時々思い立つと、飲みたくなるロゼ・シャンパンで、ここ最近は、必ずセラーに1本は置いてあります。アイ村、エペルネ近くにある小さな家族経営のレコルタン・マニピュラン(RM)のマーク・エブラ―ル(Marc Hebrart)が造るシャンパンです。いつ飲んでも盤石の美味しさでお気に入りです。
このメゾンのシャンパンは、ネット通販で有名なウメムラ・ワインセラーさんの専売品のようです。以下は、ウメムラさんのホームページの引用です。
「マーク・エブラールは、家族経営のレコルタン・マニピュランで、ドメーヌは、マーク・エブラールによって1963年に創られました。1年目の瓶詰め総数は、たったの280本でした。その後、畑を買い足して、現在12.5ヘクタールの畑を所有しています。現在39歳になる彼の息子、ジャン・ポールが1997年からドメーヌの跡を継ぎ高品質シャンパンを作っております。本当に驚かされた事に、ここMarc Hebrartはすべてにおいて手作業でシャンパンを生産しています。」
とのこと。ルミアージュ(ボトルを少しずつ左右に回しながら立てていき、澱を瓶口の栓の近くに集める作業)も手動のようです。
シャルドネ、ピノノワールほぼ半分ずつのセパージュで、年間生産本数はわずか2500本(但しH13年の数字)とのこと。一部樹齢50年の古樹も使用されているようです。
このロゼ泡、ショップのレビューを見ても結構人気が高いことがわかります。
淡い色合いの理想的なロゼカラーだと思います。誰が見ても綺麗で上品と感じる少しオレンジがかったサーモンピンク色です。
このロゼ・シャンパン、ワインやシャンパンを飲みなれていない人でも、ほとんどが美味しいという反応を示してくれます。華やかな果実のアロマを感じますが、結構ドライなので、食前酒だけでなく、食中酒としても最適です。瓶内熟成によるブリオッシュやトースト香は、主張し過ぎず、リザーヴワインの添加をやや抑えているのか、果実味主体のシャンパンです。一般にイーストやナッツ香は、深みと複雑さを与えてくれますが、あまり飲みなれない人にとっては、ひねた香りというネガティブに捉えてしまうこともあります。
このシャンパン、大手メゾンのロゼに比べてもコストパフォーマンスの高さを実感できるものだと思います。
ウメムラさんの価格は、税抜4,980円とぎりぎり5千円を切ります。NVシャンパンですので、決してすごく安いわけではありませんが、生産量を考えると、決して高くはないと思います。ちなみに、ブラン・ド・ブランも同価格で販売されています。

泡は繊細です。明るいサーモンピンク。ストロベリー、レッドチェリー、オレンジ、グレープフルーツ、青リンゴのフレッシュな柑橘系・緑色系フルーツやハーブの香りに、心地よいミネラル香。蜂蜜、ブリオッシュやトースト、ナッツのオートリシスによる香りが複雑に絡みます。印象的なのは、やはりドライながら華やかな果実味です。

少し濃厚めの白カビチーズ(伊ランゲリーノ)チーズや濃厚なボーフォールにも良く合います、シーフードアヒージョとの相性も抜群でした。
こちらは、少し前に飲んだ同メゾンのヴィンテージ・シャンパン マーク エブラール スペシャル クラブ ミレジム2012です。こちらは、オートリシスによるイースト香がやや強めで、より複雑な風味が感じられるシャンパンでしたが、ノーマルラインのNVで十分美味しいと感じました。

生産本数が少ない為、売り切れのことも多いですが、いろいろなシチュエーションにあわせられるこのロゼ・シャンパンはお奨めです。
了
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