2022年6月のワイン記

世の中コロナ感染拡大で、外食・外飲みには未だ抵抗があり、完全に家飲みが中心になっています。2020年6月に飲んだワインで個別にブログで取り上げなかったワインをまとめての記録です。熟成ブルゴーニュとデイリーワイン、いろいろ混在しています。

まずは、イタリア・シチリアから。 

目次

昨年3月に訪れたシチリアの港湾都市メッシーナにあるワイナリーで、評論家の評価も結構高いようです。ネロ・ダヴォラは、イタリアの固有品種で、シチリア島で最も多く産出されています。

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黒っぽさも感じる艶のあるダークチェリーレッド。レッグが長い。
香りの印象は、カシス、ブラックベリーの黒系果実のコンポートの印象だが、味わってみると、熟したプラムやチェリーの赤系果実のテーストです。ミネラル感も感じられます。色から重くタニックなワインを想像してしまうが、ややジャミーながらタンニンは意外にも円やかなワインです。香りにメントール、甘草、シナモン、タバコ、なめし皮も。

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シチリア唯一のDOCGがチェラスオーロ・ディ・ヴィットリアですが、このワインもネロ・ダーヴォラ主体です。但し、今回のワインがネロ・ダヴォラ100%に対して、チェラスオーロ・ディ・ヴィットリアには、フラッパーと呼ばれるエレガントな黒ブドウがブレンドされているので、思ったよりマイルドに感じられます。
いずれにせよ、南イタリアに位置するシチリアの赤ワインは濃厚なイメージがありますが、味わってみると意外に飲みやすいことに気づきます(有名な、エトナ・ロッソもエレガントなワインです)
ラベルも洒落ていて、価格も手ごろなので贈り物にも良いかもしれません。

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シモン・ビーズは、最近まで2009年や2010年を飲んでいました(→2009&2010年のオー・ヴェルジュレスの記事)が、このあたりのヴィンテージもストックが尽きてきて、最近2012年を飲み始めました。タルメットは、サヴィニー・レ・ボーヌ最良の1級畑と言われる、オー・ヴェルジェレスの畑に隣接しています。

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縁に少しレンガ色の混ざる中程度のラズベリーレッドの外観。
ラズベリー、アメリカンチェリー、レッドプラムの良く熟した赤系果実の香り。スミレ、バニラ、レザー、リコリス、オリエンタルスパイス。スーボワ、タバコ、紅茶(ミルクティ)等の熟成ブーケ。味わいのアタックは中程度の酸。タンニンはきめ細かく、滑らか。ややスパイシー寄りな印象冷涼感を感じるクラシカルなブルゴーニュ。美味しい!

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トロ・ボーのブルゴーニュ・ルージュです。ここ数年は、リリースされると数本買い込みます。とにかく安定しておいしいブルゴーニュ・レジョナル赤です。何よりもほぼ3Kで購入でき、ブルゴーニュワインの高騰の波にも乗らず、2017年、2018年と逆に安くなっており、コスパ的にも非常に評価が高いワインです。 

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中程度の濃さのラズベリーレッドの外観。
ラズベリー、レッドチェリーの良く熟した赤系果実の香り。スミレ、薔薇、ドライハーブ、シナモン、リコリス。味わいのアタックは中程度の酸、タンニンはそこそこ量を感じるが、収斂性は感じられず、滑らか。やや甘く僅かにジャミーな感じもあるが、美味しく、あっという間に飲み切ってしまう。コスパ高し。

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 シャンボール・ミュジニーを代表するユドロ・バイエ。3ヶ月前に同じ銘柄の2012年ヴィンテージを飲みましたが、華やかで、凝縮した果実味と熟成アロマが感じられる、正にシャンボール・ミュジニーのワインらしさが出た1本でした。2013年は如何に?

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やや濃い目のラズベリーレッド。
ファーストアタックは、果実香よりもロースト香、次いでドライハーブ。ベリー系の果実香であるがやや弱い、タンニンは、やや粗く、比較的酸も強い。徐々に香りは開きだすが、木質のやや違和感のある香りも。あまり、杯が進まず、2日目再度トライしましたが、果実香は褪せて、古い樽の香りが支配的に。
本来のユドロ・バイエのワインではありません。どうも軽いブショネを感じます。

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▼チキンのトマト煮。本来、最高のマリアージュのはずですが..

