beaune Pommard Cuvée Raymond Cyrot 2011

ラベル表記から、大阪の株式会社徳岡さんがオスピス・ド・ボーヌで落札し、大手ネゴシアンのフィリップ・ブシャールにエレバージュ(熟成)を委託していたワインと思われます。

縁にレンガ色が入る中程度のガーネット。
ラズベリーアメリカンチェリーの赤系果実に少しドライレーズンの香り。リコリスフェンネルの甘いスパイス香。ダージリンのミルクティに林床やスーボアの熟成香。
味わいのアタックに強めの酸。滑らかながらやや多めのタンニンが感じられスパイシーさが強調されている。余韻は中程度。
オスピスは、新樽に入った状態で引き渡されるので、弱い年の村名クラスでは、やや果実味が負けてしまう傾向があるようですが、十分な熟成で、それほどバランスは悪くありません。美味しいですが、最後まで高めの酸が少し気になりました。

(3.2)

ちなみにテーブルシートは、オスピスのショップで購入したものです。

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Jean Fournier Marsannay Les Longeroies Rouge 2017

マルサネ村北部に位置するマルサネで最も優れた畑の一つとして知られているレ・ロンジュロワで、1級昇格候補にもなっています。シルヴァン・パタイユ、ドニ・モルテ、ブリュノ・クレール、コワイヨ等、錚々たる造り手が所有しているようですが、ジャン・フルニエが最大の所有者のようです。平均樹齢40年の古樹。ピノ・ノワール98%に、ピノ・ブーロ(ピノ・グリ)2%のブレンド。60%除梗、40%全房。新樽率40%で600L、228Lの木樽で18ヶ月熟成。やや濃いガーネットの外観。ラズベリーブルーベリーやチェリーコンポートの甘い果樹香。薔薇、リコリス、ドライハーブ。味わいは、甘酸のアタック、やや酸が強め。中程度のタンニンは滑らか。熟度を感じる赤黒果実味が口中に広がります。
このワインは、リリース直後に何度か飲みました。当時は、結構濃厚に感じましたが、その後3年が経ち、凝縮した果実味はやや落ち着いて、その反面、少し酸が目立ち始めている印象ですが、僅かに紅茶葉のニュアンスの熟成香も感じられ、良い感じに熟成しています。

(3.2)

後日、セラーに置き忘れていた2016年のマルサネ・エ・シェゾも飲みました。
上記と同時に比較した訳ではありませんが、酸・果実味・タンニンのバランスから、今飲むのであれば、こちらの方に軍配は上がるような気がします。2016・2017ともに、購入当時は4K円程度で、コスパの良さに結構嵌りましたが、最新ヴィンテージは倍近くになってしまったようです。ただ、同時期に良く飲んでいたシルヴァン・パタイユは、14K円近い価格になってしまったので、それに比べれば、未だ価格は抑えられているようです。

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Clos des Fous Pour Ma Gueule Pinot Noir 2022

最近よくネットで目にするチリのクロ・デ・フによるカジュアルラインのピノ・ノワールです。フランス語で「私のために」の意味を持つワイン。
コンクリートタンクで9ヶ月熟成後、12ヶ月便熟成。樽は使用していないようです。やや淡いラズベリーレッド。
フランボワーズ、ラズベリー、サワー(レッド)チェリーの甘やかな赤い果実が、抜栓直後から香ります。アタックに中程度の酸、すぐに熟したチャーミングな果実が広がり、円やかなタンニンが苦みとなり余韻に続きます。複雑さはありませんが、決して薄甘のワインでなく、心地よい飲み心地は、デイリーワインとして、これは、ありかと思います。

(3.0)

この記事を書く直前に、2023年ヴィンテージも試しました。
こちらは、さすがに抜栓直後は若さを感じ、ベリー系よりも、アセロラや梅紫蘇の香りに少し舌に刺激的な微発砲的なニュアンスありましたが、2日目は、2022年同様の心地よい味わいに落ち着きました。熟成を期待するようなワインではありませんが、2023年に関しては、もう数ヶ月置いた方が良いかもしれません。

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Maison de Grand Esprit La Mystèriale Santenay 1er Cru 2017

メゾン・ド・グラン・エスプリは、オーストラリアのトレジャリー・ワイン・エステーツが、2018年にアジア向けに発表した新ブランドのようで、フランス有数のワイン醸造地であるボルドーブルゴーニュ、ローヌ、プロヴァンス産のワインをひとつのブランドに統合し展開することを狙ったプロジェクトとのこと。トレジャリー・ワインはオーストラリアの大手トップ3の1社で、ローズマウントやペンフォールド、ベリンジャーなどオーストラリアや米国の有名ワイナリーを傘下に置いています。ちなみに、他の2社は、アコレード・ワインズとイエローテイルで有名なカセラ・ファミリー・ブランズです(ソムリエ協会の教本にも掲載されています)。
プロジェクトは、6年で終了し、現在、終売価格でいくつかの銘柄が流通しています。これは、そのひとつのサントネイのプルミエ・クリュです。おそらく唯一のブルゴーニュの銘柄かと思います。やや淡いガーネットの外観。香りは、華やかに開いており、ラズベリーアメリカンチェリー、リコリス、シナモン、僅かにバニラ。林床、スーボア、紅茶の熟成香も感じられるが凄く複雑という訳ではなく、各要素が適度にバランスよく纏まっている印象。酸は、結構しっかりしており、時間と共に高く感じられる。タンニンは中程度で質感は滑らか。果実味の厚さは中庸で、ヴィンテージの割に熟成が進んでいるような感じ。
このワインは、別々に購入した3本を購入しましたが、最後の1本はやや果実味が後退している印象でした。おそらく保管上の問題かと思います。
ブルゴーニュのプルミエ・クリュを期待して飲むとちょっと肩透かしかもしれませんが、終売価格とは言え、4K円以下で購入できるので、正真正銘の熟成ブルゴーニュとしては、コスパは高いと思います。

