2005年ヴォーヌ・ロマネ 1erCru マルコンソール飲み比べ

ブルゴーニュワインの良年2005年ヴィンテージのヴォーヌ・ロマネ・マルコンソール(Vosne-Romanee 1er Cru Malcosorts)のインプレッションです。シルヴァン・カティア―ルを筆頭に最近飲んだフランソワ・ラマルシュ、ブシャール、クロ・フランタンを比較したいと思います。

 ヴォーヌ・ロマネ村の1級畑マルコンソールは、DRCのモノポールLa Tacheの真隣という絶好のロケーションにあります。ヴォーヌ・ロマネ村の1級畑としては、クロパラントーやゴーションと共に評価が高い畑です。いくつかの著名なドメーヌが分割所有していますが、そこから産出されるワインは、価格も高めですが、おしなべて高い評価を得ている素晴らしいものです。

f:id:turque1991:20190718230159j:plain

まず、シルヴァン・カティアール (Sylvain Cathiard)です。

シルヴァン・カティアール ヴォーヌ・ロマネ・1erCru・マルコンソール 2005年

1984年、ヴォーヌ・ロマネ村で設立されたドメーヌで、父は、ブルゴーニュで高く評価されていたカリスマ醸造家アンドレ・カティアールです。シルヴァン・カティアールのワインは、市場で極めて高い評価を受けているものの、生産量が少ないため非常に高価なワインになっています。このワインは、2008年のリリース時に購入しましたが、2万円と当時の同クラスのワインの倍近かった記憶があります。ちなみにwine-searcherでの現在の2005年の価格は、840$!です。

f:id:turque1991:20190511015527j:plain
2005 Sylvain Cathiard Vosne-Romanee 1er Cru Aux Malcosorts

今回は、福島の裏磐梯グランデコ東急ホテルのクレールに持込ませてもらいました。(2019/5/5)

ここは、毎年必ず1度は利用しますが、今年は3月に続き2度目になります。10年以上利用していていますが、シェフが代替わりしても常に素晴らしいフレンチを楽しましてくれます。

f:id:turque1991:20190512104956j:plain
鴨のフォワグラのポワレ 焼きポレンタ くきたち菜添え

芯に少し黒を帯びたラズベリーレッド。ラズベリー、ブルーベリー、アメリカンチェリーの甘い華やか香り、スミレ、セージ、シナモン、グローブやリコリスの甘苦いベーキングスパイスのアロマ。下草、紅茶、僅かにキノコの熟成香も。もともとオークが強い作り手のようですが、このワインのタンニンはシルキーで甘く溶け込んでいます。高すぎない、豊かな酸と熟度の高い果実味。フォワグラとの相性も抜群です。昨年11月に飲んだ2005年のLa Tacheに非常に近いワインで、これは感動ものです。強いて言えば、甘露さと奥行き感は流石にLa Tacheに軍配が上がりますが、その差はごく僅かです。どちらも、素晴らしいワインだと思います。

f:id:turque1991:20190718230907p:plain 4.8 (Impressive!)

楽天市場でシルヴァン・カティアールのワインを探す

f:id:turque1991:20190512085109j:plain
2005 DRC La Tache (2018/11/11)

次いで魚のローストとメインの牛ソテーです。
2杯目あたりから特に腐葉土、紅茶といった熟成香(第三アロマ)が目立ってきます。

f:id:turque1991:20190512105139j:plain
香草入り眼張のロースト 野菜のジュリエーヌ
f:id:turque1991:20190512105754j:plain
国産牛フィレ肉のソテー マルサラソースで

マルサラ酒のソースとの相性も抜群です。

f:id:turque1991:20190512105844j:plain
シトラスのムース パションフルーツとポメロ

フランソワ・ラマルシュ ヴォーヌ・ロマネ・1erCru・マルコンソール 2005年

次にフランソワ・ラマルシュです。このワインは、シルヴァン・カティアールの半月前の2019/4/20に自宅で飲みました。

f:id:turque1991:20190512113716j:plain
2005 Francois Lamarche Vosne Romanee 1er Cru Malconsorts