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アルザス地方で1957年に設立された生産者組合“カーヴ・ド・オルシュヴィレール社”のワインです。正規インポータは存在しているようですが、このラベルのシリーズは、信濃屋の独占販売のもののようです。

多くの公式コンクールで、頻繁にメダルを受賞しているようです。ボルドーの金賞ワインのようなものは、あまり信用していませんが、このワインは何度かリピートしており、デイリーとしては、まずまずだと思います。

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輝きのあるペールイエロー。青リンゴ、洋梨の甘い香りとグレープフルーツの柑橘系の香りも。ミネラルとフレッシュハーブ、少し鉱物的な香りも。爽やかな酸と甘み、ボディは中庸~やや豊か。

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このシリーズには、リースリング、シルヴァネールもありますが、好みは、このピノ・ブランです。酸や甘みが突出しておらず、控えめながら、かえって、食事の邪魔をしません。和食との相性も〇です。

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▼ということで、刺身と合わせました。

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チリ セントラル・ヴァレー チリ最大のワイン産地、D.O.マウレ・ヴァレーのゲヴァルツトラミネールのワインです。ビカール社は、1825年設立の伝統ある家族経営のワイナリーのようです。

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淡いクリームイエロー。
冷蔵庫で冷やし過ぎたら、リースリングっぽい香り。徐々に温度が上がるにつれ、ライチ、白桃の果実香、白い花のアロマ、少し塩っぽいミネラルも。アルザスと比べると品種特徴であるライチ香はやや控えめな印象。ただ、豊かな果実味はそこそこ楽しめる。

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▼エスニック(チキン&サフランポテト)や餃子との相性はまずます。

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 ジュブレ・シャンベルタン村の中心に拠を構えるドメーヌ、フィリップ・ルクレールです。もともと20年来のファンですが、5年前にドメーヌを訪れて以来、より意識して購入するようになりました。(コンボ・オー・モワンヌ2003年の記事はこちら)

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濃く暗めのラズベリーレッド。カシス、ブラックベリー、ダークチェリー。牡丹等の赤い花、土、下草、やや甘みを伴うバニラ香、ジュヴレらしい鉄っぽさも。ブドウの完熟を感じるボリューム感。やや酸が高め。タンニンは、若干ざらつく。次第に腐葉土の熟成アロマ。

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ジュヴレらしいワインで、とにかくタニックだった90年代のワインに比べると遥かに洗練された印象ですが、やや酸が暴れ気味なのが少し残念でした。

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サッポロビールのグランポレールブランドのスタンダードワインです。北海道余市の契約栽培畑産のケルナー100%のワインです。国産ブドウ100%であることを表す「日本ワイン」という文字がラベルに記されていますが、これは2018年10月30日に施行された国税庁にる「果実酒等の製法品質表示基準」を満たしたワインが名乗れる表記です。

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淡い麦藁色。青リンゴやマスカットゼリーの香り。爽やかな酸味に適度なミネラルも感じる。ドライの表記はあるが、やはりやや甘く、余韻に甘さが残る。

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▼チーズは、シャンパニュー地方のウオッシュタイプのラングルです。直径8cm程度の小型チーズですが、これは、「ラングル・クープ」と呼ばれる大型のラングルです。小型のもに比べ、高さはほとんど変わりませんが、直径が倍以上あります。ホールで販売される通常の小型ラングルに対し、カット売りされているので、手頃な値段で購入することもできますが、シャンパンを上部のくぼみに注いでという技は使えません。
ウオッシュとはいえ、優しい風味で、酸が結構感じられることから、シャンパンや白ワイン(特に酸がくっきりと感じられるシャブリ等)との相性が抜群だと思います。

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良く知らないドメーヌでしたが、ギド・アシェット誌に毎年掲載され、フランスでの評価や人気が非常に高い造り手のようです。最近リアルワインガイド誌にもテイスティングレビューが掲載されており、調べてみると、1975年ボーヌの西に位置するムロワジー(Meloisey)に設立された家族経営のドメーヌとのこと。ムロワジー村と言えば、オーセイ・デュレスのワインで有名な女性醸造家のアニェス・パケのドメーヌがある村です。オート・コート・ド・ボーヌ、ムルソー、ポマールなど13アペラシオン、計13ヘクタールを所有しており、栽培はアニェス・パケ同様、リュット・レゾネ(減農薬栽培)を採用しています。 

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やや淡めのラズベリーレッド。
フランボワーズ、ラズベリ、チェリーの赤系果実やスミレ、ドライハーブの香り。ミネラルも。比較的柔らかい酒質であるが、やや酸が高めなのが残念。甘みは少なくドライな印象。時間が経つと果実香が強まるが、ドライな風味は変わらない。

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当時の体調もあり、裾ものだけでは、ちょっと評価が難しい印象でした。白も機会があればトライしてみたいと思います。


<了>

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この記事を書いた人

1958年東京生まれです。
昨年、仕事をリタイアして大好きなブルゴーニュワインとグルメや旅行を楽しんでいます。
主な資格(Foods&Drinks):
JSA ワインエキスパートエクセレンス
JSA SAKE Dioploma
WSET Level3
CPA チーズプロフェッショナル
唎酒師

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