(3.1)

次に同じプロジェクトのボルドーです。

Maison de Grand Esprit La Mystèriale Médoc 2016

やや濃いガーネットの色調。カシス、ブラックベリー、ブラックチェリの黒系果実に樽熟由来のシダー、焦がした木、ナツメグ、グローブ。アタックに中程度の酸。やや甘さを感じる果実味。柔らかなやや控えめなタンニン。メドックというより、南仏のボルドースタイルのワインのよう。中重口で、深みは感じないが、カジュアルに飲むには下手なボルドー金賞ワインよりはお薦め。万人向を狙ったプロジェクトかと思います。現在、1000円台前半の価格で流通しており、こちらもコスパはそこそこ高い。

(3.0)

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Tollot Beaut Bourgogne Rouge 2022

昨年秋にドメーヌを訪れたトロ・ボーのブルゴーニュ・レジョナルワイン。良年の2022年ということで、ドメーヌで購入した3本のグランクリュに加えて、日本で殆どの銘柄を買い足しました。村名以上は、愉しむのには早すぎると思い、まず、レジョナルを開けてみました。やや濃いめのルビーレッドの外観。深みのある色調で、中心はまだ黒っぽい。
抜栓直後の香りは、やや控えめだが、オーク香が漂う。レッドプラム、アメリカンチェリー、ブラックベリーの赤黒果実。薔薇、ドライハーブにバニラ、ナツメグクローブ。味わいのアタックはやや強めの酸。熟度の高い果実味が感じられるが、まだオークが前面に出ておりスパイシーな味わい。タンニンは中程度だが、既に滑らか。余韻は中程度。2日目は、タンニンも落ち着き、果実の甘味をより感じるように。

(3.2)

少し前に飲んだ、アンブロワーズブルゴーニュ・キュヴェVV2022年も例年よりややオーク香の目立つレジョナルでしたが、厚みのある果実味は、こちらに軍配が上がるように感じました。いずれにせよ、2022年のトロ・ボー、レジョナルでも半年くらいは寝かせるか、十分にエアレーションを行った方が楽しめるかと思います。

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アンブロワーズブルゴーニュ・ キュヴェ・ヴィエーユ・ヴィーニュです。

Domaine de Montille Beaune 1er Cru Les Sizies 2014

ボーヌの北西、1級畑が集まるエリアのほぼ中心に位置する粘土質の畑。あまり聞かない畑ですが、13世紀にこの畑を所有していた当時のボーヌ町長の“ルノー・デ・スシィ”に由来するという説があるようです。他にジョセフ・ドルーアンも所有しているようです。縁にわずかにレンガ色が見られるやや淡いガーネット。
ブルーベリー、アメリカンチェリー、ドライハーブ、スミレ、ナツメグ
味わいは、やや高めの酸、厚みはないが、柔らかい果実味。ドライで冷涼さを感じる。滑らかな中程度のタンニン。この造り手らしく、柔らかい抽出が感じられるエレガントなブルゴーニュ。良い感じの熟成感で、時間と共に腐葉土の香りも顕れる。

(3.2)

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Nicolello Langhe Nebbiolo 2010

良年2010年のバローロは滅多に手に入らず、見つかってもとんでもなく高価ですが、こちらは、最近、某ショップのセールで1600円ほどで購入したネッビオーロ古酒です。
ニコレッロは、1900年初頭にランゲとロエロの丘陵に設立されたピエモンテの伝統的ワイナリーです。縁に熟成を感じさせるレンガ色が混ざる中程度のガーネット。
レッドチェリーに赤いドライフルーツ、ドライハーブ、リコリスホワイトペッパーの冷涼さを感じる香り。味わいは、ドライでアタックに高い酸を感じる。タンニンは未だ多く感じるが、収斂性はなく、きめ細かい。中程度の余韻に紅茶葉のニュアンス。

(3.1)

バローロのような華麗な香りや深い味わいには欠けますが、価格を考えるととてもお買い得なネッビオーロ古酒でした。

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Xavier Monnot Pommard Les Vignots 2017

