ドメニコ・クレリコの スペシャル・キュヴェ、バローロ・アエロプラン・セルヴァイです。3年前に2010年を飲みましたが、今回は2014年ヴィンテージです。6本セットで入手しましたが、まずは1本目を開けました。とても力強く濃厚なセッラルンガダルバ産バローロでした。
ワイナリーについて
1980~1990年代にバローロの世界に革命をおこした若手生産者たちによる「バローロ・ボーイズ」は、伝統の大樽熟成のバローロが主流だった時代に、グリーンハーベスト・バリック・ロータリーファーメンターという3つの革新を導入し、世界のバローロ像を変えたといわれる言われています。
ルチアーノ・サンドローネ、パオロ・スカヴィーノやエリオ・アルターレらと共にこのバローロ・ボーイズの中心となった生産者がドメニコ・クレリコです。
本拠地は、モンフォルテ・ダルバ村で、創業(元詰め)は1976年。モンフォルテ・ダルバを中心に21haの畑を所有しています。
DRCにインスピレーションを受けて、バリックの新樽を導入したり、ロータリー・ファーメンターによる発酵により、若いうちから飲めるバローロのスタイルを確立しましたが、2000年代半ばからは、”濃厚で樽の効いたモダン”から、新樽比率を下げたり、穏やかな抽出に変えることで、”透明感とバランスを重視したモダン”に進化させています。
ドメニコ・クレリコは、残念ながら、2017年に67歳の若さでこの世を去りましたが、チームが意思を継ぎ、その品質やスタイルを維持しながら更なる高みを目指しています。

↑(写真はDomenico ClericoのHPから引用)
ワイナリーは、モンフォルテ・ダルバ村のマンツォーニという地区の高台にあります。
2023年にバローロを訪れる機会がありましたが、実は、このドメリコ・クレリコを訪問先候補にしていました。残念ながら訪問は実現はしませんでしたが、訪問者には比較的オープンで、ワイナリツアーも充実しているようです(ちょっと高いですが)
アエロプラン・セルヴァイについて(産地と由来)
先代から引き継いだ5haの畑から、ジネスト、モスコーニとモンフォルテ・ダルバ村内で畑を拡大していきましたが、2006年にセッラルンガ・ダルバに畑を所有しました。
バローロは、ブドウの生産地により味わいに大きな違いが出ることは体感しておりますが、特に土壌の違いがポイントになります。
大別すると西側は、トルトニアーノと呼ばれる青い泥灰土で、砂が混ざり、マンガンが豊富な土壌で、香りが高く、優美で比較的早飲みの女性的バローロが生産され、モンフォルテ・ダルバやセッラルンガ・ダルバがある東側は、東側は、エレヴィツィアーノと呼ばれる泥灰土で、鉄分が多く赤茶色をしており、厳格でスパイシーな男性的バローロが生まれます(ソムリエ教本より)
さらにモンフォルテ・ダルバは、粘土が厚く、保水性が高い土壌で、タンニンが太く、重心が低く、果実の厚みが出るワインが生み出され、セッラルンガ・ダルバは、鉄分を含む石灰質で土が硬く、痩せており、鉄のようなミネラル、タイトな構造、長い余韻のワインが生み出されると言われています。
HP上の所有畑の位置から判断すると、今回のワインは、セッラルンガ・ダルバ村のバウナーダ(Baudana)というクリュ周辺のブドウによるもののようですが、インポーター(Firadis)の情報では南端のフランチャ(Francia)というクリュ周辺という情報もあり、どちらが正しいのかはわかりません。

ちなみに「イタリアワイン産地ガイド」によるとバウナーダは、「サーラバリアン期の土壌になり、シルト50%、砂23%、粘土27%構成のため畑の傾斜がきつくなり、土壌に柔らかさが増す。….いわゆるセッラルンガ独特の土壌になり、保水力がやや劣り、乾燥した痩せた土地。土壌のpHは8.20のアルカリ性」とあります。細部は別として、要はセッラルンガの特徴をよく表した土壌のようです。
ワイン名の「アエロプラン・セルヴァイ(Aeroplan Servaj)」は、「野生の飛行機」の意味で、手に負えない腕白坊主だった幼少頃のドメニコに父親が与えたニックネームとのこと。モンフォルテを飛び出し、セッラルンガへ挑戦した自分自身を象徴するネーミングでもあるようです。
このワイン、ラベル違いの6本セットでリリースされます。中身は同じと思われます。2010年は単体で購入しましたが、この2014年ヴィンテージは、6本セットを購入しました。先に飲んだ2010年は単品で購入しましたが、木箱入りのセット販売されるケースが多いようです。

テースティングノート(2024年ヴィンテージ)
[2014] Domenico Clerico Barolo Aeroplan Servaj
ステンレスタンク発酵、スラヴォニアンオークの大樽&バリック熟成(樽熟成期間は24ヶ月と思われます)

中心が黒みがかった濃いダークチェリーレッド(ガーネット)の外観。10年以上経っているが、熟成の色合いはあまり現れていない。レッグは長め(Alc14.5%)。
香りは良く開いており、カシス、ブラックべリー、ダークチェリー、ブラックプラムの黒系寄りの果実の香り。アニスやリコリス、ナツメグのスパイス香。バリック熟成の恩恵か、皮革や心地よいスモーキーな香りも感じるが、決してオーキーという感じではない。味わいは高い酸のアタックに続き、熟度が高く、非常に凝縮した果実味と旨味、豊かだが甘美に感じられるタンニンが口中に広がる。これまで飲んだバローロのなかでも特に力強い骨格が感じられる。果実味とタンニンの深みを感じる長い余韻。
2日に渡り飲んだが、2日目は、より力強さとタンニンが増したように感じる。2020年のブルゴーニュにタンニン増々という印象(笑)だが、甘く厚ぼったい感じではなく、不思議と緊張感のある濃厚なワイン。
(4.0)

以前飲んだ2010年に比べると2014年のバローロは、決して、気候に恵まれたヴィンテージではありませんが、このワインに関しては、力強さでは決して劣りません。むしろ濃厚にも感じましたが、いずれも濃厚な中にもどことなく冷涼なエレガントさが感じられるバローロという印象です。
ただ、タンニンがこなれて、飲み頃になるには、まだ時間がかかりそうです。
残りの5本は、セラー内での熟成による経年変化を楽しみたいと思います。またドメニコ・クレリコのモンフォルテ・ダルバのワインとの飲み比べも行ってみたいと思います。
<了>

コメント