下の写真では明るく見えますが、やや濃い目の少し茶色の入ったラズベリーレッドです。縁に僅かにオレンジ色が見られます。

f:id:turque1991:20190512113910j:plain

ファーストアタックですが、一瞬古い木質の香りがあり、ブショネかと思いましたが、暫くすると気にならなくなりました。暫くはウンともスンとも言わない閉じた状態でしたが、スワリングとともにラズベリーやドライハーブ、スパイスの香りにレザーや腐葉土の熟成香が顕れはじめます。最初はそうでもなかったのですが、徐々に酸が明確になってきます。味わいについてもやや閉じているのか、若干タンニンが目立ち、果実の厚みがあまり感じられません。

f:id:turque1991:20190718231306p:plain 3.5

楽天市場でフランソワ・ラマルシュ マルコンソールを探す

鴨のコンフィと香味の強いカマンベールチーズ(Le Rustique de Printemps)と合わせました。

f:id:turque1991:20190503174644j:plain

ブシャール・ペール・エ・フィス ヴォーヌ・ロマネ・1erCru・マルコンソール 2005年

次いで、ブシャール・ペール・エ・フィスです。ラマルシュの1か月前の2019/3/20に札幌のワインバー モン・レーヴでグラスワインとして提供されていました。

ブシャールは、ボーヌ市内に拠点を置くネゴシアンとして有名ですが、調べると、このマルコンソールはドメーヌもののようで、2005年、すなわちこのビンテージがファースト・ヴィンテージになります。飲んだ時は、このことは知らずてっきりネゴシアンものと思いました。しかもブシャールが、マルコンソールを出しているのも知りませんでした。

f:id:turque1991:20190512121109j:plain
2005 Bouchard Père & Fils Vosne Romanée 1er Cru Aux Malconsorts

色調は少し茶色が入った中程度のガーネット、ブルーベリー、アメリカンチェリーの香り、バラ、ドライハーブ、リコリス。酸・タンニンともに突出してはおらず、派手さはないものの、バランスがとれており、ヴォーヌ・ロマネの特徴である華やかさも感じられます。

f:id:turque1991:20190718231433p:plain 3.6

楽天市場でブシャール マルコンソールを探す

最後にクロ・フランタンです。

ドメーヌ・デュ・クロ・フランタン ヴォーヌ・ロマネ・1erCru・マルコンソール 2005年

ドメーヌ・デュ・クロ・フランタンは、ニュイ・サン・ジョルジュ村にあるドメーヌで、現在は大手のアルベール・ビショー社の傘下に入っています。

f:id:turque1991:20190512125729j:plain
2005 Clos Frantin(Albert Bichot) Vosne Romanee 1er Cru Malconsorts

こちらは、上記の3本と異なり、昨年の2月に飲んだものです。色はやや濃いでダークtチェリーレッドに近い。比較的タンニンも感じましたが、ただ、この時は詳細のメモを取っておらずそれ以上の印象については、覚えていません。期待して飲みましたが、際立った印象は残らなかったようです。ただ、価格はとてもリーズナブルです。

f:id:turque1991:20190718231515p:plain 3.2

楽天市場でクロ・フランタン マルコンソールを探す

4本のワインのうち、3本はほぼ同じ時期に飲んでいますが、飲んだ環境(雰囲気)や合わせた食事も全く異なっており、同じ土壌で、きちんと比較できるようなものではありませんが、やはり、シルヴァン・カティア―ルの素晴らしさは抜きんでています。
ラマルシュの同じワインは、実は数年前にも飲んでおり、その時の印象が、その後このドメーヌのワインを買い続けるきっかけになっていますが、このボトルについてはちょっと不調だったようです。ラマルシュの最近の評価はすこぶる高いようで、いずれ、2010年以降のヴィンテージも試してみたいと思います。

<了>

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1958年東京生まれです。
昨年、仕事をリタイアして大好きなブルゴーニュワインとグルメや旅行を楽しんでいます。
主な資格(Foods&Drinks):
JSA ワインエキスパートエクセレンス
JSA SAKE Dioploma
WSET Level3
CPA チーズプロフェッショナル
唎酒師

コメント

コメントする

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

目次