1級畑ながら、かのロマネ・コンティに接するラ・ロマネの畑の直ぐ上部という素晴らしい立地条件を持つヴォーヌ・ロマネのオー・レニョです。ドミニク・ローランの飲み頃を迎えた2011年ヴィンテージです。
ヴォーヌ・ロマネ・プルミエ・クリュ・オー・レニョについて
ブルゴーニュの丘の中心に輝く宝石と称えられるヴォーヌ・ロマネ。特に、ヴォーヌ村の中心部の西側の丘陵地には、珠玉の特級畑が広がっています。その中心、「ラ・ロマネコンティ」の上部に接しているのが、コント・リジェ・ベレールが所有する「ラ・ロマネ」です。そして、ラ・ロマネのすぐ上部(西側)に接しているのが、今回のオー・レニョの畑です。

2015年と2019年にこの地を訪れ、ヴォーヌ・ロマネの畑を歩き回りました。
▼(右)ロマネ・コンティと(左)グラン・リュの間の道路を登り切った位置にこの畑があります。

▼ロマネコンティの上部の畑です。

▼ロマネ・コンティとすぐ地続きに位置するのがラ・ロマネの畑です。ちなみに、ラ・ロマネの価格は、最新ヴィンテージ(2017年)では、1本50万円!(エノテカ)ですが、ロマネ・コンティに比べればリーズナブルに見えます。

▼さらにすぐその上に回のオー・レニョの畑があります。1.6haほどの小さな畑です。

オー・レニョの畑を所有しているドメーヌは、知っている範囲では、ティボー・リジェ・ベレール、アルヌー・ラショー、シルヴァン・カティアール、アンリ・フェリティグ、オーディフレッドです。ぺルナン・ロサンもかつての所有者でしたが、引退と共にクリストフ・ペロミノに売却しているようです。ただ、ペロミノのオー・レニョは見たことがありません。

ドミニク・ローラン ヴォ―ヌ・ロマネ・プルミエ・クリュ・ レ・レニョ V.V. 2011年
2011 Dominique LoarentVosne-Romanne 1erCru Les Regnotos Vielles Vignes
ネゴシアンであるドミニク・ローランは、当然ながら各畑の所有者を明かしませんが、この畑は例外で、ドミニク・ローランの従業員(カーヴ責任者)の所有であることを明らかにしています。

中程度の濃さのラズベリーレッド。抜栓後15分ほどで、華やかな香りが開く。ラズベリー、レッドチェリー、ドライレーズン、スミレ、ローズヒップ、フェンネル、甘草、シナモンにバニラ、ロースト香、林床や下草、紅茶の熟成香。味わいは、豊かな果実味と伸びやかな酸、(このヴィンテージにしては)高い熟度を感じる果実味。シルキーなタンニン、そして出汁感のある旨味。樽は感じるものの、かなり抑えられている印象。樽香の利いた濃いワインのイメージがあるドミニク・ローランですが、これは、華やかな香りと柔らかな味わい。極力手を加えず、ヴォーヌ・ロマネのこの畑の特徴をまさに具現化したエレガントなワインだと思います。

(4.0)
最近のドミニク・ローランは、1990年代の濃くてオーキーなワインのイメージはなくなりつつありますが、その中においても、一線を画す柔らく、エレガントなワインだと思います。レジョナルからグラン・クリュまで結構な本数のドミニク・ローランのワインを飲んでいますが、その中でも、このワインは、特にフィネスとエレガントを感じさせてくれる1本でした。
▼焼き鳥、煮物、炒め物、いずれの料理にも良く合います。最高の家飲みワインでした。

ロマネ・コンティ、ラ・ロマネ、そしてそのすぐ上にある地続きのこのオー・レニョの畑を訪れると、否応なしに、この畑から生み出されるワインへの期待が高まります。すぐ右隣は1級畑のプティ・モン、左は村名のオー・シャン・ペルドリの畑もありますが、やはりこの一級畑は特別な存在に感じてしまうほどの思い入れがあります。
そんな先入観を抜きにしても、この畑のワインは、まさにエレガントなヴォーヌ・ロマネのテロワールの特徴をうまく反映していると思います。手の届くのは、このドミニク・ローランとオーディフレッドくらいだと思います。他のドメーヌのものはちょっと手を出せない価格になっています。
ドミニク・ローランのこのワインは、僅か2樽の生産量ですが、価格は比較的手頃であり、見つけたら、買うべき、お奨めです。
<了>
コメント