1723年から続くムルソーの老舗ドメーヌの。日本での知名度は正直低いと思いますが、昨年ボーヌを訪れた際に、市内のショップでよく見かけました。国内中心で輸出の割合が低いのかもしれません。
この畑で真っ先に頭に浮かんだのが、ドメーヌ・ルロワ(赤キャップ)のポマール・レ・ヴィーニョです。10年以上前に何度か飲みましたが、最近は全く手の届かない存在になっています。ちなみに、この畑のルロワを最後の購入した記録を調べたら、2009年で、1989年のヴィンテージを28,650円で購入していました。Winesercherで調べると41万円となっています!
そんな、思い出を持って、ザヴィエ・モノのポマール・レ・ヴィーニョを飲みました。艶のある中程度のガーネット。ラズべりやレッドチェリの赤系果実、ドライローズ、リコリス、シナモン。味わいのアタックは柔らかな酸。甘やかな果実味。タンニンは中程度でシルキー。このヴィンテージにしては凝縮した果実味が感じられ、豊かな果実味を酸とタンニンが支えている印象で、柔らかな抽出から旨味も感じられる。欲を言えば、もう少し酸が欲しいが、時間と共に更にバランスが取れてくる印象。未だ熟成感は控えめだが、今飲んで十分に美味しい。

(3.3)

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Piaggia Carmignano Riserva 2019

今月飲んだ中で、最も印象的であったワインです。
カルミニャーノは、1716年にトスカーナ大公のコジモ3世が原産地呼称を線引きした際にキャンティなどとともに指定されたワインで。1991年にDOCGに指定されています。キャンティに比べて生産量が圧倒的に少ないため、知名度は低く、目にする機会は少ないと思います。黒みがかった濃いダークチェリーレッドの外観。
カシス、レッドプラム、ブラックチェリーの甘い赤黒果実の香り。ローズ、アニスの少しエキゾティックな香りも。樽からのバニラ、リコリス、ナッツメグ、レザーにアーシーな香りも加わり複雑。アタックの口当たりはすごく滑らか。サンジョベーゼらしい高い酸。タンニンは豊かだがシルキー。良く熟した赤黒果実が口中に広がり、余韻も長い。アルコールの高さを感じるが、濃い一辺倒のワインではなく不思議にエレガントさも感じるのは、滑らかな口当たりのせいか?

(3.6)

カルミニャーノのワインは、おそらく初めてだったかと思いますが、これは美味しい!
思わず、リピートしました。

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Frédéric Magnien Chambolle Musigny 1er Cru Les Sentiers 2008

様々なアペラシオンのワインをリリースしているフレデリック・マニャン、シャンボール・ミュジニーもいくつかの1級畑のワインを見かけますが、この畑は初めて見ました。Winesercherを見ますと、2014年以降の記録がないので、おそらく現在は、リリースされていない銘柄と思われます。
こちらは、昨年テラヴェールさんからリリースされたバックヴィンテージです。縁にレンガ色のグラデーションが見られる中程度のガーネット。細かい澱からの濁りがあります。抜栓直後の香りはやや控えめ。30分ほどで、ブルーベリーやアメリカンチェリー、スミレ、リコリスカモミールクローブ。味わいのアタックは、2008年ヴィンテージらしい高めの酸、柔らかい果実味にスパイスと土のニュアンスが加わる。
ほどほどの熟成感はあるが、期待したほどの古酒の妖艶さは感じられない。

(3.2)

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Bruno Clavelier Vosne Romanée 1er Aux Brûlées Vieilles Vignes 2013

ブルーノ・クラヴリエ、語れるほど飲んでるわけではありませんが、まさにヴォーヌ・ロマネらしいエレガントなワインを生み出す生産者だと思います。過去に飲んだボーモンの2006年は素晴らしいワインでした。中程度のガーネットの外観。ラズベリー、レッドチェリーの赤系果実に、ドライフィグの香り。リコリス、シナモンに僅かに五香粉のようなエキゾティックなスパイス香、紅茶葉や森の下草を感じさせる熟成香も。やや高めの酸のアタック、色の割に熟度の高い果実味を感じるが、冷涼感も持ち合わせており、バランスが良い。時間が経つと旨味が出てきて、美味しい。

(3.5)

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Chateau Meyney Saint Estèphe 2003

格付2級シャトー・モンローズの隣に位置するシャトー・メイネイ。シャトー自体は、1855年メドックの格付けから漏れていますが、クリュ・ブルジョワに格付けされています。何十年ぶりかに飲みました。レンガ色は混ざる、少し明るくなりかけた濃いガーネットの外観。
カシス、ブラックベリー、ダークチェリーの黒系果実、イチジクや煮詰めたプラム。シダー、クローブナツメグ、土、皮革、僅かにタバコも。味わいは中程度~少し高めの酸、滑らかでシルキーなタンニン。熟成を経て円やかになった黒系果実が心地よく、余韻も長め。

(3.3)

サン・テステフのワインは、頑強なタンニンにより、熟成に時間を要するヴァン・ド・ガルドのイメージが強いですが、流石に20年以上の熟成を経て、柔らかくなっています。まさに飲み頃の1本でした。

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こちらは、いちじくのファゴッティーノと味わいました。

<了>