シャトーヌフ・デュ・パプの名門、ドメーヌ・ユッセリオ・レイモン&フィスの上級キュヴェ、”キュヴェ・インペリアル”の2010年。これは、すばらしい凝縮感と長い余韻を味わえる珠玉のシャトー・ヌフ・デュ・パブでした。
ドメーヌについて
ユッセリオの名を持つドメーヌは3つありますが、本家的な位置づけなのが、イタリアから移住した創設者の息子によるレイモン・ユッセリオです。現在息子と共に21haの畑を有し、そのうち16haがシャトーヌフ・デュ・パプのようです。伝統的なシャトー・ヌフ・デュ・パブの生産者として、ローヌ好きのロバート・パーカに4つ星生産者として評価されています。
ドメーヌ・レイモン・ユッセリオ・キュヴェ・インペリアル 2010年
Domaine Usseglio Raymond & Fils Châteauneuf du Pape Cuvée Impériale 2010
▼今回のキュヴェ・インペリアルですが、 1902年に植えられた古木のグルナッシュが生きる区画からのブドウを使ったキュヴェようです。詳細なセパージュは不明ですが、おそらくオールド・グルナッシュが大部分を占めているのではないかと思います。

▼下の写真のように、色は黒に近くグラスの底は殆ど見えないほどです。通常は縁にかかけて淡くなるグラデーションが顕れるのですが、このワインは、縁近くまで黒です(笑)。レッグも長めです。

カシス、ブラックベリー、ダークチェリー、煮詰めたプラムの黒系果実、カカオリキュールやなめし皮、ロースト、リコリスや黒胡椒の香り。黒系果実の凝縮した香りやチョコレートを想像するの甘い香りに圧倒されます。口に含むとやはり凝縮した果実を感じますが、酸は比較的低く抑えられており(というより果実やタンニンにマスキングされている?)、タンニンはしっかりしているものの、色々な要素が強いので、バランスが取れている感じです。余韻は、特筆ものの長さ!。アルコール度数は15%ですが、アルコールが浮いた感じは、一切なくコクと深みを与えている印象です。
(4.6)
これは文句なしに素晴らしいシャトー・ヌフ・デュ・パブです。
少し前に飲んだドメーヌ・ド・ラ・ジャナセのシャトー・ヌフ・デュ・パブ ヴィエイユ・ヴィーニュ(V.V.)の2009年も霞んでしまいます。濃厚なシャトー・ヌフ・デュ・パブは、食事に合わせた際に概して甘みがちょっと気になることがありますが、このワインは、濃厚ながら、しつこい甘さは抑えられています。
▼家飲みで、あわせたのは、ジンギスカン。有名な松尾のジンギスカンの特上ラム(もも)です。
ジンギスカン特有の脂質をリセットしてくれるこの濃厚なワインとの相性は抜群でした。

チーズは、アメリカ(オレゴン)のアルチザンチーズのローグリバー、スイスのアッペンツエラー、コンテ18ヶ月です。いずれもコクのあるタイプですが、やはり、この濃厚なワインに負けないのは、ローグリバーのような強烈なブルーチーズかと。


今回のワインの購入時期は覚えていないのですが、調べたら、パーカ・ポイント99点とのこと。家族にも好評で、あっという間に飲みきってしまいました。 今年飲んだシャトー・ヌフ・デ・パプの中では、ダントツの美味さの1本でした。
<了>
コメント