4/18~4/29でニュージーランドを訪れました。南島のテ・アナウに3泊、クイーンズタウンに4泊、北島のオークランドに3泊の日程です。日本で言えば10月後半に相当し、爽やかな秋のニュージーランドの自然を楽しむことができました。まず、最初に訪れたフィヨルド国立公園について書きたいと思います。
↓今回訪れた場所の位置関係です。日本からニュージーランドへの唯一の直行便は、ニュージーランド航空のオークランド着便のみになります。オークランド経由で国内線でクイーンタウン空港へ向かい、南島での移動は、ワイナリーツアーを除きレンタカーを利用しました。
テ・アナウ湖畔に佇む町 テ・アナウ
今回、テ・アナウを最初の宿泊地に選択したのは、ミルフォード・サウンドへの車での移動を楽にするためです。実は、クイーンタウンからミルフォード・サウンドまでの直線距離は71kmほどですが、クイーンズタウンから車で移動すると4時間かかります。その中間に位置するのが、テ・アナウになります。クイーンズタウンからミルフォード・ワンドを訪れる日帰りツアーも多く存在しますが、往復で8時間もの時間がかかります。
ということで、クイーンズ・ランドからミルフォード・サウンド観光の経由地として知られているテ・アナウですが、実は、滞在地としても非常に魅力的な場所でした。
テ・アナウ(Te Ana-au)は、マオリ語の「渦巻く水の洞窟」に由来し、テ・アナウ湖は、344k㎡の南島最大(ニュージーランドでは2番目)の湖です。
街は、テ・アナウ湖の南に位置しており、湖が一望できる湖畔には、モーテルを中心とした宿泊施設が並んでいます。
↓今回宿泊した、Lake Side motel & appartmentです。キッチン、テラス付きの快適なアパートタイプの宿でした。
↓まずは、テ・アナウ湖を望みながらモーテルのガーデンで乾杯。日本でもよく知られているマールボロのOyster Bayのソーヴィニヨン・ブランのワインです。
↓テ・アナウの街の中心です。多くの観光客でにぎわうクイーン・タウンとは対照的で、とても落ち着いた街で、気に入りました。大きなスーパーもあり、長期滞在にも困りません。
↓交差点近くにはニュージーランド固有の飛べない鳥、タカヘの大きなオブジェがあります。
↓このタカヘ、同じニュージーランドの飛べない鳥のキウィよりも生息数ははるかに少ない絶滅危惧種ですが、南棟で唯一、このテ・アナウのワイルドライフセンターというところで見ることができます。
↓金網越しですが、生きたタカヘを見ることができました。地中の餌を啄んでいました。
↓湖畔のポプラの紅葉が美しい。暑くもなく、寒くもなく、気持ちの良い気候です。
↓初日の夜は、近くのスーパーで購入したサーロインのステーキとピノノワールで。日本でも見かけるマールボロのVILLA MARIAヴィラ・マリア。カジュアルなワインですが、このワイン、ニュージーランド航空のエコノミークラスの赤ワインとして提供されていました。
フィヨルドランド国立公園の南端に位置する湖畔の町マナポリウ
テ・アナウ滞在の2日目は、テ・アナウから車で15分ほどのマナポウリ(Manapouri)に向かいました。マナポウリは、フィヨルドランド国立公園の端に位置する湖畔の町です。
ここを拠点としてダウトフル・サウンドというフィヨルドへのクルーズ船が出ています。岸からは全貌は見えませんが、後述のミルフォードサウンドにも匹敵するようなフィヨルドのようです。
↓湖の周辺には、ちょっとしたトレッキングコースがあります。
↓雨上がりのようで、コースの至る所にキノコ(ベニテングダケ)が生えています。
鮮やかなキノコですが、当然、猛毒です。↓平日ということもありますが、マナポウリ湖周辺は、テ・アナウ以上に落ち着いた雰囲気で、地元の人たちが湖畔で楽しんでいました。
犬も気持ちが良さそうです。
ミルフォード・サウンドのクルーズツアー
3日目は、念願のミルフォード・サウンドです。
タスマン海から内陸に約15km続くこのフィヨルドは、氷河の浸食によって形成された深い渓谷とそびえ立つ山々が特徴で、ユネスコの世界遺産にも登録されています。
フィヨルド・クルーズは、現地で、天気予報を見ながら2日前に予約しました。クルーズ船の会社はいくつかあるので、当日でも予約できるのかと思っていたのですが、結構満席も出ており、ハイシーズンを少し過ぎているとはいえ、早めに予約したほうが良かったようです。ハイシーズンでは、少なくとも1週間前の予約が必須のようです。
テ・アナウからミルフォード・サウンドへは車で2時間弱の距離ですが、途中にいくつか絶景スポットがあり、それらに立ち寄ることも想定して、クルーズ船の予約時間の4時間ほど前にテ・アナウを出発しました。
↓テ・アナウ・ミルフォード・サウンドハイウェイの林間を走っていると、ほぼ中間地点に突然、平原が現れます。エグリントンヴァレー(Eglinton Valley)です。絶景ポイントのようですが、この日の朝方は、結構雲がかかっており、景色はいまいちでした。↓昼近くになると、雲が途切れてきて、青空がのぞきます。
↓風は全くなく、湖に山の姿がくっきり映っています。
ミルフォードまであと4分の1くらいの所から、曲がりくねった山間の道になります。
↓途中にあるHollyford Valleyのルックアウトです。↓さらに進むと少しフィヨルドらしい風景が現れます。
↓高い山には残雪?が見られます。道路沿いながら、圧巻の風景です。
↓やがてミルフォード・サウンドに到着します。
クルーズ船の乗り場近くには、いくつかの有料駐車場がありますが、到着した昼近くには、すでに満車の状態。来た道を少し戻り、かなり離れた駐車場にようやく停めることがことができました。乗り場まで、徒歩で30分近くかかりましたが、幸いにも無料でした。
↓乗り場には、いくつかのツアー会社の大小さまざまなクルーズ船が停泊しています。
ハイシーズンは過ぎていると思われましたが、待合室は、結構多くの観光客で賑わっていました。中国やインド?などアジアから観光客が結構多くみられました。↓今回は、’Southern Discoveries’というクルーズ会社のクルーズに申し込みました。上陸して、トレッキングを楽しむツアーもあるようですが、今回は、シンプルにクルーズ船で入江から河口近くまでのフィヨルドを船で往復するツアーを選びました。大型のクルーズ船もありましたが、乗船したのは、中型のクルーズ船でした。ちなみに、小さいクルーズ船ほど、滝のある陸地に近づけるようです。
↓出航して間もなく右手に滝が現れます。
↓このような感じの岸壁の間をクルーズ船は進みます。残念ながら午後になると雲が空一面を覆い、昼までの青空は見えなくなりました。
↓残雪を抱いた山も。
クルーズ船は、河口近くで折り返します。
↓クルーズ船ツアーのハイライトは、滝すぐ近くまでのアプローチです。
↓船は、スピードを落として、水しぶきがかかるほど、滝に近づきます。
2時間ほどのクルーズ船ツアーでしたが、世界遺産のフィヨルドを間近で見ることができ、結構楽しめました。
テ・アナウのツチボタル洞窟ツアー
テ・アナウ滞在最終日は、ツチボタル洞窟のガイド付きツアーに参加しました。ツチボタルは、ヒカリキノコバエというハエの幼虫(英語でグローワームGlowwormと呼ばれています)で、真っ暗な洞窟の中で青白い光を発し、餌を寄せ付けます。ツチボタルは、ニュージーランドとオーストラリアにのみ生息し、ニュージーランドでは、北島のワイトモ・ケーブスというところが有名なようですが、ここテ・アナウの洞窟にも生息しています。
洞窟へは、テ・アナウの街からクルーズ船で向かいます。
↓30分ほどで洞窟ある対岸へ到着します。
残念ながら洞窟内は撮影が禁止されており、写真はありません。
↓洞窟内には足場が設置されており、そこを徒歩で進み、やがて小さな船に乗り、船の上から洞窟の天井に生息するツチボタルを見ることができます。ここは真っ暗闇の為、どうのように船が進んでいるのかはわかりませんが、やがて、暗闇名の中に青白い光が浮かび上がります。
洞窟内のツアー後、Cavern Houseでビデオを使った説明がありました。
↓まるで天の川ですが、実際はこんな感じではありません。↓こちらのイメージが近いと思います(実際は真っ暗ですが...)
↓ヒカリキノコバエの幼虫であるツチボタルは、粘液が玉のように並ぶ糸を洞窟の天井から垂らします。その長さは長いもので40cmにもなるようです。その後幼虫は、青白く発光し、その光に虫が惹きつけられ粘液に絡まり、これが幼虫の餌となります。ちなみに成虫は、交尾だけの存在で、わずか3日の寿命のようです。何とも切ない生き物です。
なかなか神秘的な洞窟ツアーでした。テ・アナウ湖でのクルーズも含め、このツアー、結構楽しめました。
ツアー終了後、テ・アナウのスーベニアショップで買い物をして、次の滞在地クイーンズ・タウンに向かいました。さすがに観光地化しているミルフォード・サウンドは別としても、テ・アナウやマナポウリは、落ち着いたリゾート地で、機会があれば、また、ゆっくりと滞在してみたいと思いました。
了